国際原子力機関(IAEA)の定例理事会が9日開会し、天野之 弥事務局長は冒頭演説で、東京電力福島第1原発の汚染水漏れについて「優先度が高く、緊急に取り組む必要のある課題」と強調した。また、同原発の廃炉作業 を検証する2回目の調査団を今秋、日本に派遣すると述べた。定例理事会の日程は5日間。IAEA加盟国の間では汚染水漏れに対する懸念が強い。日本はこの日の理事会で、原子炉建屋への地下水流入を防ぐための凍土遮水壁の設置や、汚染水の浄化設備の増強を含めた政府の対策を説明した。(9日新聞より)
【その頃東電は】
9日に開かれた東京電力の記者会見で、報道陣から首相発言を裏付けるデータを求める質問が相次いだ。担当者は「一日も早く(状況を)安定させたい」と応じた上で、政府に真意を照会したことを明らかにするなど、認識の違いを見せた。防波堤に囲まれた港湾内(0.3平方キロ)には、汚染水が海に流出するのを防ぐための海側遮水壁が建設 され、湾内での拡大防止で「シルトフェンス」という水中カーテンが設置されている。また、護岸には水あめ状の薬剤「水ガラス」で壁のように土壌を固める改 良工事を実施した。
しかし、汚染水は壁の上を越えて港湾内に流出した。フェンス内の海水から、ベータ線を出すストロンチウ ムなどの放射性物質が1リットル当たり1100ベクレル、トリチウムが同4700ベクレル検出された。東電は「フェンス外の放射性物質濃度は内側に比べ最 大5分の1までに抑えられている」と説明するが、フェンス内と港湾内、外海の海水は1日に50%ずつ入れ替わっている。トリチウムは水と似た性質を持つた めフェンスを通過する。港湾口や沖合3キロの海水の放射性物質は検出限界値を下回るが、専門家は「大量の海水で薄まっているにすぎない」とみる。
さらに、1日400トンの地下水が壊れた原子炉建屋に流れ込むことで汚染水は増え続けている。地上タン クからは約300トンの高濃度汚染水が漏れ、一部は、海に直接つながる排水溝を経由して港湾外に流出した可能性がある。不十分な対策によるトラブルは相次 ぎ、今後もリスクは残る。「何をコントロールというかは難しいが、技術的に『完全にブロック』とは言えないのは確かだ」(経済産業省幹部)という。 安倍首相は 「食品や水からの被ばく量は、どの地域も基準(年間1ミリシーベルト)の100分の1」とも述べ、健康に問題がないと語った。厚生労働省によると、国内の 流通食品などに含まれる放射性セシウムによる年間被ばく線量は最大0.009ミリシーベルト。だが、木村真三・独協医大准教授は「福島県二本松市でも、家 庭菜園の野菜などを食べ、市民の3%がセシウムで内部被ばくしている。影響の有無は現状では判断できない」と指摘する。(新聞より2)
福島第一原発の汚染水問題を巡り、安倍総理大臣は2020年のオリンピックとパラリンピックの東京開催を決めたIOCの総会のプレゼンテーションで、「状況はコントロールされており、全く問題はない」と述べました。これについて、菅官房長官は記者会見で、「汚染水問題は原因をしっかりと見極めて、早期の解決を実現するために技術や知見を結集し、政府が前面に立って取り組んでいく」と述べ、政府が責任を持って対応していく考えを強調しました。そのうえで菅官房長官は「汚染水が漏れたとされる湾内にシルトフェンスと呼ばれる特殊なカーテン状のフェンスを設け、外に出さないようにしている。放射性物 質の濃度は基準値以下で、湾の外では検出できないぐらいの値だ。これを『コントロールしている』と言うのは当然ではないか」と述べ、理解求めました。
オリンピックの成功には東電廃炉、汚染水遮断が不可欠。IAEAの査察が今秋行われ、この結果によっては国際的に報道されることになる。安倍首相の発言の真理と、東電、官僚達の言い分の食い違いなど問題は山積み。隠蔽、嘘、虚言を金で乗り切れると思ったら大間違いだ。オリンピックは金で買えても人の命は金では買えない。ましてや国民の命は買えない。FUKUSHIMAは本気で解決しないといけない問題。それは事実なのだから本気で解決していただきい。すぐに解決しないでもせめてFUKUSHIMAの地で理不尽に被爆されている子供達だけは救ってやってほしい。切に願う。昨日菅官房長官が発言した「汚染水が漏れたとされる湾内にシルトフェンスと呼ばれる特殊なカーテン状のフェンスを設け、外に出さないようにしている。放射性物 質の濃度は基準値以下で、湾の外では検出できないぐらいの値でこれを『コントロールしている』と言うのは当然」などと言い訳じみた言葉遊びはたくさんだ。