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言葉って面白い!

この日本語、英語でなんていうの?その奥に深い文化の違いが見えてきませんか。

牧畜犬・シェパードの話

2007年08月04日 | 言葉
シェパードは、とても人気のある犬の一種です。
オオカミに似通った容貌で、聡明で忠実な犬種として知られます。

警察犬、軍用犬、盲導犬、牧畜犬など、多彩な目的で飼育され、いずれの分野でも卓越した能力を発揮します。

日本ではシェパードと呼ばれますが、英語でshepherdというと羊飼いのことを意味します。
shep(羊)+herd(飼う人)です。
つまり犬ではなく、人間です。
牧畜犬のことは、shepherd's dog、とわざわざdogをつけなければ通じません。

日本で言う犬種の「シェパード」は、アメリカではGerman shepherd。
ドイツ原産の牧畜犬のため、こう名づけられました。

一方イギリスでは、Alsatian (dog)と言います。
ドイツとフランスの国境にあるアルザス地方の犬、という命名です。

いずれにしても、「シェパード」だけでは通じません。

実はかつて「ジャーマン・シェパード・ドッグ」という犬種名が「シェパード・ドッグ」に変更されたこともありました。
しかし1931年、「ジャーマン・シェパード・ドッグ」という名前に戻されます。
以来、この名前がアメリカでは定着しています。

本来、人間の羊飼いを指す言葉を、そのまま犬の種名として使うのは、やはり気が引けたのでしょう。
長い間、人間とともに暮らしてきた犬ですが、言葉の上でも同じには扱えないようです。
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