サジッタ&清史郎の部屋

相棒3頭と暮らす馬日記

ジェネレーション・ギャップ―2

2005-09-19 14:22:52 | コーチとして
箍(タガ)という言葉があります。樽や桶の外側からバラバラにならないように締め付ける竹や金属の輪のことです。樽や桶が世の中に普及しなくなったから、現物を見たことが無い人のほうが多いかも知れません。箍を知らないから、【箍が外れる】とか【箍を締める】【箍が緩む】なんていう言葉の意味も知らない学生がいます。今、庄原に居る学生は知らなかったし、その前に居た学生も知らなかった。大切な日本語なのですが、生活様式の変化で廃れてしまう言葉もあります。
箍は外側から規制をかける道具ですが、内側から支える物は何と言うのか? トンネル工事や鉱山の坑道が崩れないよう内側から支えている物なんかです。

何でこんな話題かといいますと、新人が馬に乗って蹄跡を歩かせますと、例外なくふらふらしますし、軌道修正しようとしても手綱だけに頼って脚を使わないから肩から逃避されたりします。もちろん隅角なんて有る訳が無い。
真っ直ぐ歩かせる(曲線でも馬術的に真っ直ぐに)ためには脚扶助が不可欠なのですが、この事を説明慰するために、『馬の進行方向に対して両脚で箍をはめる様に・・・』と指導したのですが、これが通じないのです。『両側からベニヤ板を押し当てて馬が左右に逃げられないようにするがごとく、両方の脚を使いなさい。』と、こんなまどろっこしい説明になる。
やれやれ、2年後には平成生まれの部員が入部してくるのですが、世の中どうなるのでしょう。馬術の理論だけは普遍なのですが・・・。
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サクセス近況

2005-09-17 20:13:24 | 庄原TRF
色々な運動が改善されてきて、乗り易くなってきましたが、ベーシックな部分のハミ受け改善は短期間ではとても無理です。10月に国体が終わって一段楽したら、馬場内での調教は一休みして坂道をドンドン歩かせて、前下方へ引く口向きを作る必要を強く感じます。
その部分はさておき、選手のHさんも進歩の跡が窺えます。セントジョージクラスに出るなら当然出来て当たり前の運動なのですが、3ヶ月前は全く出来なかった運動がこなせている。直線上斜め横歩~前肢旋回、肩内~腰内~反対前肢旋回などは合格点。横歩~後肢旋回は私がやっても反抗して立ち上がる場合があるから、雰囲気が出てきただけでも進歩。
1週間後は大阪乗馬協会での西日本馬場馬術大会です。中国ブロック大会から1ヶ月が経過し、国体本番に向けて最後の競技会です。どんな馬場になるでしょうか・・・。楽しみであり、不安であり。

サクセスと一緒にメジャーデビューの清史郎。日馬連の登録番号も取れて全ての準備完了です。昨日の運動では競技はどうなることかと心配でしたが、今日辺りから段発・リズム・ペースなど納得できる状態になってきた。明日は小学校の運動会で、長くは乗り込めませんが休馬にはしないで調整運動をします。どんな評価がもらえるのか、これも楽しみです。
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新人を指導して

2005-09-17 15:34:13 | コーチとして
今日の1年生の練習中に思いました。
何故昔の学生馬術は、大学から始めた初心者が多かったのに、4年生時点で中障害を飛べる人が多かったのかと。
障害コースの難易度は上がっているから、一概には言えないでしょうが、新人の練習方法に問題があるのも事実でしょう。
昔の練習方法は、例外なく部班です。馬の背中を叩こうが、人間が落馬しようがお構いなしだった。ある部分では、人馬供にリスクの多い練習法です。
でも部班の利点は、自分で判断して臨機応変に馬を動かさないといけないから、馬を動かす力が自然と身に付くところでしょう。このことが、馬術の基本である、馬を自在に動かすという部分に繋がっていた。私の学生時代は、1・2年生の練習は部班でした。
ずぶの素人が、7~8頭の部班を組んで練習しました。でも4月に入部して、秋口には駈歩の巻き乗りを含んだ部班をこなしていました。部班の基本は、距離を取ることです。ハミ受けやリズム・ペースではない。いくらハミを受けていても、距離が取れていなけれ何の意味も無いわけです。7~8頭の部班だと60mの縦蹄跡に馬が入ったら一杯いっぱいです。これで駈歩の巻き乗りを揃えようと思ったら、各人の技術もさることながら、前後の距離に対する感覚が不可欠です。それを瞬時に判断して馬に要求する訳です。
学生馬術の指導者なら、誰でも部班をやりたいはずです。でもリスクが大きくて怖いですね。
もう1つ語るなら、私たちは乗馬・下馬・曳き馬などの動作を反復して教えられました。三つ子の魂100までもで、決して忘れません。今年の夏の大会時に、全日本学生馬術連盟から指導者が派遣されてこられましたが、まずは乗馬・下馬の動作を指導されました。大学によって多少流儀の違いはありますが、基本は私が役30年前に教わったことと同じです。また、広大も同じような指導方法でした。しかし、モデルで出てきた子は乗馬・下馬の動作がムチャクチャだったし、先月から庄原へ来た広大の学生も乗馬・下馬を全く知らなかった。広大の学生の乗馬・下馬の動作は、観光地へ行って貸し馬で遊ぶ観光客と全く同じレベルです。私も指導者の一員ですから、私が正しいことを教えれば良いのですが、10鞍・20鞍と乗せる前にやらなければならないことが有るはず。
今日から1年生が交代して次の子が来ました。基本動作を確認する作業の繰り返しです。
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装蹄サイクル

2005-09-15 20:03:39 | 清史郎
肢のバランスは、装蹄後1週間ぐらいがベストだと感じます。装蹄師さんがバランスを考えて削蹄してくださるのですから、角度的には装蹄直後がベストなのでしょうが、蹄と蹄鉄のマッチングを考えれば、やはり装蹄直後は何となく怖いです。

清史郎は相変わらず装蹄後1ヶ月を経過すると、非常にアンバランスな状態になります。前回の装蹄が中国ブロック大会出場のサクセスに合わせて8月16日に行なったから、きっちり1ヶ月が経過で、バランスの変化が物凄く正直です。バランスの変化というより、完全なイレギュラーですから、運動が辛い。
次回の装蹄予定が19日ですから、それまではきつい運動は出来ないです。24・25日に試合を控えているので、ビッチリ乗り込めないのは辛いところ。馬には個体差がありますが、ここまで蹄のバランスが繊細だと厳しいですね。
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鬼コーチ復活!!

2005-09-15 10:33:54 | コーチとして
最近の学生は騎座が弱くなって乗れなくなった、という言葉を聞いて何年が経つでしょうか。
でも、かなり事実。私たちが大学生の頃は、鐙が外れたままで野外騎乗を走破した人いた。走行途中で鐙が外れた場合、踏みなおしていると推進が弱まるのでそのまま走るのが当たり前だった。
1年生~2年生の部班練習では、鐙を外しての障害訓練は当たり前だったし、鐙を脱いで延々と軽速歩をさせる今ならイジメと思われるような練習もこなしたし、下級生に要求した。

社会人になり、膝を絞めすぎることの弊害を学んだり、鐙を外した練習で馬の背中に与える悪影響を考えるようになり、そのような練習法から遠ざかった。柔軟な座りを要求したら、膝で締め付ける乗り方は薦められない。
でも、今朝の練習で思った。2ポイント姿勢を指導するのだが、幾ら注意しても鐙を強固に踏まないで踵も下がらず下半身が安定しない学生が居る。言葉を尽くし、ニュアンスを替え、指導を続けたが効果なし。結論は、『君に鐙は必要ない!!』でした。又は、鐙のありがたさが判っていない。
私の号令は、『鐙を外せ~』
その次は、『軽速歩、進め~』から、『膝をきっちりと絞めて2ポイント姿勢の速歩~』そして仕上げは『駈歩進め~』
当然、軸はぶれる、尻は鞍を叩く、背中は丸まり顎が上がり、顔は苦痛に歪む。でも知らんぷりで、『背筋を伸ばせ、膝を締めろ!! グラグラするな!!』
・ ・・いや~20年ぶりかな、こんな指導。

その後、その学生はどうなったか? 鐙を履かせたところ、見違えるように踵が踏み下がり下半身が安定し、背筋がピンと伸びた。
鐙無しの厳しい練習後、鐙を履かせてもらった彼には、鐙にしっかり重心を置いて乗ることが、砂漠の中でオアシスに出会った旅人のようにありがたかったことでしょう。若者に物を与えすぎてはなりません。苦労して手に入れた物こそありがたいのですから。
でもこの練習は、全員に課すべきではない。特性を見ながら実行すべきでしょう。

でも取り敢えず、1年生の本田君は残り2日間の練習は『鐙を外せ!!』でOK牧場。(M田君、久々だね)
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ジェネレーション・ギャップ

2005-09-14 21:01:25 | 庄原TRF
世の中はドンドン便利になっています。
20年、30年前は当たり前だった物が、最近では使わない物になったりしていることはよくあります。
2年目前、1年生のびわチンと美子が合宿に来た時、2層式の洗濯機を見てまごついていました。全自動式の洗濯機しか知らなくて、使い方が判らなかったのです。片方の子が、『お祖母ちゃんの家で見たことがあります。』と言ったことを覚えています。
最近の出来事ですが、蚊取り線香を上手く分離?出来ない子が出現しています。渦巻きが組み合わされて2個一になっている例の物。蚊取り線香を折らないで、左右に分ける事、当たり前に出来ますよね。そりゃ、酔っ払った時とか、保存状態が悪かったりしたら失敗することもありますが、数箱使ってもせいぜい1~2個ではないでしょうか?
ところが今年の1年生が合宿入りして以来、失敗して短く折れた蚊取り線香が異状に多く出現している。全員ではないにしても、多分・・・蚊取り線香の扱いを知らない人間が出現し始めたことの証明ではないでしょうか。
昔のTV番組や俳優・歌手も昭和50年代のことは知らない子がほとんど。でも、蚊取り線香といえば、電気蚊取りしか知らない、渦巻きの蚊取り線香を左右分離できない世代が出現したことは、単にジェネレーション・ギャップでは片付けてはいけないことの様に思ったのです。
まさか、手先が猛烈に不器用な人間が揃って入部した・・・(汗)
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疲れが溜まってきました・・・

2005-09-14 12:48:52 | 庄原TRF
来週の24・25日に西日本馬場を控え、サクセスと清史郎の調整も本格化で休めません。
清兎も手を抜くと、直ぐに調教が後退で休めません。一昨日、広大から馬2頭がやってきて、1頭の清雷は完全放牧ですがもう1頭のアッシュは運動を休むと色々と悪さをするので、昨日は汗をびっしょりかかせてペソアシステム。そして1年生の指導で調馬索を回すこと一時間少々。

腰が痛い。今日の午前中は針治療に行きました・・・。
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新人の指導―2

2005-09-12 17:33:55 | コーチとして
何故広大の新入生達は30鞍程度乗った子でも、まともな乗り方になっていないのか。まあ、指導者が確固たる指導方針を持っていないことに起因するのですが。
乗馬のトレーニングで、優先するのは障害飛越? それとも馬場馬術の騎座・脚? 馬をある程度意のままに動かし、速歩・駈歩でバランスを保つことを要求するならば間違いなく前者だと私は思います。馬を自在に動かす(買い物に行く自転車レベルで、)ことが出来るようになった後、m以上の障害を飛越するとか、二蹄跡運動を含む中級以上の馬場運動をすることになれば後者の騎座・脚は不可避となります。
ズブの素人が短期間で上達するには、如何なる訓練が適切であるか・・・。実は100年近く前に実証されているのです。人類の歴史が物語っているのですが、第一次世界大戦までは、史上最強の戦闘方法とは騎兵による突撃戦法だったのです。織田信長が武田騎馬軍団を長篠の合戦で打ち負かしましたが、世界的にはかなり後世まで騎兵による突撃戦法は有効だったのです。大日本帝国陸軍も新兵の騎馬訓練には努力し、騎兵隊が存在しました。当初、徴兵によって集められた兵隊さんに上級将校たちは、『馬術とは馬場馬術だ!!』と難しい馬場馬術の技術習得を目指した訓練を行なったのです。しかし、全く騎乗技術が身に着かない。そこで騎兵馬術先進国のヨーロッパ(イタリー)に派遣されたのが、かの今村少佐だったのです。(間違っていたら申し訳ないので、数日以内に文献を調べます。)
端的にいえば、兵隊さんが片手手綱で抜刀し、或いは銃剣を構えて襲歩で突撃できる騎乗技術を短期間で訓練するのに馬場馬術は必要なく、鐙を強固に踏み下げてバランスをとる2ポイント姿勢が最も有効だったのです。そのことを日本で実行しようとしましたが、旧来の訓練法を主張する将校と論戦となり、結局、馬場馬術派と障害馬術派に分かれて新兵の訓練を行なったのです。結果は歴然で、以後の帝国陸軍騎兵の訓練は2ポイント姿勢が採用されたのです。
しかし、航空機・戦車・重機関銃などの武装が主流となった戦場で、騎兵による突撃戦法がどのような末路を辿ったかは想像の通りで、第二次世界大戦でヨーロッパ最強といわれたポーランド騎馬隊がドイツ軍機甲師団に突撃し壊滅して以来、本来の騎兵隊はその役目を終えました。日本人唯一の馬術金メダリスト、西中佐も騎兵将校とは言いながら戦車隊の指揮官として硫黄等で玉砕しています。

話はかなり回り道しましたが、私が新人の練習で2ポイントに拘るのはここいらが根底にあります。速歩だろうが、駈歩だろうが、馬は動かせてナンボの世界。
しっかり走れるようになったら、3ポイント姿勢を教えて馬場馬術の御法を教えれば良いのです。
今日も広大の新人達は2ポイント姿勢の練習・練習・練習。走れ!走れ!走れ!でした。 
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新人の指導

2005-09-10 15:14:04 | コーチとして
ここ数年、馬術部の1年生が夏休み中盤~後半にかけて練習にやってくるのが恒例になっています。一人の指導者が、一定の指導方針の下、だいたい1週間連続で指導するのですから、3・4年生という学生が指導する場合と技術の習得が違うのは当たり前です。
ましてや、トーナメントプロとレッスンプロという役割りが確立しているゴルフで例えるならば、自信を持って『私はレッスンプロです。』と宣言するような私が指導するのですから、学生が指導するのと同じでは私の存在意義が無い。

・ ・・にしても、1年生の技術レベルの低さは如何したものか。
遠目に見ても、近くから見ても、ド素人丸出しの拳・腕・座り。軽速歩をしてもバラバラで、ましてや駈歩は経験しているだけでもマシ。下級生の指導方針が上級生の間で確立していないことが丸判りです。

乗馬を始めて20~30鞍までの人間に最も必要とされるものは何かが、全く判っていない。それは確固たる2ポイント姿勢のバランスを作ることです。適切な鐙の長さを指導し、踵がしっかり踏み下がって自分の体重を支えられること。そして、軽速歩と同じくらいの比率で軽速歩を行なわない2ポイント速歩の指導です。キャバレッティ通過や80センチ程度の障害通過に最も必要なバランスです。
速歩での2ポイント姿勢が安定してきたら、躊躇なく駈歩です。騎手は何もしなくて良しで、駈歩の継続することは調馬索を握っている号令者の仕事。踵を踏み下げて、尻がバウンドしないよう、かといって鐙に立ち上がらないよう腰を張ったし姿勢の要求です。これはバランスバックした2ポイント姿勢に地階のですが、初心者には難しいことは要求しません。とにかく、馬についていくことだけです。
上体が安定してくれば、拳を低く構えることも可能となり、それが重心の低下にも繋がるし、肩・肘の関節を柔軟に使うハミコンタクトの安定にも繋がる。
調馬索運動の中で、速歩~駈歩、常歩~駈歩という3種の歩様の変化が自力で可能となれば調馬索を外しての運動です。

今回はリベラという、興奮して暴走する心配がない老齢馬をお借りできたことで、思い切り脚を使わせることが出来ています。
きっちり1週間の練習で、蹄跡を駈歩で走り、クロス障害通過までは進歩した1年生の井上君ですが、今後どのように成長するでしょうか。1年生としては異例の早さで革長靴を注文し、やる気を見せてくれています。
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チーム清悠

2005-09-09 21:17:36 | 庄原TRF
祝勝会の終わりに、担当馬ごとにチーム写真を撮りました。

チーム清悠、成績は振るわなかったけど、担当コーチは燃えているぞ~!!
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