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逝きし世の面影 (日本近代素描 (1))

2019-02-21 05:33:02 | 歴史関連情報
逝きし世の面影 (日本近代素描 (1))



 以前に読んだのですが、もう一度読みたくて、愛知県図書館で借りてきました。

 私は、この書は、希に見る名著だと思っています。

 なぜ名著かというと、幕末・維新の時代の様子が、素直に描かれているからです。
 当時の情報は、幕府側、倒幕派のどちらかの価値観が入っています。
 情報としては、鵜呑みにするのは危険です。

 しかし、この書は、利益関係の薄い外国人が見た日本の姿を、かなり忠実に伝えていると思うからです。

『この町でもっとも印象的なのは(そしてそれはわれわれの全員による日本での一般的観察であった)男も女も子どもも、みんな幸せで満足そうに見えるということだった(オズボーン)』

『この国の魅力は下層階級の市井の生活にある。......日常生活の隅々までありふれた品物を美しく飾る技術(チェンバレン)』


『私は全ての持ち物を、ささやかなお金を含めて、鍵も掛けずにおいていたが、一度たりとなくなったことはなかった(ムンツィンガー,1890)』

『柿崎は小さくて貧寒な漁村であるが、住民の身なりはさっぱりしていて、態度は丁寧である。世界のあらゆる国で貧乏にいつも付き物になっている不潔さというものが、少しも見られない。彼らの家屋は必要なだけの清潔さを保っている(ハリス,1856)』

『日本の農業は完璧に近い。その高い段階に達した状態を考慮に置くならば、この国の面積は非常に莫大な人口を収容することができる(カッテンディーケ)』


 最後にモースの言葉
 
『私は日本が子供の天国であることをくりかえさざるを得ない。世界中で日本ほど子供が親切に取り扱われ、そして子供のために深い注意が払われる国はない。ニコニコしているところから判断すると、子供達は朝から晩まで幸福であるらしい(モース)』

 いく分褒めすぎのように感じるかもしれませんが、そう感じるのは、今の日本人が失っているものが多いからかもしれません。
 
 その原因は・・・・


 明治の欧化政策と昭和の敗戦です。


amazonの紹介です。

内容(「MARC」データベースより)
昭和の意味を問うなら、開国以前のこの国の文明のあり方を尋ねなければならない。幕末・明治の外国人訪日記を博捜・精査し、彼らの目に映った豊かな文明の諸相から近代日本が滅亡させたものの意味を問う。

 
目次は

ある文明の幻影
陽気な人びと
簡素とゆたかさ
親和と礼節
雑多と充溢
労働と身体
自由と身分
裸体と性
女の位相
子どもの楽園
風景とコスモス
生類とコスモス
信仰と祭
心の垣根


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