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少経験者研修 Q&A-9-

2018-02-21 05:41:55 | 教師のための指導法
以前、江南市の少経験者研修会で講師を務めた時に、Q&Aの時間を取りました。

前回までに、研修会までにいただいた質問に対する当日の答えを紹介しました。
次に紹介するものは、感想用紙に書かれていた質問です。
感想文集の最後に回答をしました。

Q 教材研究をする上でこれだけは押さえるべきというポイントや、先生が普段心がけていることがあれば教えてください。

A 目標の「見える化」です。

「学習指導要領」の該当部分を、コピー・ペーストしておきます。

 地域教材など、教科書から離れて自作する場合が出てきます。あれこれ資料を集めると、授業の方向性が変わってしまうことがあります。

 たとえば社会科の教材研究をしているのに、「これって、道徳じゃないの?」と思えるようなときもあります。

 そのため、常に目標を見失わないように、学習指導要領の内容を見えるようにしておくのです。そうすれば、軸はぶれません。


Q なかなか発表しない子どもをなんとか発表するようにするにはどんな工夫が必要ですか。 

A ひとつ気をつけたいのは、自ら発表することがよいことだとは限らないということです。

多くは「発表する子」=「わかる子、できる子」です。「発表する子」を相手に授業をすると、どうしてもわかっている子だけを相手にすることになりがちです。

私たちの仕事は、わからない子をわかるようにすることです。

そのためには、「発表しない子」を中心に授業を組み立てることが大切なのです。

それをふまえて、もし手を挙げさせたいのなら次のような手があります。

○ 「自信のない人は手を挙げましょう」ここで手を挙げた子に指名したら、どんな答えでも褒めてあげましょう。
  また、手を挙げていない子は自信のある子です。ばしばし指名してあげましょう。

○ 「わからない人は手を挙げましょう」ここでも、手を挙げていない子はわかっている子です。指名してあげましょう。手を挙げた子のフォローを忘れないようにしてください。

○ 「発言ランキング」 
  事前に、子どものペンネームを聞いておき、そのペンネームで発言ランキングを発表するというものです。2,3回やればすっかり挙手が定着し、「私を当てて!」とうるさいほどになります。
  どうしても挙手させたい人には紹介しますが、邪道かもしれませんね。 

Q 有効な現職教育のあり方ですが、若い人だけが年に4~6人ほどの研究授業だけでは技術が身に付かないと思います。現場ではどのように計画すれば、お互いが磨きあえるでしょうか。また、年輩の先生にも同意をえられるでしょうか?

A 勤務時間が短縮し、現職教育はますますやりにくくなっています。

 学校によっては、勤務時間終了後に希望者で学習会をやっているところもあるようです。すばらしいことですね。

 ここでは、勤務時間内の現職教育に絞りましょう。

 私は、5分間(~10分間)の模擬授業を提案しています。

 今回の研修会では、「ハンカチを持ってくるようにさせるには?」という課題を出しました。グループで話し合い、実際にやってもらいました。

 この発想です。

 たとえば、授業者が算数「面積」の授業をするとしましょう。

 事前の現職教育では、授業の導入をグループで話し合い、各グループでじゃんけんに負けた人が代表で5分程度実演するのです。

 その後、簡単に感想を述べ合います。いくつか実例が出ると、長所や短所が見えてきます。資料提示の仕方や板書など、いろいろな技も学ぶことができます。
 何より、全員が参加できることがいいですね。
 こうした、実践的な研修を大切にしたいものです。


Q 大変な仕事量をこなされる先生の時間の生み出し方に何かコツはありますか?

A 仕事には、大きく分けると、時間があれば何とかなる事務仕事系のものと、アイデアが必要な産みの苦しみタイプのものがあります。

 前者は、スキルを高めれば時間が短縮できます。
 PCのスキルだけでなく、資料をネット上に常置しておく、役立ちWebサイトを使いこなすなど、工夫によってはかなり時間を短縮することができます。

 後者は、細切れの時間を使います。ちょっとしたひらめきはメモをしておき、その蓄積が力になります。

 もっと時間があれば、読みたい本などいろいろとあるのですが、さらにスキルを高めたいと思っています。


Q 自分の担任しているクラスに提出物の中々出せない生徒がいます。先生は、もしこのような生徒がクラスにいた場合には、どんな指導、働きかけをなさっているのでしょうか。

A 提出物を出せない原因がわかりませんし、その子の性格によって対応を考えないとといけませんので,あくまでも一般論としてお答えします。

一つは「見える化」です。

 番号を書いた紙でも、名前入り座席表でもかまいません。黒板に貼っておき、提出した子から自分で○を打たせます。出してない子を見えるようにしておくのです。

 そして、例の作戦です。
「まだ出していない人は手を挙げて。」「今手を挙げている人で、明日は持ってくるよという人は手をおろしなさい。」「すばらしい!今、手をおろした人の明日に拍手をしましょう!」

 あくまでもさわやかに、嫌みっぽくしないことがコツです。 

 二つ目は連絡帳作戦です。
「明日も忘れそうな人は、忘れないように家族にお願いを書いてあげるよ。連絡帳を持ってきて。」
たいていは嫌がり、「明日必ず持ってきます。連絡帳は勘弁して!」といいます。

 三つ目は、付箋作戦。
「忘れ物をなくすためのお守りを、先生から愛を込めてプレゼントします。」といい、忘れていけない物を書いた付箋紙を、教科書や筆箱、下敷きなどに貼ってあげます。

 このような方法は、他にもいくつもあります。

 大切なことは、「明るく、さわやかに」。

 ねちっこく、精神的に追い込まないようにして、持ってきたらおおいに褒めてあげましょう!

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