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パンポチェへの路-最終回-

2019-02-16 05:38:45 | 取材・旅行
えほんのもりで行われた、日本山岳会学生部パンポチェ登山隊リーダー 蔵本悠介さんの講演を、主観を交えて報告する第16弾。
今回が最終回です。

9月28日、再びパンポチェ(6620m)にアタックを試みました。

いよいよ山頂が近づいてきました。
雲にかすみながらも、写真からもその姿をしっかりととらえることができます。



ちなみに、右側にあるマナスル。
日本でもその名はよく知られています。
標高8163mは世界8位です。

このマナスル。
初登頂したのは、実は日本人なのです。
1956年 槙有恒ら十二人の日本山岳会隊が初登頂に成功しました。



かつて切手を集めていた私は、この切手も思い出に残っています。

さて、学生登山隊。

直線距離であと600mというところで、主稜線が一気に細くなりました。

次の写真がその主稜線です。



運が悪ければ遭難の危険もあります。



日本山岳会学生部パンポチェ登山隊 リーダー 蔵本悠介はどうしたか?





出した答えは、





敗退




最高到達高度は6500m。頂上まで標高差120m、直線距離400mです。

写真の指示棒のあたりです。



「撤退」ではなく、「敗退」と言う言葉に、彼らの気持ちが伝わってきました。

私は、この状況下では、敗退の判断の方が勇気がいるのではないかと思います。

ここまで準備した膨大な時間と費用が、「敗退」という二文字で、その価値を大きく減らしてしまいます。
それでも、「敗退」を選んだ勇気ある判断に拍手を送りたいと思うのです。

隊員には、悔しさと安堵感がそれぞれの中で入り混じっていたそうです。
しばらく休憩し、もと来たルートを引き返しました。



この写真を見る限りでは、ほっとしているように見えませんか?

いつの間にか天候も悪くなり、サムドピークに戻るころには吹雪へと変わっていました。
翌日にBCへ戻りました。



これまで、16回にわたって、パンポチェ登山隊の様子をお知らせしました。

私は、次の意図がありました。

1 登山の技術・精神とは何か?少しでも学びたい。
2 挑戦と敗退。その判断には何が必要か。
3 組織として資金を集めて人を動かす、そのマネジメントを知りたい。
4 若者の心意気を感じ、「今の若者は捨てたもんじゃない」と思いたい。
5 ネパールの生活の一端を知りたい。

このあたりを読者のみなさんにどう伝わったかはわかりませんが、コメントをいただければ幸いです。

これまで、長い間、ありがとうございました。

蔵本悠介さんはじめ、6名の若者、そして彼らを応援してくださった日本山岳会やOBのみなさん、えほんのもりの伊藤順子先生にお礼申し上げます。

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