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世界を見る目が変わる50の事実-47-

2010-11-08 06:24:51 | 社会科こぼれ話
国連ミレニアム開発目標(MDGs)サミットにちなみ、ジェシカ ウィリアムズの評判の書 『世界を見る目が変わる50の事実』(草思社)の内容を社楽的に読むシリーズ。



第47回 毎年、西欧向けに人身売買される女性は12万人


44回と同様のテーマになりました。

この本のテーマ「格差」「女性差別」を象徴したテーマです。

人身売買の目的は、強制労働、性的搾取、臓器移植、薬物生産・取引、養子などです。

1949年、国際連合の人身売買及び他人の売春からの搾取の禁止に関する条約国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約の「人身取引」に関する議定書が発効していますが、その後も続いています。

長い引用ですが、http://musume80.exblog.jp/1694936から引用します。「娘通信」というサイトです。

---------以下引用----------


今週号の雑誌「SAPIO」に
中国雲南省の驚くべき幼児売買の実態が載っていた。
それによると、雲南省は以前から
「白菜のように子供を売っている」と言われるほど
誘拐・人身売買が盛んな土地らしい。

雲南省文山地区の龍也村は
「誘拐販売の村」との異名を持つ。
人口83人のうち45人が、
誘拐及び、人身売買に荷担、
104人の幼児を売っていたという。

雲南省第一の大都市昆明では
00年から04年8月までに
350件の幼児誘拐事件が発生した。
そのうち、発見されたのは25%に過ぎない。

この状況に対し、雲南省の公安当局は
03年下半期から大がかりな取り締まりを行った。
その際に人身売買容疑で捕まった女性から
驚くべき人身売買組織の実態が明らかになった。

人身売買組織では
販売する子供達を「貨(商品)」と呼び、
一歳半以下を「小貨」、それ以上を「大貨」と区別する。

上記のニュースにあるように
組織のネットワークは
調達・移送・売却の三部門に分かれ、
「調達」の段階では
幼児の値段は男児800元~1000元、
女児が300元~500元。

これを「移送」部門が引き取り、
近隣の都市に移動させ、しばらく彼らが育てる。
この時、価格は5倍に上昇するという。

最後に「売却」部門が顧客に売る。
最終的に価格は
男児なら1万8000元~2万元につり上がる。

売れ残った幼児は
手足の筋を切り、身体障害者にして
何らかの芸を仕込んだ上で物乞いをさせる。
実際に中国ではこういう子供達が目につくという。

読売新聞の2003年の記事によると、
中国南部の広西チワン族自治区王林市で
大規模な人身売買組織が摘発された。
組織の中には産婦人科医や看護師などが11人いて、
医療関係者の結託ぶりが明らかになった。

この連中は、
大がかりな人身売買ネットワークを形成しており、
子供たちの売却先は、広西チワン族自治区のほか、
河南、安徽、湖北各省などにも及んでいた。

調達グループは、
王林市の医療関係者や民間の助産師などを通じ、
生まれた女児の養育を望まない親から、
最低約50元で子供を買い取り、
平均約1200元で移送グループに売り渡していた。
仲介の医師らは、1回約100元から200元の
謝礼を受け取っていた。

移送グループは
子供が泣いて不審がられないよう睡眠薬を飲ませ、
複数を旅行カバンなどに詰め込むなどして、
別の地域に運んでいた。
各地の売人は、子どもの健康状態によって値段をつけ、
1人2000元から3000元前後で売っていたとのこと。

まさに惨状としかいいようがない。


一方、中国では成人女性の売買も盛んである。

詳伝社から発売されている、
「中国人民に告ぐ」という本の中では、
山東省と河南省の境にある範県での
人身売買の実態が載っている。

範県は土地が痩せた中国有数の貧困県で、
これが人身売買を生む土壌となっている。
人買いを家業とする一家などが存在し、
父親が息子と組み、母親や妹までを総動員し、
女性を誘拐し、他へ売り飛ばす。

主に四川省の山間地区や貧村から
労働者を募集するという口実で
騙して女性を集め、乱暴した上で売ってしまう。

範県には
中国一の人買い商人である熊虎(シェンフ)という男がいた。
彼は「山東香華高級技術開発会社」
という企業を作り、人身売買を行った。
1983年から1994年まで
範県で誘拐した女性だけでも2500人。
彼は犯行の100回達成を目標としていたが
40回あまりで逮捕されたという。

範県では
ありとあらゆる人身売買のパターンが生じており、
父親が実の娘を売り渡した事件。
義理の妹や小姑を売った事件。
竹馬の友として育った女性と結婚し、
その四日後に新妻を売った事件。
実の妹を売った事件。

貧困と無知と悪徳のなせる技だけど
中国社会の男女比の偏りもそれを助長している。

*中国、新生児の男女比率が116対100!

一人っ子政策のもとで極端な産児制限を強いられ、
もともと男児を尊ぶ風潮の中国の農村では
女児は間引きされてしまうことが多い。
また、生まれた直後に売られる場合もある。
それによって男女比に偏りが生じ、
中国では成人女性の人口が少ない。
よって、嫁の来手がなくなる農村部などでは
女性の売買が横行することになる。

この女性売買の問題は中国国内だけではなく、
中国と国境を接した他の国にも及んでいる。

国連開発計画の最近の報告書によれば、
貧しいベトナム人女性や未成年者が、
世界各地で売春婦、奴隷、妻として売られている。
1990年代の初頭以来、
少なくとも1万人の女性と1万4000人以上の子供が売られ、
その人数も増加傾向にあるという。

その中でも国境を接した中国に売られるケースが多く、
その場合、ベトナム北部から
中国南部の雲南や広西へのルートで売買される。
ベトナム人女性を斡旋したり、
メールオーダーの花嫁紹介業者を通した、
不正取引が行われている。
中国国境にあるランソン省の女性同盟によると
1993年以来、3000人以上のベトナム人女性が、
その境遇を脱して中国から戻ってきた。

------引用終わり------

ここまでひどくなくとも、東欧(旧社会主義国)では同傾向のことがあるようです。

今回のテーマ「12万人」は、東欧(旧社会主義国)の人たちです。


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