北欧スウェーデン の生き方情報 スウェーデン報

北欧スウェーデンの日常を生活者目線でお伝えします。
幸せの国、北欧スウェーデンのなるほど〜な生き方をお伝えします。

オーガニックの聖地Daylesfordのカメラ教室

2017-07-21 20:41:39 | イギリス

実は、今回の休暇に備えてキャノンの一眼レフを買った。

だって、なんかいいカメラの方が景色も食べ物も素敵に写る気がしない?

ついでに東銀座EOS学園というカメラ教室にも2日通った。

何しろ基本のキの字もわからないので。

ま、形から入ろうとカメラケースも、望遠レンズも買った。

教室に行ったら、メンテナンスキッドが必要ということで、ドライボックスも、クロスも、ブラシも小さなふいごみたいなのもレンズフードもレンズカバーも買った。
(荷物に入らなくて、ドライボックスを置いてきたら、ブラシとふいごとクロスも忘れてきた・・・とほほ) 


万全の体制・・・のはず。

でも、携帯で撮った画像の方がいいのはなぜ?


なんてところにFood styling and photograph教室の看板を見かけちゃったものだから、その場で参加を決めた。

英語の説明についていけるかな〜という心配はちょっとよぎったものの。なんとかなるっしょ。

行動力だけがとりえです。


さて、翌日、多分ここが集合場所って言ってたはず・・・(何しろ半分は推測、半分は度胸で会話してるから)の場所に行くと、準備している人がいる。

それが、フードブロガー(という職種があったんだぁ)のキンバリー先生。

Daylesfordが用意してくれたコーヒー、紅茶、お水なんかを飲みながら集合を待つ。
フリーのドリンクが用意されているだけで、ちょっと優雅な気持ちになれるのはわたしだけ? 

打ち合わせに行った時も、そばに冷蔵庫とかがあって、

「お好きなものをご自由にどうぞ」

なんて会社がしばしばあるけど、それだけで、好きになっちゃう。

いえ、お水も出ない会社を嫌いというわけではありませんよ。きっぱり。


さて、本日の生徒は5人。

まずは、簡単に自己紹介から。

きけば、カメラのセミプロみたいな人ばっかり。

やっちまった!

ついていけてないのは英語のレベルだけじゃなかったわ。しまった。


中央のテーブルの上には、Daylesfordのお店から持ってきたオーガニックフードや食器などがいろいろ載せてある。

とまと、ベリー、いちご、ハーブ、花、ミルク、各種食器、各種布・・・


10時から14時の4時間コース。

日本ではあり得ない時間設定。ランチをはさんでいる。


まずは、先生が説明

「light is everything」(光が全てよ)

ということで、カメラはマニュアルモード。絞りとシャッタースピードとISO(ってなんだ?)で調整。

光があちこちから入ってくるとコントロールしにくい。

光が当たる面を意識する。

なんてことを言いながら、最初の課題「朝食の風景」にとりかかる。


これは家族三人の朝食。ボールは三つね。

目を運ばせる流れを作るように並べます。

ファブリックなんかを使うのもいいわね。

小さい食器で流れを埋めていく、パンくずや散らしたもので流れを強調するなんてのも必要。

ということで先生が作った見本がこれ。

じゃ、ペアでそれぞれ、朝食のストーリーを考えながらスタイリングしてみて。

何を使ってもいいから。との課題に挑戦。


ベテランのアンディと組んだわたしは、すっかり彼にお任せ。

一応聞いてくれるんだけどね

「こっちとこっち、どっちがいいかなあ?」

日本では言ったことのないセリフで答える。

「あなたについていきます。どちらでも」


とは言いつつこっそり果物を切って持っていったり花を入れたりしてできたのがこれ。

全員が完成すると、一つ一つの作品を見ながら話をする。

「じゃ、まず、この題材のストーリーを話して」

ええ〜、綺麗に並べればいいってもんじゃなかったのね。

アンディが答える

「これは、独身の一人の朝食。ちょっと余裕がある日・・・・・(後略)」

へー、そうだったんだ。


そのあと先生は、他の参加者に感想を聞く。

他の参加者もちゃんとコメントする。

「ちょっとファブリックが重たい感じ」などなど

それらを一切否定しないで先生は、そうねと聞いたあと、

わたしならこうするかな。あくまでわたしならよ。と言いながら直したのがこれ。

ポイント

・パンは二つに割るより3つ以上に割った方が単調じゃない

・布で流れを作らないでベリーで作って軽く

・花も枝で入れるより花びらで入れた方が軽い

・ジャムのボトルも入れて、臨場感をだそう

・新聞でアクセントをつけよう


続いて二組目

作ったのはこれ。

ちょっと忙しい時の一人の朝食。
 


先生の直したのがこれ。

撮影する時は、端を切った方がいいね

続いてジャッキー(5人だったので彼女は一人作品)

テーマは、お父さんの一人のご飯

直したあとはこれ

全体を9分割した交点にものを置くとおさまりがいい。

あ、そういえばEOS学園でも被写体の目の位置をそこに合わせると習ったわ。

花瓶の花の背が高すぎて飛び出してきて一体感がなくなるのでやめる。 


いちいち納得。

昔、華道を習っていたことがある。

下手な先生は全部抜いて活け直すのだけど、うまい先生は、生徒の作品のいいところはちゃんと残しながらでも別物に変える。
一つ手を加えただけで、別物に変えることもある。

キンバリー先生。他のメンバーのコメントも生かしつつ、ほんと、素晴らしい。


二つ目の課題に入る頃には、ちょっとお腹がすいてきた。

店から何か買ってくる?テーブルにあるものなんでも食べていいわよ。

などと言われ、でもレッスン続行。 


二つ目の課題は、キッシュ。

店からキッシュとサラダが運ばれてくる。

チームを組み替えて、今度はキャシーと。彼女もフードブロガーカメラマン。

「テーマ何にする」

再び、日本では決して言わないセリフ。

「あなたについていきます。なんでもOK]


「じゃ、ピクニックってことで」

それなら、あの木のテーブルがいいよね。光も外の光が当たるし。

草っぽい花も入れよう。

ピクニックだから、お皿なしってどう。

一応黄色で流れを作って。

ってな感じでできたのがこれ。

ちょっと、鉢の背が高すぎるからとびだしちゃうね。

やめよう

これだとちょっと殺風景か。やっぱり

で、サラダをやめてまだ青いブラックベリーに

会心作!キンバリー先生も直すとこないって!!

フードブロガーになろうかな!!何かよく知らないけど。


アンディたちの作品 ビフォー

アフター

マネジイの作品ビフォー

アフター

何が違うかって?

お皿を中央に収めちゃうと退屈になっちゃうから、あえてはずすといいのだそうだ。


撮影したキッシュを食べながら、

後ろに暗幕を張ったムーディな写真の練習を全員で。


わたしは、暗すぎると思ったんだけど、先生は「いいんじゃない」というのでいいらしい。

写真は難しい・・・

 

皆さんはどう思う?どうしたい?

などと言われた時に、ついつい先生はどう思うだろうとか、他のみんなはどう思うだろうとか、批判的なことは言いにくいなとか、わたしの意見が合ってるとは限らないしとか、みんなの方が経験値高いしとか考えちゃわないで、どんどん自分の意見をいうイギリス人たち。

そして、それを個人の意見と捉えて、人格否定されたとか能力を低く見られたとか、正しい意見じゃないとか思わないイギリス人たち。

 

そんなイギリス人の姿を垣間見れた時間でもありました。


オーガニック発祥の地コッツゥルズの聖地Daylesford

2017-07-20 20:10:46 | イギリス

来るまで知らなかったのだけど、コッツウォルズはオーガニック発祥の地らしい。

我が家から車で25分ぐらいのところに

Daylesford(ディルズフォード)というオーガニックのスーパーがあるというので行ってみた。


行ってみてびっくり、スーパーというよりオーガニックの百貨店。

いろんなものが高級そうに綺麗に並べられている。

実は、これも知らなかったのだけど、片岡産業がDaylesfordと契約して青山に一時お店を開いていたのだそうだ。

理由はわからないが、閉店。

オーガニックブームでもなかなか成り立ち行かなかったのかもしれない。


35年ほどまえ、創始者のキャロル・バンフォードが見栄えをよくするため、効率よく生産するための化学肥料、化学薬品を多用した農作物に危機感を抱き、「子供たちに美味しい安全な食べ物をたべてもらいたい」という情熱のもとオーガニック農法をはじめたのが、コッツウォルズの地。


今では、4カ国に店があり、ロンドンでは大人気だとか。


その本店は、広大なコッツウォルズの農地に中に立っている。


食べ物に限らずオーガニックにこだわって、ろうそくやワインや洋服なども扱っている。

ライフスタイルを提案する店でもある。


自家製の材料だけで作られたデリカテッセンもあり、そこで買ったものを広い庭で食事することもできる。

大人気のレストランもある。


普通のスーパーよりは、高価なのだろうが、広い駐車場にはかなり多くの車が止まっていて、遠くからも来ていることがわかる。

入り口のとれたて野菜ととれたて果物の棚。

野菜も新鮮だと綺麗です。


色とりどりのサイズも形も色々なトマト。

これが、どれも本当に美味しい。


なんと、ここでは、色々なイベントやクラスも開かれていて、私は早速、食べ物の写真の撮り方クラスと魚料理のクラスを申し込んでみた。

写真のクラスは4時間。

料理クラスはほぼ1日。

「ちょっと寄ってハローと声をかけて」と書いてあるので行ってみた。

これが料理クラスの入り口。

ということで、次回は、写真クラスの様子。

その次は、料理教室。
しばらくDaylesford話題が続きます。

 


店はなくてもパブはあるイギリス

2017-07-19 19:01:47 | イギリス

わたしの住んでいる村には、店が一軒もない。

が、パブはある。

タクシーを呼ぶ時も

「ローカルパブの前にいる」

といえば間違いない。

イギリス全土に5万軒以上あるのだそうだ。

人口比率を考えて、日本のコンビニ数と同じくらい。

 

正確にはPublic House。

地域の社交場としての重要な地位を担っている

初めてパブという名前が文献に乗っているのが1868年だそうだから、150年の歴史がある。

その前身はINNという宿屋だったようだ。


コッツウォルズにはギネスブックに乗っている最古の宿屋(INN)が今でも健在。

947年創業。ストウ・オン・ザ・ウォルドにある。

その名もポーチハウス。

入り口のドアだけでもかなり古い。


1300年ごろチャールズ二世の、旅人にわかるように看板を出せとの命令で、パブには特徴的な看板がかかっている。

というのも識字率が低かったので、誰にでもわかるように絵で書かれているからだ。

パブの名前も個性的だが、よく見かけるのがKING'Sなんとか、QUEEN'S なんとかとか、BISHOPなんとか・・・尊敬しているのか軽んじているのかよくわからない。

Eveshamの街に入っていくと「赤い馬」というパブがあって、花が綺麗でいつも目を奪われる。

30年前は、お酒の場所には子供が出入りできなかった記憶があるが、いまは、そうでもないらしい。

かつては、子連れだと、庭とか、特別仕切られた場所とかで食事をした。

いまは、庭は喫煙者の席になっているようだ。

パブに行くとまずはカウンターに行って飲み物を注文する。

一般的には

「A paint of 〜〜(ビールの種類)、please」などと注文する。

568mlが1パイント。

わたしには多いのでいつも

「Half a paint of ローカルビール」と頼む。

パブには、友達と行くことも多いのだが、その場合おごり合うというルールがある。

buying a roundというルールだ。


夫が初めてパブに行った時、まずは、友達がおごってくれて、次に

「It's my round」といって、別の友達が全員におごってくれてと延々と続くので泥酔して帰ってきた。


自分の番でやめるわけにはいかないので、エンドレスになる。

パブの思う壺・・・


パブミールは、イギリスでする外食の中では値段も手頃だし味もまずます。

美味しいと言われるパブは、ランチタイムや休日に家族連れで賑わっている。

ちなみに食べ物もカウンターで注文して支払って席で待つというのが基本のスタイル。

日曜日には定番のローストビーフとヨークシャープディング

右の上のちょっとジャガイモに見えるのがヨークシャープディング。

塩味のシュークリームの皮を連想して。多分一番近い味。

貧しいヨークシャー地方では、水増しした小麦粉でお腹を膨らませなくてはならなかったのでこのプディングが作られたと聞いたことがある。

油をグラグラに熱した中に流し込んでオーブンで焼くので、オーブンが汚れる。

我が家の家族は大好物だが、滅多に作ってやらない。


先日よったパブの入り口には、犬用の水も用意されていた。

それに、ピアノだと思ったらカットラリー入れだった。


パブは、たいてい綺麗に花が飾られているので、わたしは、大好き。


いまでは、フットボールなんかを熱く観戦する集会場所にもなっているようだ。

日本人と見ると

「俺、大阪に行ったことあるよ」なんて気さくに話しかけてくるのもバプの魅力。

「甥がトマムにいる。知ってる?」とか「タナカと知り合い?」とか日本の人口わかってるのかなあってこともある。


先日は、親しげに

「おじさんが、ソウルにいるんだけど」

いやあ、国まで違うんですけど。


AVON川遊覧(イブシャム渓谷)

2017-07-18 18:49:29 | イギリス

「あら、遊覧船。こんなお天気にはいいわね」

ということで、近くで一番大きな街EVESHAM(イブシャム)に行ったついでに。

EVESHAMは、日本のガイドブックにはほとんど載っていないけど、コッツウォルズにはいる主要な鉄道駅の一つがある主要な街。

EVESHAMを横切る川は、あのシェークスピアの生まれたストラットフォードとも繋がっているAVON川。

広い芝生の駐車場兼公園に車を止めると川沿いの気持ちのいい道を船着場まで歩く。

平日昼間というのに、公園には、多くの人が日光浴がてら出かけてきている。

水浴びコーナーでは、いろいろな種類の噴水が順番に吹き出して、こどもたちはキャーキャー言いながら、水の出た噴水に駆け寄っている。

こういう市民の集まる公園があるのがいいところ。

もちろんイギリス。犬のお散歩コースでもある。

そうするとゴミ箱の横には、ちゃんと犬のフン捨てもあって、おかげで公園内が綺麗。

シェークスピアタウンと繋がっていると思うとAVON川、ちょっとワクワクする。

イギリス人バスツアーと重なったみたいで、個人参加はわたしだけ。

川沿いには、イギリス人がホリデーを過ごすためのキャビンが立ち並んでいる。

こういうところをちゃんと押さえて安く長期休暇を楽しむのがイギリス人。

キャラバンを引っ張ってキャラバンサイトで定住型休暇というのもよく見る。


とは言っても2〜3週間だと思うのね。

なのに、こうやって、我が家同様に飾っているキャビンやキャラバンもよく見る。

いいなあ。わたしもイギリス人だったら、花で飾り立てたり、リビングスペースをがっちり戸外に作ったりするなあ。

川岸には10メートルおきぐらいに小さな桟橋があって、きっとシーズンには、個人仕様のボートがいっぱになるのだろう。


そんな桟橋の一つに釣り人が。

これだけで絵になる。

 

白鳥も、にらめっこができるぐらいに近づいてくる。

白鳥の水潜りのシーンも難なく撮影出来ちゃった。

アンデルセンのみにくいアヒルの子が実は白鳥の子だったという話。

たしかに、こどもは灰色だわ。

遊覧船には船の犬?がいて、ちゃっかりガイドさんの横で、船遊びを堪能している。

 

 

途中、鉄橋の下を通る時、滅多に通らない電車通過中。パチリ。

なんの変哲もない写真だけど、電車と、ボートと遊覧船と白鳥とオールイン。

わたしとしては、名作だと思うんだけど・・・。

日本人らしく、キャノンの一眼レフでバチバチ撮影して、ちょっと顰蹙ぎみ?

なんていう、楽しいひと時を過ごして、右側だけガッツリ日焼けして下船。

 

すっかり団体客の一人と間違えられて、あやうくタダ乗りできちゃいそうだったので、自己申告して1時間の船旅900円也を払いました。


ぎりぎり日本人としての矜持はたもたないとね。

 


イギリスのスーパーTESCO

2017-07-17 19:25:55 | イギリス

海外に限らず旅に行くと必ずローカルのスーパーを覗く。

それぞれの国や土地の生活が見えて楽しい。

今回、はじめに行ったのが大型スーパーTESCOだったので、TESCO事情を少し。


なぜ、はじめがTESCOだったかというと、携帯のSIMカードを買いたいと友達に頼んだからだ。

(イギリスで使える携帯については、また、別のブログで詳しく書くことにする)

連れて行かれたのが大型スーパーだったので、携帯会社が支店を出しているのかと思ったら、TESCOが携帯会社も持っていたのだった。

TESCOのいいところ、日本と違うところを羅列してみる。

まず、入り口に一番近いところは「車椅子」ではなく「家族用」の駐車場になっている。
確かに、小さい子はチョロチョロと動き回るので、これは便利。

もちろん、次に近いところに車椅子用の駐車場も何台もある。


入るとすぐに、りんごとバナナが置いてある棚があり

「子供用。楽しく買い物ができるように」と無料。

ご丁寧に、ゴミを捨てるための袋までついている。

確かにお腹の減った小さい子供とスーパーの買い物をするのは、至難の技だ。

バナナを与えておけばおとなしい・・・納得。

 

さらに、日本でもよくあるエコバックや再利用のプラスティックバックを持っていくとレジで青いコインをくれる。

その浮いた買い物袋のお金を自分が選んだ団体に寄付することができる。

投票期限も決まっていて、次の時期には別の団体の箱になる。


袋代が安くなる日本のシステムとは違って、社会に還元しようとする考え方が面白い。


レジを出たところに

地元の皆様と一緒に働く(Working with our local community)と書かれたコーナーがある。

ここには、子供達の教育用に農場見学を実施していますよ。

見学したこどもたちのお礼のお手紙なんかも掲示してある。

とか、地元のボランティア活動について広報する場所を提供しますよ。

とか、社員がこんな風に地元でボランティアしてますよ。

とか、賞味期限が切れそうになった食べ物を捨てるのはもったいないので、それを必要としている施設に寄付してますよ。

なんてことが広報されている。

日本のコンビニで、時間が過ぎると大量の商品が捨てられていることを考えると、それは、素晴らしい考えだ。

その横では、

キャットフードを寄付してください。

いらなくなった商品を必要な人に寄付してください。
(そこには、この中の商品はもっていかないでくださいとの注意書きもあった)

というコーナーもある。

ご覧の通り山積み。

わたしもうっかり買いすぎた食べ物などをこっそり丸ごと捨てることがあるが、こんな場所があれば、持っていくのに。

帰国の際に、余ったらここに持ってこよう。

 

すごいと思ったのが、駐車場の一角にあるこの建物。

近づいてみると

オンラインで注文しておいたものを受け取るコーナーなのだ。

お年寄りや体調の悪い人は、近所の人やヘルパーさんに受け取ってきてもらうこともできる。

小さい子連れのお母さんは、スーパーを回って商品を探して集める手間が省ける。

興味を持って係りのロンに話を聞くと、誇らしげにシステムを説明してくれた。

ネットで、商品の注文と支払いをする。

受け取る時間を指定しておけば、その時間までに、係員が商品を集めてこのコーナーに運んでくる。

受け取る時間別にこんな風にコンテナの中に入れられた商品が並べられている。

「ほらこっちを見てご覧。冷凍庫と冷蔵庫もあるのさ」と誇らしげ


いかがですか。
日本では、生協とか宅配とかがあるけれど、あらかじめだいぶ前に注文しなくてはならない。

生鮮食品をその日に受け取れるシステムは便利。 

「料金は?」
「品物代だけさ」

すごくいい。


広すぎて、どこになにがあるかまだ完全に把握しきれていないのだけど、スーパーは面白い。

日本人のわたしにとっては、生うどんと生そばの常温 販売を発見したのは嬉しかった。

日本では滅多にお目にかかれない牛の尻尾のぶつ切り

オックステールスープが作れるぞ。

作り方知らないけど・・・

アサヒビールとサッポロビールもビールコーナーに並んでいた。

いやあ、ビールコーナーは本当に充実している。

あれっ、もしかすると酒税の関係か日本の価格とそんなに変わらない?

アサヒの大瓶300円。

でも、イギリスビールのほうが安いので、そして、この気候の中では美味しいので見るだけ。

ということで、かなり偏ったスーパー事情報告でした。


少しは参考になりましたか? 



ポターとピーターラビットの村

2017-07-16 21:17:55 | イギリス

トップ画像は、ホークスヘッドの美術館


イギリス湖水地方と聞くとピーターラビットを思い浮かべる人も少なくない。

ウィンダミア湖の西側のニアーソーリーという村に作者のビアトリクス・ポター(1866−1943)の住んでいた家も残されている。

ビアトリクスと湖水地方の出会いは偶然で、毎年夏を過ごしていたスコットランドのコテッジがとれずにウィンダミア近郊で過ごすことになったのがきっかけだ。17歳の時のことである。

以来、その美しさに魅せられたビアトリクスは、湖水地方をしばしば訪れるようになる。

ロンドンの裕福な家庭で育ったビアトリクスは、家庭教師によって教育され、学校に通うということがなかった。

26歳の時に初めて描いたカードが売れる。
それを皮切りに画家としての仕事がはいる。


35歳の時に私家版でビーターラビットの物語を発行。
ここから、「グロスターの仕立て屋」「ベンジャミン・バーニー」の話など続けて商業出版されるようになる。


その頃の編集者ノーマンと恋愛関係になるが、(といってもほとんど二人だけで会うことはなく、文通の時代だった)手紙でプロポーズされた1ヶ月後にノーマンは白血病で亡くなってしまう。ビアトリクス39歳。

 

その収益で、生涯15の農場と4000エーカー以上の土地を買った。 
若い頃から自然保護に関心を抱き、美しい自然が開発業者の手で壊されるのを防ぎたかったのだ。


コニストン湖のそばにモンクコニストン荘園という4000エーカーのナショナルトラストがあるが、これもビアトリクスが 1929年にナショナルトラストと共同購入したもの。
宿泊施設もあって泊まることができる。


その後、ニアーソーリー村のヒルトップ農家を買い、後年、そのそばのキャッスルコテッジに移り住む。

いまでは、その家を含めてヒルトップと呼ばれている。ビアトリクスがなくなるまで過ごした家だ。


ここでは、自然保護活動の一環で知り合った弁護士のウィリアムと知り合い1913年に結婚。
二人が生涯を過ごした場所となった。


ヒルトップは、広い庭に色とりどりの花が咲き乱れている。

入り口から玄関に向かうアプローチは2つあって、どちらも素敵な花の道だ。 

玄関正面の階段を下ると菜園。

いかにもピーターラビットが出てきそうな菜園。

菜園の入り口。こちらも、ピーターラビットの友達が覗いていそうな雰囲気。

それもそのはず、ビアトリクスは実在の建物や動物をモデルにして描いていたのだ。

ニアソーリー村のポストは、そのまま、ピーターラビットが手紙を出したポスト。

村の人たちは、自分の家や自分の知っている場所が物語に登場することをとても喜んでいたのだそうだ。


家の中では、彼女が暮らしていた時とそっくりそのままの状態を見ることができる。

中でガイドをしてくれるナショナルトラストのおじさん曰く、

「私がニアソーリーに住んで21年になるが、その間、一軒も新しい建物がたったことはない。ここは、ずっと変わらずそのままの村なんだ」


「ビアトリクスは死ぬ時に、どんな些細なものも含めて全てをナショナルトラストに寄付していった。だから、この家の中のものは、その時とまったくかわっていないのさ。唯一カーベットだけは、5〜6年ごとに新しいのに変えなくちゃならないけどね」

「書斎に飾ってあるたくさんの絵は、大きい油絵は、弟の作品、この一番上の絵はお母さん、その次がお父さん、一番したのはビアトリクス自身が描いた。才能のある芸術一家だったんだね」 

 「あの棒はなんですか」
 

「あれはね。チーズとかものを掛けておくための棒さ」

ビアトリクス・ポターの家は、そのまま、ビクトリア朝時代の生活がわかる博物館でもあった。


ビアトリクスは晩年は農業とくに羊の飼育に力を入れていた。
湖水地方特有のハードウィック種(当時は絶滅の危機だったとか)をそだててコンテストで銀賞をとったりしている。(羊について知りたい人は、過去ブログをみてね) 

後年は、女性で初のハードウィック種飼育者協会会長までつとめている。

ピーターラビットの作者は、羊の飼育家としても一流だったようだ。

あまり知られていない一面だ。



不便なところにあるヒルトップを訪ねたい方

もちろんホークスヘッドから40分歩くというてもありますが、

マウンテンゴートという会社がホークスヘッドからウィンダミア湖のフェリー乗り場までヒルトップ経由で小さなバスを出しています。
30分おきぐらい。片道5ポンド、往復で買うと安い。 

ということは、ボウネス(ウィンダミア)から船で、対岸のフェリー乗り場まで渡りそこからバスで来ることもできます。
どうやらこのルートのマウンテンゴートのバスは日本のガイドブックでは押さえられていないようで、歩いている人やタクシーの人を見かけましたので参考までに。525番の路線バスより数が多いです。 

 


コニストンのヒーローたち② ドナルド・キャンベル

2017-07-15 19:09:13 | イギリス

ドナルド・キャンベル(1921−1967)はスピード王。

世界記録を8回も塗り替えている。
そのうち7回は水上ボート。

一回は車。 


ドナルド・キャンベルの物語は、父親のマルコム・キャンベルから始めなければならない。

マルコムは、オートバイレースで2回優勝、さらに車のレーサーとしても活躍した。

メーテルリンクの「青い鳥」に感銘をうけて

彼のレーシングカーは「Bluebird」と名付けられた。

右上がマルコムとドナルド

息子のドナルドも父の影響を受け、スピード記録と戦い続ける。

彼のボートも「Bluebird」と名付けられた。

コニストンに行くとあちこちでBluebirdやCampbellという名前を見かける。

私の泊まっていたロッジもBluebirdロッジ。

遊覧船はCampbell号。


 

その理由は、すべてこのドナルドキャンベルにあった。

 Bluebird K7は、7回の世界記録を樹立し、そのうちの4回はこのコニストン湖で成し遂げられたからだ。

コニストン湖はウィンダミア湖よりずっと小さいが、直線距離が長いため、時速400キロを超える記録樹立には最適な環境だったようだ。

ドナルドの名を不動のものにしたのは、実は、この素晴らしい記録のせいだけではない。

1967年1月4日のコニストン湖の挑戦で、時速480キロのBluebirdは、空中に舞い上がるとそのまま湖にたたきつけられ沈んでしまったのだ。 

ドナルドの最後の言葉は「She is going・・・」

 

この悲劇は瞬く間に世界中にひろまった。

記録樹立を撮影していた映像は、そのまま、事故の記録映像となった。

多くの人が生々しい最後の瞬間を映像で見ることとなった。


コニストン湖は深く、結局、沈んだBluebirdもドナルドも見つけることはできなかった。


彼の次々と打ち立てる記録で励まされた多くの人たちが彼の死を悼んだ。

彼の死後1月28日に水上スピード記録に挑戦し続けた勇気と決意に女王から勲章(Queen's Commendation for Brave Conduct)が授けられた。


その後2001年に家族の願いもあってようやっとダイバーたちが沈んだBluebirdとドナルドの遺体を引き上げることができた。


こうして死後34年たって、ドナルドの葬儀はコニストン村で執り行われた。

今はコニストンの教会の墓地に眠っている。

引き上げられたブルーバードは、ラスキン博物館の一角にドナルドキャンベルコーナーが設けられ、そこに展示されている。 

父から引き継いだ命を賭けて「青い鳥」を探す夢は、娘のジーナにも引き継がれ、彼女も女性の世界記録を樹立した。

もちろん彼女の船も「Bluebird」。


親子3代でスピードを追い続けた人生、彼らは彼らの青い鳥を確かに捕まえたのだろうか。

 

 
 

 


コニストンのヒーローたち① ジョン・ラスキン

2017-07-15 10:21:33 | イギリス

真の偉人の最初のテストは謙虚さだ

The first test of a truly great man is his humility.


ジョン・ラスキン(1819−1900)の名言。


こんなのもある。

In general, pride is at the bottom of all great mistakes.

(概して、大きな失敗の基は、プライドだ)


What we think, or what we know, or what we believe is, in the end, of little consequence. The only consequence is what we do.

(何を考え、何を知っていて、何を信じているかなんて結局たいしたことではない。大事なのは何をするかだ)


In order that people may be happy in their work, these three things are needed: They must be fit for it. They must not do too much of it. And they must have a sense of success in it.

(働いて幸せになるために必要なものは3つだ。その仕事が向いていること、働きすぎないこと、そして、それがきっとうまくいくと確信していること)


The highest reward for a person’s toil is not what they get for it, but what they become by it.

(厳しい仕事から得られる最も価値ある報酬は、その結果ではなくて、それによって作られた成長した自分だ)


私がいちいちぐさっときたものだけ書いてみた。

ラスキンは、ビクトリア朝時代の思想家・美術評論家だ。

ターナー(最も有力な支援者)やルイス・キャロル(アリスのモデルになったアリス・リデルの家庭教師していた)やミレー(奥さんを、応援していたミレーにとられて離婚)とも交流があって、日本でも夏目漱石の文学論に名前がでてくる。プルーストやガンジーにも影響を与えたと言われている。


で、なぜコニストンのヒーローかというと晩年をコニストン湖畔にあるBrantwoodで過ごしたからだ。


Brantwoodは、コニストンの町の対岸にあるが、遊覧船で行って降りて次の遊覧船で帰ってくることができる。

当時の裕福な知識人の暮らしがうかがえる瀟洒な建物だ。

どの部屋からもコニストン湖が眺められる。

ダイニングは大きな二面の窓からコニストン湖が楽しめる。


私が一番好きなのは寝室の角に作られた出っ張った6角形の眺望スペース。

そこからは、コニストン湖を端から端まで眺められる。


時間があったらぜひ、足を伸ばしてほしい。

時間がない人は、コニストンの町にラスキン博物館があるからそちらへ。


その一角では、ラスキンのオックスフォードでの授業のビデオも流れている。


ラスキンを誇りに思っていることの表れで

コニストンにはラスキン工科大学と銘打たれた学校もある。


もちろん、ラスキンのお墓は、地元の教会にある。
だれでも、わかります。
ここだけ花が飾ってあるから。


さて、私の好きな名言にこんなのもある。


There is really no such thing as bad weather, only different kinds of good weather.

(本当に悪い天気なんていうものはない。あるのはただ、いろいろな種類の良い天気だけだ)


うなっちゃわない?



閘門(こうもん)って知ってる?

2017-07-13 19:38:17 | イギリス

シェークスピアの生まれた町ストラットフォードのパブ

花が綺麗でしょ。

この白壁に板がチューダー風。


中央にある公園で

水位差を利用して登ったり降りたりする船をみました。

この門を閘門(こうもん)といいます。


船のいるところの水位が高いので

門を閉めて、中の水を抜きます

だんだん低くなってきました。
元いたところよりだいぶ下になっているのがわかりますか 

 同じ高さになったところで、進みます。

 高い方に行く時は、閘門(こうもん)を閉めて
水を足します。
浮き上がって同じ高さになったところで出発。 


これだと川下りだけでなく川登も出来る仕組み。

見ているのは面白いけど、時間も手間もかかります。 


ツバメ号とアマゾン号

2017-07-12 22:18:12 | イギリス

湖水地方の滞在先にコニストン湖を選んだのは偶然だった。

本当は、ウィンダミア湖のあたりにしたかったのだけれど、手頃なコテッジがなかったのだ。

ウィンダミア湖にしたかったのには、理由がある。

子供の頃興奮して読んだアーサーランサムの「ツバメ号とアマゾン号」の舞台だったからだ。

訳者の神宮輝夫さんがあとがきで舞台はイギリス北部の湖水地方ウィンダミア湖と書いていたのがずっと心に残っていた。

イギリスにいた時もウィンダミア湖に足を運んだ。


コニストン湖?ま、ウィンダミアに近いし、いいか。

せっかくだから「ツバメ号」シリーズ全巻持って行って読もう。

重いので我が家にある岩波のハードカバーではなく、新書版を新たに買い揃えてイギリスに来た。


コニストン湖の遊覧船に乗ろうとすると

「ツバメ号とアマゾン号コース ヤマネコ島」とある。

えー???


ツーリストインフォメーションには、ツバメ号とアマゾン号の本も置いてある。

「ヤマネコ島はコニストン湖にあるの?」

「そうだよ。私が生まれたところは、ツバメ号と伝書鳩に出てくる街さ」とインフォメーションのおじさん。


私が持っていたツバメ号の本を見せると、嬉しそう。

ひとしきりその話で盛り上がった。


コテッジに帰って新書本を見てみると追加されたあとがきに

「舞台は湖水地方のコニストン湖」と書かれている。


これを運命と言わずして何を運命という。

しかも地元の博物館では著者のアーサーランサム展がたまたま開催中。

感激で一人涙がにじむ。


コテッジの窓から見えるコニストンオールドマンが「ツバメの谷」に出てくるカンチェンジュンガとわかった時には、昨日までと違った山になってしまった。

 

「ツバメ号とアマゾン号」はアーサーランサムが書いた子供向けの小説。

全部で12巻から成る。19カ国で翻訳されている児童文学の古典だ。

全巻が翻訳されたのは、日本だけ。神宮輝夫さんありがとう。

アーサーランサムは1884年にイギリスのリーズに生まれ、子供の頃夏休みを湖水地方で過ごす。

その後、戦争記者になりあちこちを転々としたあと、ロシア革命時にロシアですごす。

レーニンの秘書と結婚したとランサム展では書いてあった。

第一回のカーネギー賞受賞者でもある。

なんとMI6(イギリスの諜報機関 ジェームスボンドね)にも所属していた。


45歳で「ツバメ号とアマゾン号」を書く。

登場人物の子供達の個性が生き生きと描かれ、100年経った今でも色あせない。

イギリスにはアーサーランサム協会もあって、根強いファンに支えられている。


日本からもランサムサーガに惹かれて湖水地方を巡礼する人も多い。


当然乗りましたよ遊覧船「ツバメ号コース」。

ガイドは日本でオペラ歌手をやっていて日本語も少し話せるというロバート。


これが、ハリハウ。

フリント船長の屋形船。

実はVictorianスチームゴンドラだけど、まさにこんなだったそうな。

ベックフット。

宝物を見つけたウの島

馬蹄湾。右の岩がジョンがツバメ号をナンパさせた岩。

そしてヤマネコ島。

秘密の港が見える。

今日は、誰かが停泊していて全然秘密じゃないけどねとロバート。


ツバメの谷。

ズボン破りの坂。

そして、カンチェンジュンガ。

アマゾン川の河口。

アマゾン号が隠れた葦の原。

これで身悶えするのは、ランサムファンだけっていうのはわかっているけど書かずにはいられない。


ロバートは他の乗客には内緒で、彼が集めている世界中のツバメ号の本のリストを見せてくれた。
日本の本も半分揃っている。
スウェーデンのを手に入れるのが難しいんだよね。


私が、日本に帰る時には、私の持ってきた本を全部送るね。

重いから持って帰るのも無駄だし、捨てて帰るのも残念。

私の本が一番喜ぶ完璧な貰い主を見つけたよ。


というと嬉しそうに住所をくれた。

待っててねロバート。
まだ、ノーフォークの湖沼地方で、残りの半分を読まなきゃならないから。