北欧スウェーデン の生き方情報 スウェーデン報

北欧スウェーデンの日常を生活者目線でお伝えします。
幸せの国、北欧スウェーデンのなるほど〜な生き方をお伝えします。

雨に関する私的考察

2020-07-27 11:47:34 | スウェーデン

北欧スウェーデンの生き方、習慣、面白さなどをつたえられたらいいな

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ヨーロッパで走っているのは、日本人と泥棒だけ。という表現がある。

そして、もう一つ、ヨーロッパで傘をさしているのは、日本人だけ


私の暮らした外国は、イギリスとスウェーデン。

そして、その両国とも天気があまり良くない。

詳しいデーターを調べたわけではないので、
一年のうちの雨の降った日がどのくらいかわからないが、
生活感覚としては、5割を超えているかもしれない。


最初、イギリスに住んだ時、イギリス人が、傘をささないのに驚いた。

さらに、イギリス人は雨宿りもほとんどしない。

よく絵で見るような、傘を持ったイギリス紳士、多分あの立派な傘は、
一生のうち、一度もひらかれないのではないだろうか。


さて、スウェーデンの天気も変わりやすい。

母が日本から遊びに来ていた日、朝から快晴だった。

母には乾燥機で衣服を乾かすなどという発想は、みじんもない。

当然、庭に張ったロープにせっせと洗濯物をつるし始めた。

 

一番イメージに近い画像をイーコムドイツ語ネットから借りました。



しかし、私は止めた。

これから観光に出かけるのに、外に洗濯物を干していくなんて・・・・。

快晴の青空を見ながら、母がいう。

「大丈夫。外に干していけば帰るまでに乾くよ」

「スウェーデンの天気を信用してはいけない」とわたし。

納得のいかない母。

しぶしぶ取り込む。でも、私の母である。

観光に出かけても、空を見上げては、

「やっぱり、干してこれば良かった」

と、しつこい。

そして、数時間後、やっぱり雨は降った。

雨を見て、そして、私を見て、母は感心したように言った。

「ほんとだね。あんなにいいお天気だったのにねえ」

私は、誇らしく、胸を張った。


とまあ、そんなことで、威張ってもしょうがないのだ。

ともかく、こんな天気だから、「雨天順延」という言葉がない。

順延したら、いつ実行できるかわからないのだ。

日本人の知人の初めての保育園の遠足の日は雨だった。

当然中止だろうと、通常通り登園。

すると、全員、遠足の用意ができている。

「えっ、遠足に行くんですか」と聞くと、担任、平然とした顔で

「あら、昨日、そうやって伝えなかったかしら」


先年のルンド大学のキノコ狩りは、やはりかなりの雨だったそうだ

バスで現地まで行く。

やまない雨。

当然、お弁当はバスの中で食べると思ったら、バスは、
次の送迎があるとかで、全員を雨の森に下ろして、
無情にも帰っていってしまった。

雨に慣れない日本人参加者は、なるべく枝の張った木を見つけて、
雨宿りをしながら、ずぶ濡れで、立ったままお弁当を食べたのだそうだ。

そして、ひたすら、祈るような気持ちで迎えのバスを待ったのだった。


私たちが滞在している時の夏も、あまり天気の良い夏ではなかった

我が家は、ダーラナ地方でサマーハウスを借りて2週間過ごしたのだが、
快晴でしかも水泳日和という日がなかなかない。

せっかく、シリアン湖の目の前に滞在しながら、湖で泳ぐことができない。

一度、無謀にもちょっとお天気の良い日に入ったら、水温17度。

すでにスウェーデン人化している娘以外は、すぐに退散した。


ダーラナの目玉の一つにサマーランドというのがある。

プールを中心としたテーマパークで、乗馬や釣りなどの屋外アトラクションもある。

 

サマーランドホームページから借りました
今年は、営業はしていますが、全てネット予約で、

今週、来週はもう売り切れ。

プールは開いていますが、スライダーは使用できないなど

COVID-19の影響は甚大です。

 



子供たちは当初から楽しみにしていた。

しかし、入場料は高い。(今年は250クローネ、約3000円ぐらいかな)

十分楽しむためには、やはり気温の高い快晴の日に利用したい。

というわけで、最適な日を待っていたらとうとう最終日になってしまった。

そして、雨である。


「こんな日にサマーランドに行っても仕方ないでしょう。
今回、サマーランドはあきらめよう」

しかし、2週間、今日か今日かと待っていた娘には、どうしても納得できない。

「だって、こんな雨の日に泳いだら、風邪ひいちゃうよ。
それに、もしかしたら、サマーランドもこんな天気じゃ、休園かもしれない。
行ったって、誰もいないよ」

でも、私の娘である。

「どうしても行きたい」

と、しつこい。


「じゃ、行くだけ行くけど、誰もいなかったら入らないからね」

あきらめさせるために、サマーランドまで行ってみる。

かなりの雨である。

気温は17度。

屋外遊園地。しかも、プール中心の遊園地にひとがいるわけがない・・・・・。


ところが、・・・・・駐車場は満車。

園内からは、キャーキャーと元気な声が。

我が目を疑ったね。

「ほらね、みんな、遊んでるじゃん」誇らしげな娘。

雨に濡れるのも、プールで濡れるのも、スウェーデン人にとっては同じなのだ。

どうせ濡れるんだったら、今日はプールにしよう・・・・・・ということなのか。


しかし、日本人の常識として、こんな気温の低い雨の日に
高いお金を出してプール中心の遊園地に入るわけにはいかない。

日本人としてのアイデンティティに関わる。
(いえね、ただ、もったいなかっただけですが)

「うそつきぃ」と叫ぶ娘をなだめすかして、あきらめさせる。


スモーランドのピッピランド。あそこに行った時も雨模様だった。

目玉のピッピの野外劇が始まった時はすでにかなりの雨脚。

ステージはさすがに屋根がついているものの、
観客席は、完全に空の下。

マルタの上に板を渡してある座席もずぶ濡れである。

多くのスウェーデン人たちは、平気で、ずぶ濡れの板の上に腰を下ろす。

我々日本人は、持っているシートを敷いて、腰を下ろす。

すると、後から来た賢いスウェーデン人たちは、
渡してある板の両端を「せいの」で持ち上げると
クルクルと裏に返して、濡れていない側を上にして、座っていた。

賢い!!


客席の方にしょっちゅう降りてくる役者もずぶ濡れ。

座っている観客もずぶ濡れ。



スウェーデン人の高い鼻の頭からは、水滴が滴り落ちている。

しかし、誰も、席を断とうとしない。

それはもう、驚嘆の域に達していますね。


さすがにこの時は、傘を指している人たちもちらほらいたが、

大勢は、平気で濡れている。

我が家も、誰も席を立たないので、日本人の意地を見せねばと、
かなり頑張った。

その結果、全員で、終わるや否や車に戻って、乾いた服に着替えたのだった。


「郷に入って、郷に従おう」とすることは、これほどさように、努力を要することなのだ。


スウエーデンのどんなアパートにも乾燥機が付いていることを、
贅沢と言ってはいけない。

スウェーデン人が、外出する時、決して、
綺麗な格好をしていないからと言って、
おしゃれではないと言ってはいけない。

彼らは、いつだって、心の中では雨に備えて、生きているのだ。

しかし、スウェーデンの雨は、しばらく待っていれば、多くの場合
必ず上がる。

すぐ、また降ることもあるが、日本のように、ずっと
ジメジメと振り続けることは滅多にない。

というわけで、今日もスウェーデン人たちは、傘ももたずに
出かけるのである

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