鈴木信夫の詩の世界 ~筋ジスと向き合った40年~

筋ジストロフィーと向き合い、2011年5月、40歳の若さでこの世を去った詩人鈴木信夫の心に響く詩を紹介します。

おわりのはじまり

2016-10-07 | 
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鈴木信夫の詩手紙を中心にした作品から


2008年から絵手紙作家の浅田美知子さんとの交流が始まりました。
詩手紙そのものや書き加えたコメントから選んで紹介してゆきます。
一部、詩集に載せたものもありますが、未発表のものが中心です。
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年に1、2回病気の進行状態を検査するために入院していました。
病気が進行するのは非常に不安です。2008年5月30日の詩手紙です。コメントは…

 「検査入院から帰ってきました。前回と変わりなく、いい状態を保っているそうです。すこし安心しました。
  気持ちをあらたに、詩を書いていこうと思います。梅雨の空を晴らすような・・・。」


        おわりのはじまり
                                      2008年3月

人は生まれた時に、おわりがはじまっていて
そこから逃れることはできないから
いつ、その時が来てもいいようにしておきたい

世界を見ておきたい、いつ、その時が来てもいいように
おわりはすでにはじまっているから

言葉を記しておきたい、いつ、その時が来てもいいように
おわりはすでにはじまっているから

生命(いのち)を愛(め)でておきたい、いつ、その時が来てもいいように
おわりはすでにはじまっているから

何かをしておきたい、いつ、その時が来てもいいように
人として美しくおわりを迎えるために

そう思うと時を無駄にできなくなってくる
そういう想いになってくる


   詩手紙2008.5.30
   

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