鈴木信夫の詩の世界 ~筋ジスと向き合った40年~

筋ジストロフィーと向き合い、2011年5月、40歳の若さでこの世を去った詩人鈴木信夫の心に響く詩を紹介します。

あぶらあげが美味しそう

2016-10-15 | 
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鈴木信夫の詩手紙を中心にした作品から


2008年から絵手紙作家の浅田美知子さんとの交流が始まりました。
詩手紙そのものや書き加えたコメントから選んで紹介してゆきます。
一部、詩集に載せたものもありますが、未発表のものが中心です。
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この日の詩手紙のコメントです。

 「今日は、テレビで「あぶらあげ」のことを取り上げていました。
  あまりに美味しそうで思わず、書いてしまいました。
  音と香りを想像する。なんか幸せな感じしてきませんか?

  そういうことを考えていたら母が、あぶらあげを買ってきました。
  以心伝心かな。」

食べ物についての詩もたくさん作っています。
また別の機会にまとめてご紹介したいと思います。


     あぶらあげが美味しそう
                              2008年3月

あげたての「あぶらあげ」が美味しそう

つくりたての豆腐から一枚一枚うすく切ってね
おもしをのせて水を切っていく
ぽたぽた、ぽたぽた、時を待つ
まるで涙と一緒にいらないものを流しているみたい
ぼくたちもそうかな、いらない気持ちは流そう
なんて思いながら見ているうちに
すっきりして、もっとうすくなっちゃった
豆腐屋のおじさんが一枚一枚だいじにあげてくれる
あぶらのいい音と香りにつつまれて
ああ、いいキツネ色だね

「おしょうゆ」かけて早く食べたいな


   詩手紙2008.3.23
   

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