鈴木信夫の詩の世界 ~筋ジスと向き合った40年~

筋ジストロフィーと向き合い、2011年5月、40歳の若さでこの世を去った詩人鈴木信夫の心に響く詩を紹介します。

結んでいる糸

2018-05-20 | 
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鈴木信夫の詩手紙の作品から

絵手紙作家の浅田美知子さんとの交流は1年が過ぎました。
このころは、ほぼ1日に1編の詩をつくっています。
詩手紙そのものや書き加えたコメントを選んで紹介してゆきます。
一部、詩集に載せたものもありますが、未発表のものが中心です。
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2011年、東日本大震災のあと、「絆」という言葉がテレビや新聞にたくさん現れました。
この世の中は、支え、支えられて成り立っているのですが、何か事が起こらないと気付かないのです。
鈴木信夫は、あの災害の2年前に「絆」の大切さに気付き、この詩をつくっていたのです。
このように何気ない言葉の持つ意味を多くの詩にしています。


          結んでいる糸
                                 2009年2月

わたしたちを結んでいる糸
半分は、わたしが持っていて
あなたを支えています
半分は、あなたが持っていて
わたしが支えられています
それを絆というのですね

世の中は、あちらにも、こちらにも
糸が結ばれて、かさなりあっています
ふだんは絆があっても見えないものです
でも、ふとしたことで思いだします
あなたに話しかけることで
あなたが話しかけてくれることで
ふだんは見ようとしても見えないものです
でも、ふとしたときに思いだします
わたしがあなたを思うとき
あなたがわたしを思うとき

わたしたちを結んでいる糸
半分は、わたしが持っていて
あなたを支えています
半分は、あなたが持っていて
わたしが支えられています
それを絆というのですね

   詩手紙2009.2.20
   

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