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市議会産建水道消防委員会と当会建設業部会役員との懇談会

2011年12月14日 07時02分34秒 | 建設業部会

 12月12日午後1時30分より市本庁舎5階第2委員会室にて裾野市議会産建水道消防委員会と当会建設業部会役員との懇談会が、昨年12月に続き開催されました。

 会議冒頭、当会渡邊康一副会長(渡邊工業株式会社)と杉本平治産建水道消防委員長より開会に際し挨拶を頂き、自己紹介後、渡辺建設業部会長(渡辺建設株式会社)より建設業部会活動近況報告を行い、その後当市の建設業関連の現状と課題について、活発な発言にて有効な懇談会が実施されました。ここ数年続く建設業全般で大きな不況の波が押し寄せていますが、様々な方々のお知恵を拝借し、何とか回復基調にのせたいですね。

(お問合せ 裾野市商工会:055-992-0057)
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不況の象徴、建設業界!揺らぐ業界はどこへ向かうのか!?

そもそも建設業と一口に言っても、実は相当に多様な業態で構成されている。例えば本稿の主役であるゼネコンにしても、定義=土木・建設を総合的に請け負う総合建設業で、ゼネラル・コンストラクターの略と明確に答えられる方は業界関係者以外にはほとんどおられないだろう。 実は、まさにこの複雑な業界構造こそが、建設不況の最大の要因であると指摘する声は多い。 90年代初め、バブル経済崩壊によって大きな打撃を受けた建設業界は、97年、更なる転換点を迎える。すなわち、建設ビッグバンと称される上場ゼネコンの経営破たんである。この建設ビッグバンに端を発して以降、縮小し続ける建設業界のポイントは以下の3つである。 

1、 公共工事の削減・・・市場規模の縮小 

2、 金融機関の不良債権処理・・・有利子負債の圧縮競争 

3、 業界構造改革の遅れ・・・低い競争力 

 

まずの公共工事の削減が、どれだけ市場全体に影響を与えたのか。 

公共工事だけで何と最盛期96年の41%にまで縮小しているのだ。市場全体でも同96年比で60%の規模まで縮小している。実に半分近くの水準だ。 

ところが、市場は半分になっているのに業者数は92%と、1割も減っていない。内訳を見てみると個人事業主が大幅に減少し、資本金1000万円~5000万円という中小の法人が増加しているが、その中身に大きな違いはない。明らかに市場に比較して業者が多すぎるのだ。  

この市場規模に比較して業者が多すぎるというアンバランスな状況は、必然的に各企業の売上減に直結している。特に地方の中小に与える影響は甚大だ。業界全体の実に95%以上を占める資本金1億円未満の中小は、一般に公共工事やそれに付随する請負への依存度が高いと言われているが、ピーク時の40%まで縮小した公共工事に対し、まさにパイの奪い合い状態になっているのが実情だ。加えて言えば、地方の公共事業などはその財源の35%以上が地方債、つまり借金によるもので、今後公共事業を当てにすることは、なおのこと厳しいと言わざるを得ない。 

しかも追い打ちをかけるように、前原国土交通相も、昨年11月に報道陣に対し、「建設事業者は、公共事業の削減に伴い、まだまだ縮減が必要だろう」という趣旨の発言をしている。現実に、国や地方自治体の政策は、事業者数を減らす方向に動きつつある。例えば、公共工事であまりにも安い金額で落札してしまうと、工事の質の担保を大義名分に現場監督を増員したり、多くの提出書類を出さなくてならず、せっかく無理して安く工事を受注しても、さらに多大なコストがかかることになるのだ。「国は建設業を潰そうとしている」という声も大げさではないのかもしれない。 

 

次にの不良債権処理だが、有利子負債の圧縮競争によって端的にどんな現象が起きたかというと、M&AやTOB、経営統合などといったスケールメリットによる財務健全化施策である。しかし、一時業界の主流となり、一定の成果を収めてきたこの打開策も、2007年に破たんした「みらい建設グループ」に代表されるように、巨大組織の抱える課題を露見し始めてもいる。すなわち、肥大化した巨大グループの多くは、結果として正の事業が負の事業リスクをも抱えるようになり、必ずしもメリット足り得なくなっているということ。そして、経営不振の根本的な問題の本質に目を向けなければならないという事実である。 

そして冒頭でも指摘したの業界構造の問題である。親方日の丸、護送船団方式・・・当業界を揶揄する表現は多いが、こうした産業保護のぬるま湯に慣れ過ぎた業界は、規制緩和という号令によって放り込まれた激しすぎる戦場=市場原理に対応できなかった。いや、正確に言うならば、自由公平透明な競争環境で生き抜けるほどの競争力を有していなかった。この問題を直視できるか否か、それがこれから建設業界を生き抜いていく上でのキーワードになるのではないだろうか。  

上場企業55社に竹中工務店と鴻池組を加えた57社ベースのゼネコンランキングでは、安藤建設で前期比29.4%の大幅ダウンをはじめ、46社(80.7%)のゼネコンが前期比で売上高を落としている。トップ10に目を転じても過半数がダウン、しかも4社が10%以上のダウンとなっている。もっとも、アスファルト合材で売上を伸ばしたNIPPOをはじめ、売上高を落とした企業も含めて47社が黒字決算を計上しており、減収ながら増益は達成するという企業努力は、確実に実を結びつつはある。伴って有利子負債は減少し、自己資本も増加している。 

しかし、財務面の増減だけで楽観視できる話でもない。注目すべきは、企業内努力で利益を確保した企業以上に、売上高を伸ばしている企業である。では、そのような企業はどのような打開策をもってこの荒波を乗り越えているのだろうか。代表的なパターンを挙げると以下のパターンに集約されていく。 

 環境配慮型 

環境に優しい新技術や新素材を開発したり、耐久性や工期の短縮などを訴求したモデル。世界的な潮流でもあるエコはPR効果も高く、地方のモデル事業に選出されたり、街整備事業受注につながるなど、多方面から成果が上がってきている。 

 リフォーム

建設物だけでなく、道路や橋梁などの社会資本ストック、公共土木など、市場規模は実に14兆円に達するとも言われる。維持・補修・改修どのレベルかにもよるが、飽和状態の市場にあって、いずれも今後の更なる成長が期待される分野である。 

 新業態

例えば技術開発に伴う業態転換もあれば、人材派遣や商品卸など大きく舵を切るケースも見られる。いずれにしてもまだ余力のあるうちに決断し投資すべき発想ではあるが、右肩下がりで先行きの見えない当業界においては、その成功事例は確かに注目すべきものではある。 

 国内の建設投資は、2010年、約30年ぶりに40兆円を切る水準まで落ち込むという見込みもある。市場は明らかに飽和状態だ。成長している企業に通じることだが、これからは既存の常識を超えた何かを打ち出していかなければ、企業として生き残っていくことも困難だろう。 

回収や成長スピード鈍化といったリスクと向きあいながら海外市場を開拓していくのか。あるいは独自技術や斬新なビジネスモデルで業界を生き抜こうとするのも手だろうし、まったく異なる成長分野へ進出し業態転換を図っていくのも戦略だ。 

しかし、いずれにしてもこのままでは座して死を待つようなもの。企業の、あるいは経営者の胆力が問われる時代とも言えるかもしれない。 

 


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