ふと、つまんないコトを突(つつ)いてみる。
ご存じ日清のカップヌードル。今じゃすっかり普通名詞化して、ほぼほぼ「コップ型容器に入ったカップ麺」全般を指し示すようなフード用語になった。
しかし日清さんの場合、カップヌードルと公称しながら「麺(ヌードル)」全般のメニューは扱わず、中華な汁麺だけを企画開発対象にしてる。
実は過去に一度、1972年に世界初のカップ和風麺『カップヌードル天そば』が出るも、4年後の76年に例の『どん兵衛』発売に伴い終売となっていた。
今では日清海外法人の企画(もしくは海外法人とのタイアップ企画)製造による現地風麺のカップヌードルを除き、国内では中華麺および"中華風"麺以外の(コップ型容器タイプの)カップヌードルは販売されてない。
前述の『どん兵衛』が出たあたりから、世間では(日清さん商品に限らず)…
⦿ 元祖コップ型容器は中華麺(中華そば・ラーメン)
⦿ どんぶり型容器は和風麺(うどん・そば・きしめん)
⦿ 深皿型容器は汁なし麺(特に、焼きそば)
⦿ どんぶり型容器は和風麺(うどん・そば・きしめん)
⦿ 深皿型容器は汁なし麺(特に、焼きそば)
と容器の形状でメニューを切り分けるトレンドができ、それぞれ「カップラーメン」「カップうどん」「カップ焼きそば」などと呼び分けるようになった。このうち「カップラーメン」だけは「カップヌードル」と俗称することがあっても、後者の2種を「カップヌードル」と呼ぶことは絶対にない💧 のだった。
「カップ焼きそば」に至ってはそれよりも「UFO」「一平ちゃん」「ペヤング」などと商品名やブランドで呼ぶ方がポピュラーだったり、そもそも「ソース焼きそば」と言ったら「カップ焼きそば」のことだろ💧 と認識する若い世代すら増えてるようだ。思うに連中のアタマん中じゃ、他のカップ麺と違い「湯切りして液体ソースパックを混ぜて味付けるから」とか「ソースと混ぜるだけで"焼く作業"を省いた"焼きそば"だから」…のように拡大解釈してるんだろな。
以上のごとき現状、純粋に『ヌードル(麺)』という英語の意味から言ったら、オカしい。
ヌードルは断じて❕「ラーメンのみ」を意味しない。コップ型「カップヌードル」自体に「焼きそば」や「きつねうどん」が有って全然OKなハズだ。何なら「みそ煮込み」とか「ナポリタン」とかも。
この「当たり前」を堂々、実践してる即席めんメーカーもある。例えば、サンヨー食品さんの『カップスター』だ。
フツーに、『サッポロ一番』シリーズに『カリーうどん』を加えてる。
東洋水産(マルちゃん)では、カップ焼きそばこそ四角い皿型容器に揃えるも、ラーメン・そば・うどんに関してはコップ型・どんぶり型・バケツ型の容器を麺種とは一切無関係に「ごちゃ混ぜに使って」運用中。まあ自分としちゃ、彼らの方が日清さんの『ヌードルの持つ語感を故意に自社製即席ラーメンの差別化イメージとして使い回し、原語「Noodle」本来の語意を日本人から損なわせる』よりは何倍も立派な行いをしてるように映る。
=了=
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