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気温のレキシ(稚内/わっかない)-その2

2023年09月09日 | 気候変動
前回、稚内の気温の推移について簡単な分析をしました。
今回はその詳細を見てみます。


稚内の気温の推移(詳細)


いつものように、
①平均気温、②最高気温、③最低気温の各グラフについて、
近似曲線を引き「温度の上昇度」を調べてみました。

一次の近似曲線の傾きを比較したところ、

①平均気温:0.0159 [℃/年]
②最高気温:-0.0004 [℃/年]
③最低気温:0.0404 [℃/年]

となりました。

近似曲線の傾き、
つまり、1年あたりの気温の上昇について、
①平均気温0.015は、これまで見た他の地域の値より少し小さい値となりました。
②最高気温の-0.0004は、ほぼゼロに近い数値で、近似曲線で見ると、最高気温はほとんど変化していないと言えます。
③最低気温0.040は①に比べ大きく、やはり稚内でも、最低気温の上昇度が高いことがわかりました。ただし、他の地域と比べるとその値は小さいようです。

特筆すべきは、②最高気温ですね。
この観測期間でみると、これまで見た他の地域とは異なり、
ほとんど気温は上昇していないということになります。

(念のため、気温上昇傾向が見られる1950年以降での近似曲線の傾きを取ると、
②最高気温:0.0135 [℃/年] となりました。
若干ですが、上昇しているという結果になります。)


温度上昇について、1938年以降の近似式の係数から計算をすると、
過去75年間での各温度の上昇は、つぎのようになります。

①平均気温:1.19℃
②最高気温:-0.03℃
③最低気温:3.03℃

絶対値で見るとわかりやすいですね。
最低気温は上がっていますが、他の地域に比べるとその上昇はかなり小さいです(相対的に小さいです)。

最高気温に関しては、
検討の余地があり、あくまで一次近似でのざっくり考察となりますが、
各地の気温の歴史を分析していて、
はじめてマイナスの値、つまり最高気温が下がっているというデータに出会いました。
今後の観測データに注目したいです。


以上の分析のまとめです:
・稚内も他の地域と同様、「最低気温の上昇が大きい」ということが見えてきました。しかし、その上昇度は小さいことがわかりました。
・加えて、今回は、稚内の最高気温はほとんど変化していないということもわかりました。これは新たな発見でした。


ひとまず、雑ぱくな傾向分析として、稚内の気温の分析でした。
また、違うエリアの気温について分析をしていきます。


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