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久米島の大サンゴと環境コスト

2010年05月23日 | log
先日、以下のようなニュースがありました。



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<WWFジャパン、HPより>
久米島でサンゴの大群集を発見

沖縄島の西約100kmに位置する久米島の沿岸で、大規模なサンゴ群集が発見されました。WWFジャパンの「久米島応援プロジェクト」に参加している研究者が、2010年4月および5月に、現地で潜水調査を行なったところ、数百メートル四方を超える広大な範囲に広がっており、貴重な環境が残されていることが明らかになりました。

WWFジャパンの「久米島応援プロジェクト」では、11月からこのサンゴ群集の調査を始め、2010年4月と5月に潜水調査を実施。
その結果、発見されたサンゴ群集が、枝状のミドリイシ属の一種(現時点で種は未確定)が多くを占める大群集で、数百メートル四方を超える規模を持つことが明らかになりました。

沖縄の海では近年、赤土の流出や、サンゴを喰うオニヒトデの大発生、また、サンゴの白化現象を引き起こす水温上昇などの影響により、多くの海域でサンゴ被度が低下する状態が続いています。その中で、今回のような高被度群集が形成・維持されていたことは、大きな驚きであり、また貴重な発見となりました。
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以上の様なほっとするニュース発表と同じ週に、
同じく沖縄における大きなニュースがありました。
アメリカ軍、普天間基地の移設先は辺野古に決定。

これにはいろいろ意見がありますが、
ここでは一点、沖縄の自然破壊について述べます。



今回の政府決定で、
ジュゴンも住む辺野古のサンゴ礁は埋め立てられるでしょう。
(くい打ち桟橋方式は、本土のメーカー(新日鉄らしい)が杭を作って沖縄に持ってきてしまうため、地元の土建業がもうからないというのが、埋め立て方式にする一要因の様子。)

辺野古のサンゴ礁だけではなく、
全国ニュースにならないレベルで、
沖縄の海は、日々埋め立てられているようです。

これは、沖縄の雇用創出に関わっています。
つまり、沖縄の土建業の仕事を増やし経済を循環させるために、
サンゴを埋め立てる自然破壊がおこなわれているということなのです。


沖縄本島で、観光ではない目線で現地を見てみると気づくことがあります。
土砂を運んだトラックの通行量の多さです。
沖縄本島の中部・北部には、土砂が採掘されたため形の変わってしまった丘や山がたくさんあります。
そこから、人の多く住む南部の海岸線に土砂は運ばれ、エメラルドブルーの海に放り込まれているのです。



現在の経済システムにおいて、
生産活動・企業活動の中で行われてしまった環境破壊に
対価を払うという「環境コスト」は
企業が倫理観を持っていない限り考慮されません。
企業が活動する、つまりは現在の経済が循環する中では必ず自然破壊が起きているのです。
しかし、それに対する「環境コストは」企業にとってなるべく払いたくないものであるのです。
実際、多くの企業は自然破壊に対するコストを払わず「ただ乗り」を行っているのです。
CSR活動を行い、環境に考慮していることをうたっている企業もありますが、
そんなのは何万とある企業の一部にすぎないのです。



沖縄の自然破壊は、単に遠いリゾート地での話ではありません。
我々の生活の中で恩恵を受けている
あるひとつのものやサービスの中に自然破壊は含まれているのです。
それに気づくことが重要なのです。

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