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北の手先となって国際社会を巻き込みながら、あることないことでっちあげた慰安婦問題をプロパガンダしてきた日韓の人権活動家たちの存在

2024年06月27日 09時50分29秒 | 全般

ともあれ松井氏の見解は、慰安婦強制連行をでっちあげ、拉致問題と相対化させたかった北の思惑を見事に代弁しているように思えるのだが……
2019年08月06日 

以下は月刊誌WiLL今月号に、「朝鮮半島」「問題は慰安婦より今の性奴隷でしょッ!」と題して掲載された、今、気鋭のジャーナリストとして、良い仕事を続けている大高未貴さんの労作からである。

人権派のリベラル諸君! 「人権侵害」は今もすぐそこで起こってますヨ?

深刻な人権侵害 

ロンドンを拠点に北朝鮮の女性や子どもへの人権侵害を追及している団体「朝鮮未来イニシアチブ(KFI)」が、脱北女性に関するレポート「性奴隷 中国国内の北朝鮮女性と少女の売春、サイバーセックス、強制結婚」(2019年)を発表した。
“中国に潜む脱北者20万人の大半は女性で、その約6割が人身売買の挙げ句、強制結婚や売春窟で性奴隷にされている々というものだ。
KFIは、2年間にわたって中国や韓国在住の被害者45人以上への聞き取り調査を開始。
その結果、脱北女性に関する人身売買で年間1億500万ドル(約116億円)以上もの闇取引が発覚したと報じている。
中には翻訳するのも憚られるような衝撃的な内容が含まれている。 

北朝鮮の楽園幻想の崩壊は、『凍土の共和国-北朝鮮幻滅紀行』(亜紀書房)が1984年に出版されてから徐々に日本にも漏れ伝わり始めていた。
2002年5月には中国遼寧省瀋陽市にある日本領事館に脱北者の家族が駆け込んだハンミちゃん事件も記憶に新しい。
1990年代後半は食糧飢饉で数百万人の餓死者が出ていた時期で、97年には脱北した安明哲氏による『北朝鮮絶望収容所』(ベストセラーズ)が出版されている。
安氏が目撃した強制収容所の地獄の実態が暴露され全世界に衝撃を与えた。 
この時点で、国連人権委員会などが調査団を派遣し、北の人権問題に真剣に取り組んでさえいれば、いくばくかは今日の脱北女性の悲劇の拡大は防げたかもしれない。
にもかかわらず、この問題が国際社会に注視されなかった最大の要因は、北の手先となって国際社会を巻き込みながら、あることないことでっちあげた慰安婦問題をプロパガンダしてきた日韓の人権活動家たちの存在であることは否めない。

反日活動家の罪 

彼らの功罪は後述するとして、なぜ今頃になってイギリス発でこのような動きがあるのか。
どうやらロンドンを舞台に、水面下で奇妙な韓国保守勢力VS北朝鮮の情報戦が展開されているようだ。
きっかけは2017年5月9日、韓国で従北派の文在寅氏が大統領に就任したことから始まる。
まず最初に2017年8月4日にウェブ上にKFIのロゴマークだけがアップされ、彼らが最初に脱北女性に関するレポートを発表したのは2018年3月。
レポートの発表までに約8ヵ月の歳月を要していることから、慌てて立ち上げた団体だと推定される。 
文政権発足により、欧州でもライダイハン問題など、韓国の恥部が拡散されることを恐れ、目くらましのために今頃になって脱北女性の悲劇を取り上げ始めた可能性も否めない。
というのも本当に脱北者救済の人権活動をしたいのなら、もっと早くから着手していたはずだから。 
現に日本では1998年から「北朝鮮難民救援基金」という団体があり、代表の加藤博氏は言葉の壁も乗り越えて、中国で身柄拘束された過去もありながら、現在も命がけで救済活動を続けている。 
加藤氏にKFIについて聞いてみた。
「この団体は、北の女性の人権問題を扱ってきた団体としての歴史は浅いと思います。調査報告自体がどこかのスポンサーの要請で引き受けた可能性もあり、もしかしたら言論戦の一部かもしれませんね」と首をかしげた。 
ともあれ、KFIのカウンターとして立ち上がったのが、「ライダイハンのための正義」ではなかろうか。
これはイギリスの市民活動家、ピーター・キャロル氏の呼びかけで2017年9月12日に設立された民問団体。
2019年6月10日には「ライダイハン像」がお披露目されている。
この団体には設立当初からジャック・ストロー元外相の姿も見える。 
ライダイハンといえば、ベトナム戦争に参戦した韓国軍が、現地でベトナム人女性を強姦・虐殺した事件で、強姦によって生まれて置き去りにされた混血児が数千~三万人とも言われている。
この問題を1999年に最初にスクープしたのは、韓国の左派系メデイア『ハンギョレ21』だった。
報道を受けて激昂した退役軍人がハンギョレ社を襲撃していることから、韓国では長年にわたってタブーだったことがわかる。 
ちなみに慰安婦像を韓国のみならず世界中に建てている従北派の挺対協は、このライダイハン問題に関わっている。
ある意味、反日のガス抜きとして挺対協を利用してきた韓国政府はブーメランをくらわされたわけだ。
従って、「ライダイハンのための正義」もなんらかの形で北が関与している可能性がなきにしもあらずだ。 
韓国でも近年、文政権の極端な左傾化に危機感を持つ保守派が軍や大学教授の中にも現れ始めている。
慰安婦問題や徴用工問題に関し、フェアな見解を述べているので日本にとっては喜ばしいことだが、だからといって日本は能天気にぬか喜びしている場合ではない。 
朝鮮半島の歴史を俯瞰してみれば、いつの時代も事大主義。
米中貿易戦争で中国が弱まり、国際社会において日本のプレゼンスが高まっているご時世が背景にあるということも忘れてはならない。 
その証拠に、日本が弱腰で、韓国のプロパガンダに対して無意味な謝罪と金をばら撒いていた時期は、慰安婦問題に関し、フェアな視点で情報発信してきた韓国の学者や知識人は数えるほどしかいない。
李朝時代から両班(支配階級)以外は人にあらずのお国柄で、大半の人は他者の悲劇は気に止めようともしないのだ。 
朝鮮半島事情はもとより、さらなる問題は日本国内の反日活動家たちだ。
その筆頭だったのが、元朝日新聞記者の故・松井やより氏。
バウラック(「戦争と女性への暴力」リサーチ・アクション・センターは松井氏が発足させた団体で、彼女は従軍慰安婦女性国際戦犯法廷(北朝鮮の工作員などが介在して開催されたトンデモ模擬裁判)も主催している。
東京の西早稲田で「女たちの戦争と平和資料館」を運営し、五百円の入館料を払って中に入ると、第二次世界大戦における戦犯として「天皇裕仁」などと陛下の顔写真が展示されている噴飯ものの施設。
紙幅の都合上、細かい説明は省くが、1992年にソウルで開催された第1回アジア連帯会議の慰安婦報報告を狡猾に利用し、丸2日かけて官邸にロビー活動をして河野談話を出させた張本人である。 
そんな松井氏を、元朝日新聞記者の本多勝一氏が評したものを紹介しよう。
晩年の松井氏は女性国際戦犯法廷を黙殺した日本のマスコミに対し深く絶望すると同時に、こんな発言までしていたのだ。
「たとえば拉致報道。『日本の国家は、いったい何千人の十三、四歳の女性を朝鮮から拉致して〈慰安婦〉にしたんですか』『そういうことを一切報道しない』」(『本多勝一 逝き去りし人々への想い』本多勝一/講談社 太字は筆者)。 
晩年といえば、松井氏が鬼籍に入ったのが2002年12月27日、同年年9月17日には金正日総書記が小泉純一郎首相に対して拉致問題が北の犯行だったと正式に認めている。
一方、日本軍が慰安婦を強制連行した証拠は、日韓両政府が膨大な資料を調査してもいまだに見つかっていない。
一体、松井氏は病床に伏しながら金正日の告白をどのような思いで聞いていたのだろうか。
ともあれ松井氏の見解は、慰安婦強制連行をでっちあげ、拉致問題と相対化させたかった北の思惑を見事に代弁しているように思えるのだが……。
この稿続く。


2023/6/26 in Osaka


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