mother1、2の比較:不安定と安定

2010-06-18 17:11:48 | ゲームよろず

とある休みの日に赤羽橋駅で降りて都会のエアポケットみたいな麻布台付近を歩いていたら、なぜか脳内でmother earthが流れ始めた…
なんて電波系な前振りは置いといて(笑)、ファミコンの名作motherについて以前に言及した時より実に4年以上が経過したが、それをきっかけにまた色々書きたくなったのでこ改めて感想などを述べたいと思う。


motherをいつ、またなぜ買ったのかはっきりとは覚えていない。ただ、登場人物に「~きし」という名前をつけていたので、小学三年の頃であることは確かだ(そういう名前の付け方が内輪ではやっていた)。なお、中古を購入したので最後(ホーリーローリーマウンテン)までいったデータが残されており、自分のセーブデータを進めつつそちらもたまにプレイしていた記憶がある(どーでもいいが、かつての持ち主はイブの工場に行く船を見つけられなくて行き詰ったらしい)。


さて、プレイした当時の印象を一言で表すと「薄気味悪い」だが、これは自宅にいる時に突然電気スタンドが襲いかかってきたり、その後も墓場に人探しに行ったり動物たちが凶暴化していたりと(ドラクエやFFと違って)言わば隣にある非日常が繰り返し描かれていたことに起因すると思われる(墓場の雰囲気と曲は敵の強さと相まって当時トラウマになりそうなくらい怖かった)。まあマジカントに行ったり新たな仲間ができたことでそれ以降は強く意識することはなかったのだけど、物語が尻切れトンボになったこともあり、そのような印象が最後まで消えることはなかった。


このような印象のあるmotherに対し、mother2(以下「2」と表記)は「かわいらしい、コミカル」というイメージが私の中では強い。これはプレイしたのが中学二年の時で、「学校であった怖い話」をやって怖いものへの耐性がついていただとか、ファミコンのドット絵と与える印象が違うといったこともあるだろうが、土星さんなどのかわいらしいキャラを出すなどそもそも製作者側がそういう方向性を狙っていたのが一番大きいだろう(もっとも、フォーサイドの裏の世界はそれなりに不気味だが)。また、自分のうちなる悪(~の悪魔)と戦う場面が象徴するように、ジュブナイルというかビルディングロマンの色合いが強くなってもいる。


両者の特徴を比較するとこんな感じだが、戦闘についても違いがある。motherは通常のRPGとそう大差ない(戦う・逃げる・呪文)が、2はHPにドラム缶方式を採用しており、即死系の攻撃でない限り徐々にHPが減る仕組みになっている(ダメージの大きさで減る速度が変わる)。プレイしたことがある人ならわかると思うが、motherの戦闘はかなりキツイ。特に最後のホーリーローリーマウンテンは亜空間に敵が強く、戦闘時の行動をミスれば即ゲームオーバーということも少なくない(ガーゴイルやグリズリーの恐ろしさ、ラストジェーンやスーパーロボの煩わしさは覚えている人も多いのではないだろうか。おかげであの宇宙人来襲っぽい戦闘のBGMはいまだに脳裏に焼きついて離れない)。そういう事情があってか、2ではシステム変更により戦闘はぐっと楽になった。


以上のように比較してみると、「不安定」なmotherに対し、2は「安定」している(あるいは「安全」)と言っていいだろう。さて、ここからは評価が大きく分かれるところだと思うが、それでもなお(それだからこそ?)私の評価はmotherの方が圧倒的に高い。確かに、2は安心して遊べる作品だろうが、それ以上のものはない。「あー、おもしろかった」と感想を述べはしても、それなりに楽しめた記憶がうっすらと残るだけである。それに比べてmotherは、なるほどギーグの正体やその狙いといった謎は全く説明されないし、イースターやテディの事はエンディングで見事に放置プレイになるんだけれども(笑)、むしろそういった不完全さが、姿を見せない父親(callingで主人公を導く)やマジカントの独特な雰囲気(色やクイーンマリーの事からして胎内の象徴だろう)と相まって、神秘的とでも言うべき不思議な雰囲気を醸し出しているように思われる。そしてそのような部分こそが、このゲームを何度でもやりたくなる最も大きな要因であるように思う。


戦闘に関しても、前述のように2の方が進めやすい。しかしmotherのあの緊張感こそむしろ得難いもののように思われる(このあたりは、生命力が回復するロマンシングサガ3より、ほぼ回復不可能なロマンシングサガ2の諸行無常システムの方を好むことも関係しているかもしれない。余談だが、主人公が「死んだ」にもかかわらずリセットするでもなく平気で世界が続いていくロマサガ2のシステムに当時は不思議な感覚がしたものだ)。まあもっとも、呪文(PSI)を使ったらMP(PP)が足りなくて寸手のところで(当時は思っていた)ギーグに敗れ、怒り狂ってファミコンに踵落しを食らわして大破させたこともあるのであまり大きなことは言えないのだが…w


まあそういうわけで、motherに没入することはあっても2にはありえない…というのが両者を比較した時の私の評価である。


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