小森めとの「ぶいすぽっ」移籍:移籍形態の新しさと難しさについて

2023-01-27 17:15:15 | Vtuber関連
 
 
 
774inc.グループの「ブイアパ」解散とそれにまつわるデマ、そして774inc.全体の再編について書いたのがほぼ二週間前のことである。で、ここにきてブイアパの中で最も登録者数の多い小森めとが774inc.を卒業してeスポーツをメインに活動しAPEXなどを中心とする「ぶいすぽっ」に移籍するということが発表された。
 
 
「ブイアパ」についてはそもそも個々のライバーの活動に任されていている要素が強く、それがグループシナジーの弱さとして解散にも繋がったものと思われる。そうしてソロ所属になった状況では774inc.に残留するメリットはさらに少なく、ゆえにこれまでの人脈と今後の拡大を期待しやすい環境に変える行動は、一般の転職で想像してみるまでもなく、必然的なものだったと言えるだろう(なお、774inc.の再編については「シュガーリリック」の龍ヶ崎リン・蛇宵ティアの対談からもかなり窺い知れることができ、機会があればまた別に書いてみたいところだ)。
 
 
で、ここまではまあ当然の流れと言えるわけだが、今回注目を集めているのが、小森めとが小森めととして過去の動画などもそのままに「ぶいすぽっ」へ移籍できたことだ。なるほど所属していた事務所が倒産した場合などは、企業との相談(というかこの場合は「温情」と表現した方が正しいか)からそのままの姿を個人勢として使い続けることが可能になるケースはある。また、個人勢→企業所属で個人の時の「ガワ」を引き継ぐ事例は星街すいせいや葛葉のようにいくつか事例が見られる(ただし、星街すいせいの場合はホロライブ加入を何度も断られ、結局は「イノナカミュージック」という別グループ所属からスタートしたように、そのガワや来歴が企業のコンセプトに合っているのかは当然見られるので、そうホイホイ行われるわけでもないようだが)。
 
 
ちなみにかつてホロライブに所属した桐生ココがその身を受け継ぐことができなかったのも、(これは企業→個人のケースだが)これに関連して思い出すところだ。結局桐生ココは専らksonとして活動することになり、それが彼女のVShojo加盟の理由ともなったようである。さらに言えば、その動きがすでにksonは個人勢になっていたにもかかわらず一種の「裏切り」のように捉えられて反発した人間もそれなりにいたことは知っているので(規模感がわからないので「炎上」という言葉は安易に使いたくないところ)、小森めとが移籍に対して大バッシングを受けるのではないかと懸念していたことは杞憂とは感じなかった(もちろん、小森めとは元がソロに近い活動形態であったことやグループ解散という流れがあり、その点ホロライブとVShojoはファンの反発によるコラボ中止がksonの在籍前から生じていたなど、両者には違う要素も様々ある点は注意を必要とする)。
 
 
とまあそういうわけで、小森めとが言うように、今回の移籍のあり方は空前の出来事だった(まあ私も事例を調べたわけじゃないんであくまで知っている範囲の話だが)。これは774inc.自身が再編を検討・実施中というのもあるだろうが、それにしても動画アーカイブまで残して移籍をOKしたのは、もちろんNGを出したら774inc.も評判を落としてlose-loseになった可能性を想定できるとはいえ、なかなかに懐の深い対応だったと感じる部分である(「あにまーれ」の癖が強いメンバーをここまで抱えてきたことからしても、ライバー個人に対しては寄り添っている事務所という感じがするので、あとはフェスの話などにも見られるように拡大の手腕よな・・・)。
 
 
というわけで以上。ちなみに今回の話から「陽キャ」・「陰キャ」といった(二項対立的)カテゴリーで考えるバカバカしさについても書こうと思っていたが、本筋からズレるのでまた機会を改めたい。

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