ブイアパ解散と774inc.再編についての感想

昨日774inc.というVtuber企業に属する「ブイアパ」(Vtuberアパートの略)の解散とそれにまつわるデマについて触れたが、ここではそもそもグループ運営が有効に機能しているのかについて書いてみたい。

 

ブイアパの解散について説明する動画で小森めと自身が言っているように、ブイアパというグループが存在することでシナジーがあるのか疑問な状態だった。ブイアパ自体にはゲーム系に強いライバーというコンセプトがあるわけだが、そのグループがあることでイベントやらがあるわけでは特になく、実質ソロ活動をしているような状態で、グループ内の「ゲームが得意な人たち」に「ブイアパ」というラベリングをして「キャラクターデザイン上である程度の共通コンセプトを持たせた」程度のものだったと言える(キャラクターデザインの共通性は774inc.内の他グループである初期「あにまーれ」や「ハニーストラップ」、「シュガーリリック」などを見ればよりわかりやすい)。

 

このような状況の中に、2022年はあにまーれの初期メンバー宗谷いちか、シュガーリリックの虎城アンナの二人がグループを抜けてソロでの774inc.所属となったタイミングなので、そもそも774inc.の運営自体がグループ再編を考えている中この決定がなされたと考えることができるだろう。

 

これは他企業で見てみると、そもそもグループ内グループを擁しているケースは少なく、例えば「ぶいすぽっ」、「あおぎり高校」、「ますかれーど」などには存在していない(大手では「のりプロゲーマーズ」くらいか？)。最大手企業の一角である「ホロライブ」の中には初期の頃に結成された「ホロライブゲーマーズ」というのが存在する程度だし(かつグループ独自で活動している感じでもない)、もう一つの「にじさんじ」には「にじさんじSeeds」や「にじさんじゲーマーズ」といったグループが存在していたが、早くも2019年にはにじさんじに統合されるという出来事が起こっている(さらに言えば、天開司などが属した「にじさんじネットワーク」というにじさんじ以外を含む緩い連携組織？のようなものもあったが、こちらも解散している)。

 

要するに、グループ内グループが存在する企業は少なく、あったとしても発展的解消をしてきたわけで、このような中でグループ内グループが存在することはある種774inc.の特色になってもいるが、他企業の成長を踏まえ、この仕組みを再検討している段階なのだろう。

 

ただし、いささか辛辣なコメントをすると、このような方針がどれだけ有機的に共有されているかはいささか疑問である。例えば龍ヶ崎リンや獅子王クリスの属するシュガリリはブイアパと同じくそもそもグループシナジーを追求せず、それぞれのやりたい事を極めることを方針としたグループである。ゆえにこそ虎城アンナはより自分の個性を活かす方法としてソロへの転身を選んだわけだが、その後に加盟した蛇宵ティアと狼森メイの二人を見ると、果たしてグループ内でのシュガリリの特徴をどのように捉えているのかが不透明だなと感じた(二人とも面白そうなキャラなので期待はしているが)。

 

例えば蛇宵ティアはいわゆる「お姉さん系」であるが、それであればハニストにも西園寺メアリがいる。また狼森メイは声質や話し方が同じくハニストの堰代ミコ(さらに言えば深層組の小城夜みるく)によく似ているため、正直どう差別化するつもりなんだろうかと疑問に思っている。もちろん、シュガリリは「ハニスト(≒アイドル)の皮を被ったあにまーれ(≒芸人枠)」とも言われるように、素が出てくるとかなりアバンギャルドなキャラを発揮する可能性はあり、例えば蛇宵ティアは西園寺メアリ系ではありながら、むしろ「セキララでいいよ」の近野いずみ的要素も強く感じるため、そういう方向性を開拓していくタレントとして起用したのかもしれない(ちなみに774inc.全体として、「下ネタ」はばんばんに出すが、「エロ」で引く要素は薄いという印象)。

 

というわけで、2022年から特に注目するようになった774inc.グループについて書いてみた。運営面についてはイベントのチケットが宣伝の稚拙さからか全然売れていない件をメンバーが配信で明かして販促を行うなど、正直手腕に疑問を感じる部分があり、また先の再編で述べたように試行錯誤の期間であろうとは思われるが、ポテンシャルのあるメンバーは多数いるので、今後の飛躍に期待していきたい。

 

ちなみに全メンバーの紹介として一つ動画を掲載しておく。