人間として生まれ育った悪魔の葛藤を歌ったよ。
アニメ「デビルマン」の主題歌ですけどね。
https://youtu.be/jkvnMeRI_z8
※
あるところに、おばばがいました。
おばばには息子がおりました。
息子には美しい嫁がおりました。
嫁を取って以来、息子は嫁とばかり過ごします。
おばばは嫁を妬みます。
憎い憎い。
おばばの心に魔が宿ります。
おばばは嫁を家から村からいびり出してやろうと企てます。
日が暮れた野良仕事の帰り途の嫁を待ち伏せして、
鬼の面を付けておどろかしてやります。
嫁は慌てて逃げて家へ急ぎます。
おばばは先回りして何食わぬ顔で嫁を迎えます。
そんなことを毎晩々々繰り返します。
ある日もまた、おばばは先回りして家に戻りました。
そして面を外そうとしたのですが、
なんと、取れない。取れない。取れない!
おばばの顔と鬼の面が一体化してしまったのです。
※
フェイスペイント用のアクリル絵の具を使って、
デビルマンの顔になった。
https://blog.goo.ne.jp/su-san43/e/ce2a43ab90842c60ece161b5fd5720e6
そして、トロンボーンを吹きながら「デビルマンの歌」を歌った。
歌い終わる頃には、トロンボーンのマウスピースの形に
絵の具が剥がれてしまった。
くっきり、丸。
おちょぼぐちみたいでなんか冴えないよ。
マウスピースを見ると、デビルマンの肌色の絵の具のかけらが
たくさん付いていた。
演奏の後半、とても吹き心地が悪かったのはこのせいだ。
※
とっととメイクを落として、ゆっくり休みたい。
アクリル絵の具をしっかり塗っているのが乾いて、
面の皮がひっつれる。
金管楽器というのは、気流によって唇を振動させて音を出す。
唇をしっかり固定して音を整える。
そのための筋肉は、顔面の表情を作る筋肉群である。
逆に、皮膚がひっつれている状態だと、筋肉が自由に動きにくい。
音のコントロールが、なんとなくやりにくい。
以前、「マグマ大使」を吹き語りした時には
付け鼻を紙粘土か何かで作って付けたのだが、
これはひどく吹きにくかった。
顔面筋の全体で楽器を吹いているのだということをあらためて感じたものだ。
※
顔を洗う前に、デビルヘッドを外さねば。紙で作ってあるからね。
ね。
ね。
お?
いててててて
デビルヘッドが顔にへばり付いて、離れない!!!
恐怖!
悪魔の祟りじゃ!
絵の具が乾ききる前にデビルヘッドをかぶったのだろう、
デビルヘッドを脱ごうとすると、顔面の皮膚が一緒に剥がれそうになる。
※
おばばが面を取ろうと四苦八苦しているところに、嫁が帰ってきた。
帰ると家にいつもの鬼がいるのだからびっくりだ。
そしてその鬼がおばばの声で今までの行状を明かすではないか。
ここで、寺に伝わる話では、嫁が教えてくれたお経を唱えると
面がぽろりと外れた、ということになっている。
その寺に、今も「肉付の面」が伝わっている。
だけどよ。
面がぽろりと外れたんなら、肉は面に付いてないんじゃないのか?
祟りを消すことはできず、無理矢理ひっぱがしたら婆ぁの顔面が
べろりと面にくっ付いてデロデロ、
という時こそ、「肉付の面」になるのではないか?
※
そんなふうに思う、私のデビルヘッドの内側には
デビルスキンのデビルカラーが付着している。
痛かったよ。
動画見てくれよ。
https://youtu.be/jkvnMeRI_z8
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