中国旅行記: スーの「あら!中国」

中国・蘇州を拠点に定年後を楽しむ男が、中国での日常生活や旅行で「あら」「おや」「へー」と感じたことを文章と写真で綴る。

流行る資格偽造の裏事情

2009-07-02 07:53:34 | 社会

  この写真の右端の人が赤っぽい名刺大のカードを道行く若者に強引に手渡そうとしています。蘇州で職業を紹介する人材センターの近くには、どこでもこのような人がたくさん待ち受けています。

  カードの表には会社名と電話番号、裏には出生証、戸籍、中学以上の卒業証明書、旅券などなんと60以上の証明書の種類が列挙され、「わが社は全国各地の有効な証明書を処理します」と書いてあります。本人に代わってしかるべき役所に申請するのではなく、偽造するのではないかと推測するのですが、確かめてはいません。また、警察が取り締まっている場面を見たことがありません。

  蘇州の飲食店で働いている若い女性の中には標準語を理解できない人がかなりいます。これについて、蘇州に長い日本人の友人は「戸籍が無く、小学校にも通わなかった人ではないか。就職のときに中学校の卒業証明なんかすぐつくれるから」と解説してくれたことがあります。そのほかにも同様の話を聞いたり、読んだり、よくしますから、偽証明書が横行しているのは確かなようです。

  ここからは想像です。戸籍が無く学校にも行けなかった人にとって、偽証明書は必需品でしょう。戸籍がない人は「黒子」と呼ばれ、一説に拠れば5000万人ぐらいいるそうです。もともと、「生めよ増やせよ」という政策の後に一人っ子政策がとられたことによる被害者です。証明書偽造を厳しく取り締まると、社会不安、暴動が起きかねません。だから、警察が本気で取り締まらない。

  人口政策の失敗は他にもいろいろ後遺症を残しています。

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