中国旅行記: スーの「あら!中国」

中国・蘇州を拠点に定年後を楽しむ男が、中国での日常生活や旅行で「あら」「おや」「へー」と感じたことを文章と写真で綴る。

化粧直しされた清末、民国初期の街

2009-07-31 07:25:17 | 蘇州の街

  蘇州旧市街地の北西角にある閶門の内側に西中市という準幹線道路があって、この周辺は清末、民国初期に建てられた住宅や商店がたくさん残っています。1年ほどかけて、蘇州市が一帯の道路、住宅の屋根や外壁を修理しました。写真は化粧直しが終わった西中市です。

  市が道路を整備するのは日本人の感覚でも分かります。しかし、個人の住宅や商店の外観を修復するのに税金を使うのはなぜか。多分、次のような事情だろうと思います。

  中国では住宅や店舗は政府や公営企業が支給していましたが、1990年ごろから土地の使用権(住宅用は期間70年以下)を売り出すようになり、その上に建てられたマンションなどは売買されるようになりました。しかし、古くからあった住宅については、建屋についても所有権は政府に残り、住民は使用権だけを譲られたのではないか。これなら、政府は大家さんとして修繕の義務を負います。反面、住民は勝手に建て替えができません。

  あるいは、建屋の所有権は住民にあっても、歴史的景観地域ということで権利行使に制限があり、見返りに市が外観に責任を持っているのかもしれません。

  いずれにせよ、住民が勝手に建て替えができるのなら、とっくの昔に高層ビル群に変わっていておかしくない地域です。不動産に対する公の権限が強いからこそ、伝統的な蘇州の雰囲気があちらこちらに残っているのだと思います。

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日本の政局と中国マスコミ

2009-07-30 08:16:35 | 日本関連

  「不満と不安の腕比べ」。これは日本の衆院選について解説した28日付人民網(人民日報のWEB版)の記事の見出しです。日本での評論を編集部がまとめた形を取っているので、この表現は日本でよく使われているのかもしれませんが、うまく表現したものだと感心しました。

  ポイントをつかんだ見出しがついた記事は内容も的確なことが多いのですが、この記事も自民党、民主党それぞれが抱える問題点や、各勢力の獲得議席数のいろいろな組み合わせによって起きる選挙後の政局を簡潔に分析しています。

  今回の選挙は自民党主導の日本政治に大きな変化が起きそうだというので、中国のテレビ、新聞が盛んにとりあげています。民主党が政権を握っても日本の対中国政策や外交に大きな変化はなさそうと見て、報道の仕方は冷静です。ただ、今しがた始まった中央電視台の30日朝7時のニュースで、民主党の鳩山代表が「政権を取ったらインド洋での給油を停止する」と表明したことを、現地発の解説付きで報じており、刻々と変化を追っているようです。

  私は蘇州に住んで2年近くになりますが、中国マスコミの日本経済や政治に対する分析が、事前に漠然と予想していたものよりかなり鋭いと感じています。この面でも発展しているのは確かです。

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常州(17終) 新交通システム(下)

2009-07-29 07:24:51 | 旅行

  このシステムだと、乗客は自然と乗車口の前に並ぶようになります(写真)。中国名物の押し合いが減りそう。もっとも、入口が開いた途端に列が乱れることもありました。

  1号線が開通して1年余り、中国各地から視察に来る人があとを絶たないといいます。手本なしに考えたとすれば大したものですね。

  今日は常州(15)から(17)を投稿しました。

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常州(16) 新交通システム(中)

2009-07-29 07:24:03 | 旅行

  新交通システムのバス停は鉄道の駅と同じです。駅で買った切符を自動改札機に入れてプラットホームに入ります(写真)。プラットホームは柵で仕切られており、乗車地点にはドアがついています。バスが到着すると、バスのドアが開いたあと、プラットホーム側のドアが開く仕組みです。バスのドアや床はこのシステムに合わせて、非常に低く造ってあります。

  バス停が広い道路の中央にありますから、交通量が多いところでは歩道橋や地下道がつけられ、エレベーターやエスカレーターもついています。次のバスが何時ごろ到着するかを示す電光表示板もあります。かなりコストがかかっていると思いますが、料金は一律1元(約14円)と普通のバスと変わりません。

  確かめていませんが、1号線と2号線を乗り換えるときも、新たに切符を買わなくてもいいようにしてあると思います。要するに、バスを使って地下鉄や普通の鉄道と同じようなシステムを作ったことになります。地下鉄を作るよりコストは随分安いはず。


常州(15) 新交通システム(上)

2009-07-29 07:22:15 | 旅行

  蘇州からの長距離バスが高速道路を下りて常州市内に入るとすぐ、大きな窓をもつ青色の車体の真新しいバスが2両連結で走っているのに出会いました。中央分離帯がある片側4車線(1車線は二輪用)の広い道路では、内側1車線がこのバス専用の車線になっており、バス停は中央分離帯を取り除いた後に鉄道駅のような形で設置されています(写真)。

  市のホームページによると、「BRT」と呼ぶ新交通システムで、1年余り前に1号線が全線開通し、最近2号線が開通したとありました。路線図を見ると8路線も書き込んであるのですが、これは数え方の問題のような気がします。

  というのは、都心の混雑するところや逆に交通量の少ないところでは専用車線がなく、普通の路線バスのバス停を兼用しています。1両だけの車も使っています。そこでBRTと普通の路線バスの区別の仕方によって路線の数も違ってくるのではないか。その程度に、新交通システムといっても従来のシステムとの混合型のようなのです。(続く)

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常州(14) 三つ目の橋

2009-07-28 08:39:43 | 旅行

  古い港を保存した地域の端に写真の橋が架かっていました。長崎で有名なめがね橋の真ん中にさらに大きな目玉を入れたような珍しい形をしています。橋の頂上はけっこう高く、低い建物が多かった昔ならあたり一面が見渡せたのではないでしょうか。

  今日は常州(12)から(14)を投稿しました。

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常州(12) 古い港の跡

2009-07-28 08:38:16 | 旅行

  北京と杭州を結ぶ京杭大運河が常州を通っています。今は郊外を通る流れに変更されましたが、昔は市の中心近くを流れており、清の乾隆帝が江南を巡視した際に上陸した港の跡が史跡として残っていました(写真)。

  伝統的な家屋を保存した通りが100数十メートルほど続いています。特産のくしを売る店がたくさんありました。運河を巡る観光船が係留されています。

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常州(11) 観音様の公園

2009-07-27 08:54:35 | 旅行

  宝塔のそばに、50体ほどの石彫りの観音様(写真)を林の中に配置した公園がありました。いろいろな名前の観音様がおられるのですね。古い寺の新しい試みとして、面白いと思いました。

  今日は常州(9)から(11)を出稿しました。

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常州(10) 13重?の塔

2009-07-27 08:54:02 | 旅行

  天寧禅寺の宝塔もとにかく大きい(写真)。屋根の数を数えたら14層あるようなのですが、下から1層目は他より広く、2層目は狭い構造で、この2層で一組のような感じなので、13重の塔ではないかと思います。仏教建築についての知識がないのでよく分かりませんが……。

  常州の都心にはいるとこの塔がすぐ眼に入ってきます。いまでもランドマークになっています。