中国旅行記: スーの「あら!中国」

中国・蘇州を拠点に定年後を楽しむ男が、中国での日常生活や旅行で「あら」「おや」「へー」と感じたことを文章と写真で綴る。

黄金色あざやかな南京市のイチョウ並木

2008-11-30 09:52:59 | 天候・季節

昨日、南京を訪れる機会があり、紅葉が美しいと評判の銀杏並木を撮ってきました。市中心部にある南京大学北側を東西に走る北京西路で、黄金色も鮮やかな銀杏並木が延々と続いています。歩道に落ちた葉も多く、冬の訪れを告げていました。

秋の蘇州・楓橋景区

2008-11-28 06:36:44 | 天候・季節
 左奥に見えるのが楓橋。中央は漢詩「楓橋夜泊」を詠んだ張継の像(実際はこのあたりに停泊した客船の中にいた)。対岸や橋の向こうにある楓(モミジ)が色づいていた。寒山寺の鐘楼はこの奥100メートル余りにある。

蘇州・寒山寺近く、楓橋の紅葉は?

2008-11-28 06:29:17 | 天候・季節

  月落烏啼霜満天 (月落ち 烏啼いて 霜天に満つ)
  江楓漁火対愁眠 (川辺の楓 漁火 愁いを含む眠りに対す)
  古蘇城外寒山寺 (蘇州城外の寒山寺)
  夜半鐘声到客船 (夜半の鐘音 客船に到る)

  日本人が最もよく知っている漢詩といわれる唐の詩人・張継の「楓橋夜泊」です。この楓橋付近は公園になっていて、カエデやイチョウ、ナンキンハゼなどがたくさん植えられているので、どのように紅葉しているのか見に行きました。

  残念ながら、ここの紅葉もそう鮮やかではありません(別掲の写真)。鹿児島とほぼ同じ緯度である蘇州の気候が紅葉に向かないのか、ホコリや排気ガスで汚れた空気のせいなのか。趣のある公園ではありますが……。

  

  


建設が進む蘇州地下鉄1号線

2008-11-27 07:45:48 | 交通事情

  蘇州で地下鉄1号線の建設が進められています。別掲の写真は人民路と干将路の交差点で進められている中核駅の建設現場です。全長26キロ近く、24駅で2011年の開通を目指しています。

  中国の大都市で地下鉄を建設する場合、市中心と鉄道駅を結ぶ線を1号線にするのが普通です。北京、上海、南京いずれもそうです。ところが、蘇州は市中心と東西の外資導入地域(新区と工業園区)を結ぶ線を1号線にしました。外資導入による経済発展の反映であるとともに、その路線をさらに推し進めようとする市政府の意図を感じます。

  蘇州は北京と上海を結ぶ新幹線、南京と上海を結ぶ新幹線も通ります。報道によれば、蘇州のどこかで両方とも工事が始まっているはずです。地下鉄1号線と新幹線2本が同時に工事中という、中国の建設ラッシュを象徴する動きです。

  世界的な不況に抗するため、中央政府は積極的に公共投資を進める方針を打ち出しましたが、その中心が鉄道建設です。蘇州で進んでいる3つの鉄道建設はさらに活気付きそうです。


蘇州の外資導入(下)

2008-11-26 07:37:39 | 経済

蘇州が外資導入に成功した理由はいろいろあります。よく言われるように、質がよくて低賃金の労働力と市場としての中国の魅力は外資進出の大きな背景でしょう。ただ、ここでは日本にとって参考になりそうな成功の鍵について書きたいと思います。<o:p></o:p>

それは、外資導入地域が日本各地にある工業団地のようなものではなく、東京都や<st1:MSNCTYST AddressList="27:大阪府大阪市;" Address="大阪市" w:st="on">大阪市</st1:MSNCTYST>の区と同じ行政区になっていることです。このことで、工場敷地の提供だけでなく、外資企業関係者の住まい、ショッピング、交通など生活基盤の整備を強力に進めています。つまり外資導入のための都市づくり、言葉を変えれば外資導入をテコにした都市づくりを進めてきたのです。<o:p></o:p>

その極端な例を2つ紹介します。新区にできた蘇州楽園(別掲の写真)という中国版ディズニーランドと工業園区にできた蘇州科技文化芸術中心(別掲の写真)です。蘇州楽園は岩山と池のある敷地に、ありとあらゆる遊具を備えており、シーズンには中国各地から泊りがけで観光客がやってきます。蘇州科技文化芸術中心は大小の舞台や劇場の集合で、中国きっての映画祭など大きなイベントも行われます。<o:p></o:p>

両方とも、新区や園区が出資した法人が建設、運営しています。娯楽や教養まで気配りした生活基盤を提供しているのです。<o:p></o:p>

さらに、新区、園区の住居地域は蘇州旧市街地から車なら数分から10数分の距離しか離れておらず、古都蘇州と同じ生活圏にあります。このことが海外からも、中国各地からも人材を集めるのに大きな力になっていると思えるのです。<o:p></o:p>

日本では経済力と文化力の結びつきが大事だという議論が強くなってきましたが、蘇州は外資導入の初めからそれを意識していた気がします。<o:p></o:p>


蘇州の外資導入(上)

2008-11-25 07:30:47 | 経済

このブログの9月30日の記事「蘇州の概況」で、蘇州市の一人当たり域内生産額が上海や北京よりかなり高いことを紹介しました。その原動力となったのが、中国の中でも最も成功しているといわれる外資導入です。経過と成功の理由に分けて簡単に説明したいと思います。<o:p></o:p>

外資導入の成果を如実に表すのが輸出入の推移です。1995年から2005年までの10年間に拡大蘇州市の年間輸出額は46億ドルから1406億ドルへ30.6倍に増え、年間輸入額は23億ドルから728億ドルへ31.7倍に増えました。<o:p></o:p>

拡大蘇州市の中で昆山市や呉江市なども台湾企業を中心とした外資導入に成功していますが、なんと言っても一番のてこになったのは中央政府が1992年に旧市街地西方に造った高技術新区(別掲の写真)と中央政府とシンガポール政府の合弁企業が1994年から旧市街地東方で推進した工業園区です。<o:p></o:p>

新区、園区ともに電子機器、通信機器、医療分野などいわゆる高度技術関連企業の進出が盛んです。園区には07年末で世界の500強企業のうち76社(グループ)が進出したといいます。<o:p></o:p>

専門家の間では「外資導入による中国の発展は限界が見えてきた。(蘇州の隣の)杭州のように、地場企業の発展が今後の中国経済をリードする」という見方が強くなっています。それも一面で当たっていると思います。確かに、蘇州に本社を持つ企業で外資に刺激されて発展したところは少ないようです。しかし、杭州など他地区の中国資本が蘇州に進出し、技術移転を受けて発展しています。<o:p></o:p>

蘇州市政府は進出企業を核に先端技術、創造的な生産、サービス業の充実といった方向に経済を誘導する政策を着実に実行しているように見えます。中国経済の縮図といってもいい蘇州経済はまだ発展途上だと思います。<o:p></o:p>

米国の金融危機に端を発した世界不況の影響はかなり強く受けるでしょう。蘇州に進出した外資の製品のほとんどが輸出されているからです。この危機をどのように乗り越えるのか、見守っていきたいと思っています。<o:p></o:p>

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