中国旅行記: スーの「あら!中国」

中国・蘇州を拠点に定年後を楽しむ男が、中国での日常生活や旅行で「あら」「おや」「へー」と感じたことを文章と写真で綴る。

九江の市街地に接する長江

2009-09-30 07:00:00 | 旅行

  長江のすぐ南に九江の中心市街地が開けています。蘇州、上海、南京ともに長江は市街地からかなり離れて流れていましたから、市街地に接して流れる長江というものに珍しい雰囲気を感じました。

  上流の方向がまっすぐに伸びているので水平線が見えるようでした(写真)。とにかく大きな河で、通っている船も大きくごつごつした貨物船がほとんどですから、軽妙な感じはありません。どんどん力を増す中国を象徴する風景です。

  今回は3本まとめて出稿しました。

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九江は雑然とした街

2009-09-30 06:58:48 | 旅行

  九江は市区人口約60万人(総人口約470万人)の大きな市ですが、漢詩の流れを変えた田園詩の開祖、陶淵明のふるさとというので、落ち着いた雰囲気の街並みを期待していたのですが、大はずれでした。

  街全体が非常にホコリっぽい。道路や歩道の舗装が悪くなってもそのまま。道路にゴミ箱がほとんどないので、焼き栗の皮や紙くずが道路脇に散乱。建物もちょっと中心を外れると、古いレンガ造りが大半です。一昔前か二昔前の中国の都市という感じで、経済発展した蘇州や上海とはかなり差があります。田園の面影はなくなり、都市としても中途半端です。

  写真は歩行者天国の中心商店街ですが、普通の道路を車進入禁止にしただけ(なぜか入っている車がありましたが)。上海の南京路、蘇州の観前街のように歩行者天国らしい舗装や街灯、植え込みなどの工夫を加えるところまで到っていません。

  車の数が結構多いのに、信号がほとんどついていません。そのため車の流れが途切れることが少なく、道路の横断が蘇州以上に危ないのには恐れ入りました。

 


厳しかった虹橋空港の検査

2009-09-30 06:54:07 | 旅行

  蘇州を離れて最初に向ったのは江西省の九江で、廬山観光が目的です。国慶節に絡む日程だったので列車の切符を取るのが難しく、上海虹橋空港から飛行機で移動しました。飛行時間はおよそ1時間15分。

  虹橋空港の安全検査が厳しいのにびっくりしました(写真)。ひとつのラインに係員が8人もついて、ズボンのベルトもはずさせる徹底振り。前に使ったときはそんなに厳しかった記憶がないので、国慶節の前だからでしょうか。

  九江の空港は廬山の西方にあります。乗客130人ほどの中型機でしたが、着陸してそのまま空港棟の出入り口前20メートルほどのところまで移動、タラップを降りたらすぐ通路で、親近感が沸きます。ただし、空軍との共用のようで、遠くにシートをかぶせた軍用機らしい飛行機が20機ほど並んでいました。

  空港棟の外に大型観光バスが止まっていて、飛行機から降りた客が次々に乗り込んでいきます。団体さんなのかと思っていたら、これが市内と結ぶ乗り合いバスでした。路線バスの停留所がないかと探しても見つからないので聞いてみると分かったのです。まごまごしているとやり過ごすところでした。旅ではとにかく聞いてみることが大事です。

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蘇州を離れる

2009-09-28 07:30:49 | 旅行

  私は今日の午後、蘇州を離れ、中国の南西部を30日から40日ほどかけて旅行した後、日本に帰る予定です。長距離の移動は主に夜行列車を使いますので、ブログの出稿が不定期になりますが、ホテルから送れるときは旅先の報告をしますので、またお読みください。

  さて、今日は蘇州撤収作業で感じたことを少し書いておきます。

  部屋の電気代は、私の場合は偶数月の12日から2週間ほどのうちに前月までの2か月分を直接電力会社に払う決まりでした。8月支払い分までは済ませたのですが、次の10月はもう蘇州にいません。そこで蘇州を離れる日に清算してほしいと頼んだら、「友達に払ってもらえ」でおしまい。管理人がどうするかと思っていたら、電力会社に料金を問い合わせて預かるのです。これもまた、いかにも中国らしいお役所仕事です。

  パソコンのモニターや電気炊飯器などを古道具屋に売りましたが、元の値段の10分の一以下でした。布団は買ってくれませんでした。

  部屋代の1か月分を敷金のような形でとられていました。これは部屋を返すときにそっくり返してくれそうです。部屋が特別に痛んだかどうかのチェックもしません。日本の場合は修理代の担保という性格もありますが、こちらは部屋代滞納の場合の保証という性格なのでしょうか。

  写真の奥正面に写っているのが私が部屋を借りていたマンションです。市の中心までバスで20分、ワンルームですが50平米強あり、部屋代は管理費を入れて約4万円でした。

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日本の剣道を支える竹刀工場

2009-09-27 08:34:24 | 経済

  蘇州に竹刀工場があると聞いて、蘇州竹園剣道倶楽部の楊会長に案内してもらいました。想像していたような小さな工場ではなく、従業員250人のれっきとした中堅企業。工程の70%を機械化しているとはいえ、手作りと同じよさを残す工夫が凝らされており、日本の剣道ひいては世界の剣道が中国人によって支えられていることを実感しました。

  工場は上海との中間の古鎮・甪直にあり、蘇州の中心から車で1時間以上かかりました。会社名は蘇州宏達竹剣有限公司。社長の林信宏さんは台湾人で、父が1966年に台湾で始めた竹刀作りを継ぎ、1992年に蘇州に進出しました。

  竹は今も台湾の山奥でとったものを使い、加工機械はすべて林さんが設計したといいます。品質検査に多くの人手を使って、製品になったものは不良品ゼロに近いと、林さんは胸を張っていました。職人気質を色濃く残した社長さんです。

  竹刀は日本で買うと、普通の稽古用で1本5000円から1万円しますが、ここでは5分の一から10分の一近い価格で出荷しているようです。「中国から世界に輸出している竹刀は年間550万本。その半分以上はこの工場の製品です」ということでした。

  写真はこの会社の応接間に飾られた各種の竹刀です。工場は撮影禁止でした。

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蘇州竹園剣道倶楽部

2009-09-26 06:16:24 | 日本関連

  この2年間、楽しい交わりをさせてもらった蘇州竹園剣道倶楽部のことを紹介します(写真はその稽古風景)。

  私は中学から剣道を始め、年をとってからも健康のために会社の剣道部で稽古を続けてきました。蘇州に道場はないだろうと思いつつ、インターネットで検索してみると、この倶楽部のホームページが見つかり、道場の近くで住む部屋を探した次第です。

  この倶楽部を運営している楊敢峰さんは39歳。中国武術の専門家で最高位の6段を持ち、大学の講師をしていたこともあります。剣道も学びたいと2001年に私費で日本に留学し、筑波大学大学院剣道教室で5年間、元世界チャンピオンの香田郡秀八段に教わりました。3段をとり、帰国後にマンション群の中にある体育館を借りて、剣道、太極拳、中国武術を教える道場を開いたのです。若くして自分で事業を始めてしまうところは、まさに中国の若者らしい。

  この倶楽部には日本人10人ほど、中国人40人ほどの会員がいます。日本人がよく来るのは日曜日ですが、中国人の初心者に教えてやってほしいと楊さんから頼まれ、火木土日と通うことになりました。おかげで中国人の若者たちと親しくなりましたし、このブログによく登場する台湾人の友人一家と家族のような付き合いをさせてもらったのも、この倶楽部での縁があったからです。日曜日の稽古の後に、日本人、中国人の有志が一緒に飲み食いする慣例が出来ましたが、これは異国での生活によるストレスを解消するのに非常に役立ったと思っています。

  中国で5年ほど前から剣道がかなり盛んになりました。上海では毎回100人ほどの人が日本人学校の体育館を借りて稽古をしているそうです。この8月末にブラジルで開かれた世界剣道大会に中国チームが初めて参加し、楊さんも代表になりました。蘇州竹園剣道倶楽部は経営的にはまだ苦しいようですが、中国を代表する倶楽部に育ってほしいと思っています。

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反日感情に気を使う日系企業

2009-09-25 07:23:37 | 経済

  昨日に続いて日系企業の駐在員の方たちから聞いた話で、労務管理以外の悩みをまとめてみます。一番は反日感情への配慮、次いで役所などとの付き合いが難しいようです。

  蘇州は中国の中で反日感情の弱い地域だと思いますし、ここ1年ほどは中央政府が日中友好ムードをかもしているので、具体的に問題が起きているわけではありません。しかし、駐在の方々の気の使いようはかなりのものです。

  例えば、公害規制、労働法規など法令に対して現地企業はいいかげんだけれど、日本企業はしっかり守る。もともと法令順守の考えが強い上に、もし違反で摘発されたときに反日感情に火がつくことを恐れる、と皆さん口をそろえておられました。

  1年ほど前に労働法が施行され、従業員の解雇条件が厳しくなったのですが、中国人を総務担当にしている日系企業では、従来と同じように簡単に首を切ろうとする総務担当と日本人駐在員の間でしばしば衝突が起きるそうです。

  次に役人や電力会社など準役所とのつきあいです。この国では役人が民間企業から飲食などの接待を受けたり、季節の挨拶など理由のつく贈り物を受け取るのは問題にされません。また、電力会社などは工事業者を指定することが多いようです。日本では汚職につながるこのような付き合いをどの程度まですればいいのか、悩みの種になっています。

  もうひとつ、日本の本社または親会社が中国の特殊事情を理解してくれないという悩みが大きいようです。これは経営を現地に任せないという大半の日本企業が持つ特性と裏腹です。

  中国にある日系企業の今後の最大の課題は、この現地に経営判断を任せることだと思います。単なる工場としてでなく、巨大な市場としての中国、しかも特殊な経営風土の中国で臨機応変に対応するには中国に精通した人材を登用し、判断を任せないとダメでしょう。

  写真は日系企業もたくさん進出している新区を獅山から写したものです。

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中国人労働者気質

2009-09-24 07:26:23 | マナー

  蘇州に住んで2年。駐在する日系企業の幹部の人たちに日本料理店などで話を聞く機会が何回かありました。その中から、中国人従業員の気質に関する部分をまとめてみます。

  ・中国人は職場の仲間や部下に仕事を教えない。教えると自分の職位が侵されると考えている。班長とかグループ長を対象に、部下に仕事を教えたら報奨金を出す制度を作ったが、だめだった。

  ・与えられた仕事にしか関心がない。だから、仕事や職場の改善提案を求めてもなかなか出てこない。

  ・いい改善提案を出した従業員に1000元(約14000円)を出したら、この従業員が仲間にいじめられてやめてしまった。出る杭を打つ傾向が強い。

  ・機械のメンテナンスが弱い。機械は動いていればいいという考えで、清掃や細かい補修を積み重ねて常にベストの状態にしておくという感覚が非常に弱い。

  ・中国は”演技の国”だ。本音を出さずに周りの状況に合わせて演技をする。

  このような話がどれほど実態を表しているか、あるいは地場企業でも同じなのか、分かりませんが、日本人幹部のほぼ一致した見方でした。

  写真は新区の人材資源市場(日本のハローワーク)に仕事を求めて列を作る中国人。入口は先を右に曲がったところです。

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運転マナーの悪さにびっくり

2009-09-23 06:27:57 | マナー

  友人たちは蘇州旅行を終えて帰国しましたが、蘇州での経験で非常にびっくりしたことのひとつが運転マナーの悪さだったようです。それに慣れてしまった私は余り書いていなかったことに気づき、ちょっとまとめてみることにしました。次のような運転マナーの悪さは蘇州に限ったことではありません。

  横断歩道は歩行者優先のルールがありますが、守る運転手はごくごく希です。青信号で歩道を渡っていても右折車が突っ込んできて、「どけ」とばかりにクラクションを鳴らします。

  車間距離が少し開いていると車が割り込みます。写真は私の部屋の下の片側4車線道路を横切って反対車線に出ようとする車で、流れが遮断されたところです。

  車の間を縫うように追い抜く車がよくあります。私が上海の中山公園から浦東空港まで乗ったタクシーは、周囲の車が時速100キロぐらいで走っているのに、次々と追い抜き、片側4車線の右端から左端へ、左端から右端へとジグザグに走りました。乗客の私は何回目を閉じたことか。

  友人たちと太湖への行き帰りに乗ったバスは乗用車のみならずバスまで追い越したり、割り込んだり、少し渋滞になると大きな音でクラクションを鳴らしたり……。日本のバスとの余りの違いに友人たちは驚いていました。

  右折、左折のウインカーを出さない車が多い。まして、車線を変えるときなどウインカーを出す車のほうが少ないぐらいです。細かいことをあげればまだまだありますが、これぐらいでやめておきます。

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下町商店街の臭い―臭豆腐

2009-09-22 07:08:28 | 蘇州の街

  中国、台湾、香港の下町商店街や観光地に行くと、一口で入るか入りきらないかぐらいの厚揚げ風のものを大きな鍋の油で揚げている屋台があり、強烈な臭いを撒き散らしているところによく出会います。臭豆腐です(写真)。

  蘇州も例外ではなく、観前街や山塘街、それに水郷の古鎮では、ところどころ鼻をつまんで歩きたくなるところに出ます。中国人の大好物なので、私も一度は食べてみようと思いながら、やり過ごしてきましたが、ちょうど友人たちが蘇州に来た機会に、4人一緒に食べてみることにしました。

  食べると、臭さはそれほどでもなく、おいしいとは思いませんでしたが、それなりに食べられました。長年の懸案が、友人たちが来てくれたおかげで、解けたといった感じです。

  ちなみに、この臭豆腐は、納豆菌と酪酸菌によって発酵させた漬け汁に豆腐を一晩ほど漬け込んだものといいます。豆腐は固めのさくさくした感じの物をよく使うようです。観前街では4個5元(約70円)でした。

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