中国旅行記: スーの「あら!中国」

中国・蘇州を拠点に定年後を楽しむ男が、中国での日常生活や旅行で「あら」「おや」「へー」と感じたことを文章と写真で綴る。

蘇州竹園剣道倶楽部

2009-09-26 06:16:24 | 日本関連

  この2年間、楽しい交わりをさせてもらった蘇州竹園剣道倶楽部のことを紹介します(写真はその稽古風景)。

  私は中学から剣道を始め、年をとってからも健康のために会社の剣道部で稽古を続けてきました。蘇州に道場はないだろうと思いつつ、インターネットで検索してみると、この倶楽部のホームページが見つかり、道場の近くで住む部屋を探した次第です。

  この倶楽部を運営している楊敢峰さんは39歳。中国武術の専門家で最高位の6段を持ち、大学の講師をしていたこともあります。剣道も学びたいと2001年に私費で日本に留学し、筑波大学大学院剣道教室で5年間、元世界チャンピオンの香田郡秀八段に教わりました。3段をとり、帰国後にマンション群の中にある体育館を借りて、剣道、太極拳、中国武術を教える道場を開いたのです。若くして自分で事業を始めてしまうところは、まさに中国の若者らしい。

  この倶楽部には日本人10人ほど、中国人40人ほどの会員がいます。日本人がよく来るのは日曜日ですが、中国人の初心者に教えてやってほしいと楊さんから頼まれ、火木土日と通うことになりました。おかげで中国人の若者たちと親しくなりましたし、このブログによく登場する台湾人の友人一家と家族のような付き合いをさせてもらったのも、この倶楽部での縁があったからです。日曜日の稽古の後に、日本人、中国人の有志が一緒に飲み食いする慣例が出来ましたが、これは異国での生活によるストレスを解消するのに非常に役立ったと思っています。

  中国で5年ほど前から剣道がかなり盛んになりました。上海では毎回100人ほどの人が日本人学校の体育館を借りて稽古をしているそうです。この8月末にブラジルで開かれた世界剣道大会に中国チームが初めて参加し、楊さんも代表になりました。蘇州竹園剣道倶楽部は経営的にはまだ苦しいようですが、中国を代表する倶楽部に育ってほしいと思っています。

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日本のレストランチェーンも進出

2009-09-07 07:37:13 | 日本関連

  蘇州市の東の外資導入地域にしばらく前にできた日系百貨店のなかには日本のレストランチェーンが数軒進出していて(写真)、蘇州に住む日本人の間で話題になっています。

  蘇州には随分前から日本料理店がたくさんあります。多くは日本で修行してきた中国人の料理人が作っていますが、日本人の板前さんが包丁を振るう本格的な料亭もあります。しかし、日本で広くチェーン展開している店の進出は今回が初めてのようです。

  日本で食べたあの味を蘇州でも食べられる、というのが日本料理店とは一味違う郷愁を誘うのでしょうか。

  ちなみに、写真の店のカツカレーは35元(約490円)でした。一般の中国人にとってはちょっと高いですね。

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蘇州に倭寇に備えた出城が3つも

2009-08-16 07:36:56 | 日本関連

  蘇州の歴史について書いた文章を読んでいて、蘇州には倭寇に備えた出城(砦)のようなものが3つもあったことを知りました。蘇州は上海の海から100キロほど内陸に入ります。こんな奥まで倭寇が侵略していたとは驚きですが、一方で昔から蘇州が日本と水路で直接つながっていたと思うと、この都市と日本のつながりの強さも感じます。

  3つの出城の位置は蘇州古城の南東角にあった葑門の外、古城の北西から外に数キロ離れた寒山寺近くと、古城から西に20キロほど離れた木読という古鎮だったと記されています。写真は唯一残っている出城で、寒山寺近くにある「鉄鈴関」です。

  鉄鈴関は京杭大運河の古い流れの岸に建っていて、有名な楓橋につながっています(写真の右奥にある、多くの観光客が渡っている橋)。日本から黄海を渡ってきたかなり大きな船が長江をさかのぼり、大運河を通ってここまで直接入り込んだ航路は十分想像できます。

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酒井法子逮捕が中国で大ニュースに(下)

2009-08-10 07:15:11 | 日本関連

  この写真は9日付の蘇州の地元紙です。右半分が1面で、右端に酒井法子逮捕のニュースのインデックスが載せられています。左半分は裏面の文芸欄で、このニュースがトップです。

  酒井法子の弟が山口組系暴力団の組員で興奮剤取締法違反で逮捕、起訴されたこと、夫の愛人との間の複雑な三角関係、さらに最近の日本の芸能人で麻薬関係で事件になった例を列挙するという手厚い構成で、中国で人気の日本女優の逮捕を題材にして日本の裏面を描き出す記事になっています。

  今回の内容は日本人にとって好ましくありませんが、日本に対する関心が強いことはいい面もあるように思います。

  今日は酒井法子逮捕(上)(下)を出稿しました。

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酒井法子逮捕が中国で大ニュースに(上)

2009-08-10 07:14:09 | 日本関連

  酒井法子逮捕が昨日の中国のテレビ、新聞で大ニュースになりました。これほど大きく扱われることに驚きました。私の想像以上に中国の人たちが日本の芸能界や社会に関心があるという事なのでしょうか。

  まずはテレビから(写真)。中央電視台の朝7時の総合ニュースで、紹介の順番は中ごろでしたが、3,4分使ったように思いました。東京特派員の報告、酒井法子の生い立ち、出演した映画、ドラマの紹介、さらに麻薬防止運動のキャンペーンに一役買ったことも紹介されました。

  酒井法子はしばらく前に台湾や中国で非常に人気があった女優ですが、いまでは「中国で人気の日本女優トップ10」に入らないようです。それでもこの扱いですから、関心の高さがうかがわれます。

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医療費の高さを実感

2009-08-08 07:24:43 | 日本関連

  一昨日の昼過ぎから昨日夕方まで、熱が出て、体のあちらこちらが痛み、ダウンしておりました。普通なら薬局の薬で済ますところですが、新型インフルエンザの心配もあるので、1年余り前に近くにできた日本人向け診療所に行きました。海外で初めての受診だったので、記録しておきます。

  海外にいて病気になると、言葉が通じる病院でないと不安です。この診療所は日本人医師のほうが中国人医師より多く、看護婦や事務員も日本語で対応できるというので、料金は高いといううわさでしたが、ここを選びました。

  対応は非常に丁寧でした。血液検査やインフルエンザの検査の結果が15分ほどで出ました。インフルエンザにはかかっておらず、「ある種の感冒」という見立てで終り、抗生物質と消炎剤を処方してもらいました。料金は1175元(約17000円)。日本で保険がないときの医療費はこんなものではないかと思い、改めて医療費の高さを感じた次第です。日本に帰って保険料を請求できるよう、書類を書いてもらいました。

  写真はこの診療所の入口前。海外から帰ったばかりの人や37度5分以上の熱がある人は入口前で体温を測り、手を消毒し、ベルで連絡するよう指示してありました。

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日本の政局と中国マスコミ

2009-07-30 08:16:35 | 日本関連

  「不満と不安の腕比べ」。これは日本の衆院選について解説した28日付人民網(人民日報のWEB版)の記事の見出しです。日本での評論を編集部がまとめた形を取っているので、この表現は日本でよく使われているのかもしれませんが、うまく表現したものだと感心しました。

  ポイントをつかんだ見出しがついた記事は内容も的確なことが多いのですが、この記事も自民党、民主党それぞれが抱える問題点や、各勢力の獲得議席数のいろいろな組み合わせによって起きる選挙後の政局を簡潔に分析しています。

  今回の選挙は自民党主導の日本政治に大きな変化が起きそうだというので、中国のテレビ、新聞が盛んにとりあげています。民主党が政権を握っても日本の対中国政策や外交に大きな変化はなさそうと見て、報道の仕方は冷静です。ただ、今しがた始まった中央電視台の30日朝7時のニュースで、民主党の鳩山代表が「政権を取ったらインド洋での給油を停止する」と表明したことを、現地発の解説付きで報じており、刻々と変化を追っているようです。

  私は蘇州に住んで2年近くになりますが、中国マスコミの日本経済や政治に対する分析が、事前に漠然と予想していたものよりかなり鋭いと感じています。この面でも発展しているのは確かです。

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外国旅行する中国人はこんなに多い

2009-07-04 06:53:00 | 日本関連

  日本政府が7月1日から中国人に個人観光ビザの発給を始めました。ただし、今年は北京、上海、広州に住む年収25万元以上の人に限定し、徐々に対象を広げる予定です(1元は約15円)。そこで、人民日報の日本語Web版でも関連記事が載ったのですが、その中に「今年1月から4月までに中国大陸を訪れた外国人観光客は延べ673万9000人=前年同月比22%減、外国観光に出た中国人は延べ1587万5000人=5%増」という数字があるのに、驚きました。

  「中国人で外国旅行できる豊かな人はまだ一部分」「中国には世界的な観光スポットが多いので、訪れる外国人観光客は多い」というのが私の先入観で、上の数字は逆ではないかと疑ったほどです。そこで公安部の出入国管理統計で08年の数字を調べてみましたが、やはり符合します。ただし、中国人の観光先に香港、マカオ、台湾も含まれているのかどうかは分かりませんでした(上記の外国人観光客の中に香港、マカオ、台湾の人は含まれていません)。

  いずれにせよ、日本の観光地にとってはこんなすごいお客さんが近くにいるのですから、個人観光ビザの発給も遅きに失した感があるぐらいです。今回の発給についても、「まだ条件が厳しすぎる」「旅行社を通じたプランしか許可されず、自由ではない」といった不満が多いといいます。

  難しい問題もあるでしょうが、人が行き来することが長い目で見れば一番の友好促進ですから、関係者には工夫していただきたいですね。

  写真は蘇州観前街にある旅行社密集地です。蘇州はまだ個人ビザの対象ではありませんが、6日間の団体日本旅行で5000元から5500元が相場だといいます。

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蘇州の書店に30人を越す日本人作家の翻訳書

2009-03-25 06:17:14 | 日本関連

  昨日紹介した蘇州・観前街の新華書店でどのような日本人作家の本が売られているのか、調べてみました。平積みされているのが村上春樹と渡辺淳一のそれぞれ数編、日本人作家の翻訳書を集めた棚にあったのが30人(上記二人を含めると32人)の作家の本。一人で数編ある作家もいます。

  写真はその棚ですが、2列分のほとんどが日本人作家の本で占められていました。手前の列の上から二段半ほど、白の表紙に赤い帯がついた本が占めていますが、これは昨日も紹介した山岡荘八の「徳川家康」です(翻訳本で13部)。

  私は小説を余り読まないので、名前を知らない作家がかなりいます。中国の、蘇州でこんなにたくさんの日本人作家の本が読まれているのが、意外であり、またうれしいことでもありました。以下、見つけた日本人作家の名前だけを並べます(あいうえお順。敬称略)。皆さんは全部ご存知ですか?

  石黒謙吾、泉鏡花、市川拓司、伊藤たかみ、岩井俊二、江上剛、江國香織、大江健三郎、片山恭一、角野栄子、川端康成、小池真理子、小泉八雲、小林多喜二、陳舜臣、野沢尚、橋田寿賀子、畠中恵、東野圭吾、真山仁、三浦しおん、三島由紀夫、水野良、宮部みゆき、宮本輝、村上春樹、村上龍、山岡荘八、山崎豊子、よしもとばなな、柳美里、渡辺淳一  以上

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不況の中国で読まれる徳川家康、松下幸之助(下)

2009-03-24 08:44:35 | 日本関連

  新華書店には松下幸之助の経営哲学を紹介する本も、目立つスタンド式の書棚に置いてありました(写真)。1,2ヶ月前に来たときは、松下幸之助について書いたかなり分厚い単行本2,3編が平積みされていましたが、今はそれがなくなっており、家康人気に押され気味なようです。

  2月末に日本に帰った時、大阪の大きな書店で松下幸之助の本が特別セールされていたので、不況になると「経営の神様」を頼る人が増えるのだな、と思ったことがあります。しかし、徳川家康が不況で売れているという話は聞きませんでした。今の日本ではどうなのでしょう?

  中国人にとっては松下幸之助の経営哲学より、徳川家康の忍耐と謀略の方が好みなのかもしれませんね。

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