中国旅行記: スーの「あら!中国」

中国・蘇州を拠点に定年後を楽しむ男が、中国での日常生活や旅行で「あら」「おや」「へー」と感じたことを文章と写真で綴る。

中国人労働者気質

2009-09-24 07:26:23 | マナー

  蘇州に住んで2年。駐在する日系企業の幹部の人たちに日本料理店などで話を聞く機会が何回かありました。その中から、中国人従業員の気質に関する部分をまとめてみます。

  ・中国人は職場の仲間や部下に仕事を教えない。教えると自分の職位が侵されると考えている。班長とかグループ長を対象に、部下に仕事を教えたら報奨金を出す制度を作ったが、だめだった。

  ・与えられた仕事にしか関心がない。だから、仕事や職場の改善提案を求めてもなかなか出てこない。

  ・いい改善提案を出した従業員に1000元(約14000円)を出したら、この従業員が仲間にいじめられてやめてしまった。出る杭を打つ傾向が強い。

  ・機械のメンテナンスが弱い。機械は動いていればいいという考えで、清掃や細かい補修を積み重ねて常にベストの状態にしておくという感覚が非常に弱い。

  ・中国は”演技の国”だ。本音を出さずに周りの状況に合わせて演技をする。

  このような話がどれほど実態を表しているか、あるいは地場企業でも同じなのか、分かりませんが、日本人幹部のほぼ一致した見方でした。

  写真は新区の人材資源市場(日本のハローワーク)に仕事を求めて列を作る中国人。入口は先を右に曲がったところです。

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運転マナーの悪さにびっくり

2009-09-23 06:27:57 | マナー

  友人たちは蘇州旅行を終えて帰国しましたが、蘇州での経験で非常にびっくりしたことのひとつが運転マナーの悪さだったようです。それに慣れてしまった私は余り書いていなかったことに気づき、ちょっとまとめてみることにしました。次のような運転マナーの悪さは蘇州に限ったことではありません。

  横断歩道は歩行者優先のルールがありますが、守る運転手はごくごく希です。青信号で歩道を渡っていても右折車が突っ込んできて、「どけ」とばかりにクラクションを鳴らします。

  車間距離が少し開いていると車が割り込みます。写真は私の部屋の下の片側4車線道路を横切って反対車線に出ようとする車で、流れが遮断されたところです。

  車の間を縫うように追い抜く車がよくあります。私が上海の中山公園から浦東空港まで乗ったタクシーは、周囲の車が時速100キロぐらいで走っているのに、次々と追い抜き、片側4車線の右端から左端へ、左端から右端へとジグザグに走りました。乗客の私は何回目を閉じたことか。

  友人たちと太湖への行き帰りに乗ったバスは乗用車のみならずバスまで追い越したり、割り込んだり、少し渋滞になると大きな音でクラクションを鳴らしたり……。日本のバスとの余りの違いに友人たちは驚いていました。

  右折、左折のウインカーを出さない車が多い。まして、車線を変えるときなどウインカーを出す車のほうが少ないぐらいです。細かいことをあげればまだまだありますが、これぐらいでやめておきます。

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謝らない中国人

2009-09-10 06:57:49 | マナー

  1週間ほど前に外資系スーパーで買ったラッキョの甘酢漬けを食べようとして、何か茶色いものが入っているのに気づきました(写真の左端近く)。葉っぱかなと思ってよく見ると、何と小さなガのような虫ではありませんか。そこで、買い物がてら返品したときの顛末ですが――

  返品やカード登録を受け付けるカウンターがあって、若い女性店員が二人いました。一人に商品を見せて説明すると、「什麼東西呀(シェマトンシーヤ)」と大きな声をあげて、もう一人の女性に引き継ぎました。「なんだ、これは」といった意味でしょうか。

  別の女性は無言で商品を調べ、レシートを見せるように要求し、書類を書いて、私に名前と電話番号を書くよう求めたあと、4元4角(約60円)のコインを机の上に並べながら、こちらの顔は見ないで、小さな声で「不好意思(プハオイース)」と言って、商品を奥の棚にもって行きました。

  「不好意思」は直訳すると「いい気持ちではない」で、普通「きまりが悪い」と訳されます。謝るときは「対不起(トィプチー)」ですから、この女店員は「悪いのはこのラッキョをつくった会社で、スーパーは悪くない」と思っていたか、「製造元もスーパーも悪いけれど、私は悪くない」と思っていたのでしょう。

  一般的に言って、中国人はなかなか謝りません。責任を素直に認めない時も多く、この感覚が強いうちは企業の発展に限界があると、私は思っています。

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期限を明示しない工事のお知らせ

2009-08-02 07:13:53 | マナー

  写真は蘇州旧市街地南部にある人気の高いワンタンと小篭包の店先にあった看板です。3回ほど入ったことがあって、近くに来たついでにまた食べてみようと思ったのですが、内部を改装中でした。それでこの看板ですが、何時から工事中で、別の系列店に行ってほしいという案内が書いてあるだけで、肝心の何時再開するかについては全く触れていません。

  中国のほかの都市でも同じだと思いますが、建物や道路の工事中にお断りの看板を出しているところがほとんどありません。この店は、客を別の系列店へ誘導することが目的だったとしても、ましなほうです。さらに、看板を出していても、工事終了や店再開の予定期日を明示したものはまずないといっていいでしょう。

  工事業者が工期のめどを示さないのか、と思いましたが、あるビルの大改装現場で工事関係者用出入口の内側に、工事責任者の名前などと一緒に工期を示した看板があるのを見ました。ただし、一般の人の目に触れにくい場所です。

  これと関連する話を、中国人の友人から聞きました。「中国人は1週間を超える約束はまずしない。特に役人は、先の長い約束をしても、別の約束が入ってくると簡単に変更する」というのです。

  「約束」に対する感覚の違いがあるように思います。

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各戸配布された”文明教本”

2009-07-15 06:03:37 | マナー

  昨日、私の部屋に写真の冊子が配られていました。表題は「国慶節を迎えるに当たり、文明を重んじて、新しい風潮を樹立し、愛される蘇州人になろう」といった意味になります。発行元は蘇州市文明辦とあります。市政府の外郭団体でしょう。

  A4版30ページにわたって市民が守るべきルール、マナー、道徳を列挙しています。目録は、生活礼儀、社交礼儀、公共場所礼儀、旅行時礼儀、交通文明礼儀、その他文明礼儀の6編からなっています。ここでいう「文明」とはルールなどを守ることと解釈しておけばいい様です。

  生活礼儀のなかは個人容貌、態度、服装、言語に分かれ、容貌の項目では「男性の髪型は目を覆わず、耳にかぶさらず、刈り上げすぎない」「男性は毎日ひげを剃る」「表情は温和で口元に笑みを絶やさず」「手は清潔に」と細かく記述されています。この調子で30ページ近く続くわけです。これらの項目について、今どの程度守っているかというアンケートも入っています。

  日本だと「政府が、おせっかいな」「行動、表現の自由の制限だ」「税金の無駄使い」といった反対が沸き起こりそうですね。中国では去年の北京オリンピック以来、この”文明化運動”が国を挙げて続けられています。これをどう見るかは難しいところですが、国民がルールを守る習慣がつけば、尊敬されるだけでなく、社会的な損失が少なくなるし、経済効率が上がるという実利があるのも確かです。

  ただ、こんなに列挙しては「空念仏」になりそう。私に言わせてもらえるなら、「交差点や横断歩道で歩行者を優先せよ」に絞り、実地指導を展開してもらいたい。

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どこでも横断

2009-06-25 07:21:10 | マナー

  私としては珍しく朝早い7時半ごろにバスに乗ろうとして目にした光景です(写真)。バスから降りた人たちがバスの前を横切り、片側2車線(さらに二輪車道あり)の準幹線道路を渡っていきました。次々に到着するバスの乗客も同じ。写真の向こう側右方向100メートルあたりを奥に入ったところに、日本のハローワークに当たる大きな人材センターがあり、そこへ職を求めていく人たちだと思います。この時間帯は、いい順番をとるために急いでいるのでしょう。

  左方向5,60メートルのところに交差点があり、信号がついていますが、遠回りになるので敬遠するのでしょう。さらに、右20メートルほどのバス停が切れたあたりに横断報道があるのですが、ここを渡る人も皆無です。日本と同じように横断歩道を示す白線が引いてあります。が、信号がないので、ドライバーは全く無視して突っ込んできます。横断報道があってもなくても同じです。バスから降りた人にとっては、バスが停まっているうちに少なくとも1車線分を稼げるわけですから、20メートルほど歩いてから渡るチャンスをうかがうのは要領が悪いことになります。

  走る車の間を縫うようにして渡っていく人たちに何の躊躇もありません。これが中国では当たり前なのです。ホント。

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商品陳列台で将棋

2009-03-22 06:59:40 | マナー

  「この若い店員は何を売っていいるのだろう」と覗き込むと、将棋の次の一手を一生懸命考えているところでした(写真)。饅頭(蒸しパン)や小篭包などの軽食を売る店で、通りかかったのが午前9時ごろでしたから、朝食を買う客が一段落して、暇になっていたようです。

  ここは昨日紹介した宝帯橋近くの住宅地域で、都心から少し離れます。都心部でも裏通りの従来型の店になると、店主や店員がトランプ、マージャンに興じていることがよくあるので、このような郊外では日常のことなのでしょう。ただ、商品の陳列台に将棋盤を載せて打つのは、日本人の感覚からすると、大胆というか、何というか。

  このような店員のマナーの悪さを、知り合いの中国人がどう感じているのか、何人かに聞いてみたことがあります。だいたいは「悪いことは悪いけれど、よくあることで、なかなか直らないな」といった受け取り方。余り怒ってはいないですね。

  午前11時ごろ、宝帯橋からの帰りにまた通りかかった時、この3人は店の前に机を出し、トランプに興じていました。

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サービス精神が乏しい中国企業

2009-02-02 11:35:18 | マナー

  常熟の報告の続きを昨日書くと予告しておきながら、失礼しました。実は、料金切れでインターネットへの接続回線が不通になってしまったのです。私がうかつだったというよりも、通信会社の身勝手さが原因だと思うので、その経過を書きとめておきます。

  前回、更新したのは去年8月8日で半年の契約でした。領収書にはこの日付と360元という金額だけが書き込まれています(1元は約13円)。それで私は2月7日まで有効だと思い込み、春節の大型連休明けの2日に更新するつもりでいました。ところが、事前の通告もなく1日に不通になってしまったのです。

  1日は日曜日でしたが、春節の連休の振り替えで、公的には労働日になっていました。それで、歩いて10分余りの通信会社支店まで出かけたのですが、扉が閉まっています。表を見回して、何日まで休む、という張り紙もないなと思いながら帰り、今朝出直してみると、まだ閉まっています。これは変だと、念入りに見回すと、「合併したので、この店は12月末で閉鎖する。客は濱河路1300番の合併先の支店に行ってほしい」という趣旨のA4版の小さな張り紙が見つかりました。地図を添えてないので、濱河路沿いのビルの門にある地番を示す看板を見ながら、その支店を探し当てました。

  中国では、この程度の不親切さは不通のことです。

 


たいへん羨ましい?仕事

2008-10-18 08:16:25 | マナー
  世界遺産の庭園の一つ、獅子林に寄ってみたときのこと。2階建ての大きな建物の2階が茶館になっている。独特のすかし模様が入った窓から太湖石やいろいろな樹木が見え、天上には大きな扇風機が回っている。卓と椅子、石の置物、飾ってある茶器など調度品も世界遺産の庭園にふさわしい立派な物に見えた。

  正午前の45分間ほどいたが、この間に客は若いカップルと欧米人らしき中年の夫婦だけだった。中年の夫婦が茶館を管理していて、20歳前後と思える息子、それに夫婦の友人らしい男性の4人が四角の卓を囲み、茶を飲みながら話し込んでいる。正午前になると、パックに詰めた鶏肉や野菜の料理が卓に広げられ、食事が始まった。まるで、この家族が世界遺産の庭園を自分の家のように生活している風だ。

  中国では店員が店先で食事をすることは今でも普通。仕事場で食事や家族団欒をすることが何時まで許されるのか分からないが、許される限り、この獅子林の茶館管理人は世界でも数少ない良い仕事の一つだろう。客にとっては少し目障りではあるが……。