蘇州に竹刀工場があると聞いて、蘇州竹園剣道倶楽部の楊会長に案内してもらいました。想像していたような小さな工場ではなく、従業員250人のれっきとした中堅企業。工程の70%を機械化しているとはいえ、手作りと同じよさを残す工夫が凝らされており、日本の剣道ひいては世界の剣道が中国人によって支えられていることを実感しました。
工場は上海との中間の古鎮・甪直にあり、蘇州の中心から車で1時間以上かかりました。会社名は蘇州宏達竹剣有限公司。社長の林信宏さんは台湾人で、父が1966年に台湾で始めた竹刀作りを継ぎ、1992年に蘇州に進出しました。
竹は今も台湾の山奥でとったものを使い、加工機械はすべて林さんが設計したといいます。品質検査に多くの人手を使って、製品になったものは不良品ゼロに近いと、林さんは胸を張っていました。職人気質を色濃く残した社長さんです。
竹刀は日本で買うと、普通の稽古用で1本5000円から1万円しますが、ここでは5分の一から10分の一近い価格で出荷しているようです。「中国から世界に輸出している竹刀は年間550万本。その半分以上はこの工場の製品です」ということでした。
写真はこの会社の応接間に飾られた各種の竹刀です。工場は撮影禁止でした。
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