中国旅行記: スーの「あら!中国」

中国・蘇州を拠点に定年後を楽しむ男が、中国での日常生活や旅行で「あら」「おや」「へー」と感じたことを文章と写真で綴る。

活躍の場より出身地

2009-09-16 08:14:06 | 社会

  台湾関係のニュースと解説を専門的に伝える「海峡両岸」というテレビ番組があります。そこで昨日、山東省濱州市で第1回海峡両岸孫子文化研究会が開かれた、というニュースが流れました(写真)。孫武(孫子)が活躍したのは蘇州ですが、蘇州では影が薄く、出身地の山東省で盛んにとりあげられています。

  孫武は2500年ほど前、斉(今の山東省)の王族につながる家に生まれたが、内乱を避けて呉(今の蘇州あたり)に逃れ、太湖近くの山中で兵法を書いて認められ、呉王の軍師として越(今の紹興、杭州あたり)との戦いで功績を挙げた人です。

  ですから、蘇州でもっと顕彰されてもいいと思うのですが、兵法を書いた山が観光スポットになっているものの、周囲の道路にのぼりが立っているだけで、広く宣伝するわけでもありません。私が部屋を借りているマンションの近くに孫子の業績を書いた石碑のある小さな公園があったのですが、剣道仲間の中国人もほとんど知らず、1年ほど前に地下鉄工事のために壊されたときも話題にすらなりませんでした。

  一方、全国の天気予報で州市の予報になると、背景に孫武の大きな石像が出てきますし、市政府が率先して観光や文化活動に孫武を引き出しているようです。

  実は州市の隣の東営市も孫武のふるさとを主張していて、ここでもいろいろな活動が繰り広げられていると聞きます(孫武の故郷が正確に分からないほど、事実上は故郷とのつながりが薄いわけです)。

  一般的に、中国では偉人、英雄の顕彰活動は活躍した土地より出身地で行われることが多いようです。日本でも出身地は意識されますが、中国の出身地重視は日本と比べ物にならないほど強いと思います。どうしてそうなのか、その政治的、社会的意味合いはどうなのか、興味がありますが、私にはよく分かりません。

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優雅な?自転車修理屋さん

2009-08-15 07:38:10 | 社会

  蘇州の路上で自転車の修理屋さんが店を開いているのは珍しくありません。ただ、この写真の修理屋さんはちょっと雰囲気が違います。近くの小枝に鳥篭を三つもぶら下げています。自慢の声で鳴くのでしょう。そして、客ではなさそうな人とおしゃべりを楽しんでいる。どこか優雅な雰囲気がありませんか。日陰を作るパラソルの色が場違いな感じですが……。

  場所は、運河と小路と伝統家屋が残る平江路。観光客がよく通る道です。のんびりした昔の蘇州の空気を感じて、写真に収めました。

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太りすぎの子供が増えました

2009-08-14 07:03:45 | 社会

  中国でもしばらく前から肥満が社会問題になっています。とくに、一人っ子政策で甘やかされたこどもの肥満が多いようです。そこで、夏休みともなると、地方政府機関主催の減肥特訓が盛んに開かれます。写真は蘇州市園区の青少年活動センターが開いた「減肥夏令営」を伝える地元紙です。

  中央政府衛生部の副部長が去年11月末の講演のなかで、中国の7歳から17歳の少年のうち21%が肥満だという調査結果を明らかにしたそうです。また、腹回りが基準(男90センチ、女80センチ)を超えた人が3億数千万人になったという調査もあります。肥満の基準が日本と違うので比較は難しいのですが、日本と同じぐらいか少し多めの感じです。

  これから一人っ子がどんどん成人になっていくこと、生活が豊かになっていくことを考えると、中国の肥満人口はもっと増える恐れが強いですね。

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交通警察官の写真を張り出し

2009-07-23 07:07:01 | 社会

  蘇州市新区のシャングリラホテル前の交差点に、この地域を担当する交通警察官6人の写真と名前、「工作格言(職務上の信条)」を書いた看板があることに気づきました(写真)。比較的よく通る道ですが、何時立てられたのか、分かりません。他の場所で見た事がないので(単に気づいていないだけかも知れませんが)、公安局の新しい試みの可能性があります。

  中国の警察は、組織上は国の公安部に直接所属し、日本のように都道府県に所属するわけではありません。犯人逮捕、交通整理といった仕事は日本と同じですが、予防拘禁の制度があり、戸籍管理も担当し、軽微な民事事件の仲裁もすると解説されていて、まさに国民の監視役といったところ。

  国家の権威が強い国ですから、警察が市民の見る目を気にすることは余りないと思っていました。このような看板を出すようになったことは、市民の目を意識し始めたということでしょうか。

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中国のビルは使用年数が短い?

2009-07-20 07:19:28 | 社会

<img src="http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/39/c7/e89e29032e2bbf688031049cf3a06cd6.jpg">

   蘇州市新区の通称・日本人商業街の交差点角にあるビルが解体され始めました(上の写真)。建て替えか、全面改装か。このあたりは16年前から開発が始まった地域なので、このビルもまだ15年前後しか経っていないはず。建て替えだとすると随分早いと思います。

<img src="http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0e/a8/3b2af3321f6562d7c4b2093254665802.jpg">

  この写真は新区入口にある銀行で、骨格だけを残して全面改装中です。やはり築15年前後でしょう。

  素人判断ですが、中国のビル建築現場を見ていると、窓などの開口部分がゆがんでいたり、柱がまっすぐに立っていないと感じることが時々あります。また、建ったばかりなのに古く感じるビルが比較的多いとも思います。日本より建て方が多少ずさんで、メンテナンスも悪いと感じます。

  そのために建て替えが早くなるのか、経済発展のスピードが速いから、初めから早めの建て替えを想定して安く建てているのか。いずれにせよ、経済成長には貢献しますが、資源の無駄遣いで、環境にやさしくありません。

  中国の実際のビル耐用年数、あるいは使用年数をインターネットで調べようとしてうまくいきませんでしたが、税法上の耐用年数は一律10年(定額償却)という説明が見つかりました。随分短く、建て替えを促す作用をすると思います。

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流行る資格偽造の裏事情

2009-07-02 07:53:34 | 社会

  この写真の右端の人が赤っぽい名刺大のカードを道行く若者に強引に手渡そうとしています。蘇州で職業を紹介する人材センターの近くには、どこでもこのような人がたくさん待ち受けています。

  カードの表には会社名と電話番号、裏には出生証、戸籍、中学以上の卒業証明書、旅券などなんと60以上の証明書の種類が列挙され、「わが社は全国各地の有効な証明書を処理します」と書いてあります。本人に代わってしかるべき役所に申請するのではなく、偽造するのではないかと推測するのですが、確かめてはいません。また、警察が取り締まっている場面を見たことがありません。

  蘇州の飲食店で働いている若い女性の中には標準語を理解できない人がかなりいます。これについて、蘇州に長い日本人の友人は「戸籍が無く、小学校にも通わなかった人ではないか。就職のときに中学校の卒業証明なんかすぐつくれるから」と解説してくれたことがあります。そのほかにも同様の話を聞いたり、読んだり、よくしますから、偽証明書が横行しているのは確かなようです。

  ここからは想像です。戸籍が無く学校にも行けなかった人にとって、偽証明書は必需品でしょう。戸籍がない人は「黒子」と呼ばれ、一説に拠れば5000万人ぐらいいるそうです。もともと、「生めよ増やせよ」という政策の後に一人っ子政策がとられたことによる被害者です。証明書偽造を厳しく取り締まると、社会不安、暴動が起きかねません。だから、警察が本気で取り締まらない。

  人口政策の失敗は他にもいろいろ後遺症を残しています。

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マンション管理室の事務処理

2009-06-24 06:38:55 | 社会

  些細なことですが、中国人の事務処理のまずさをよく示す事例を経験しましたので、報告します。

  数日前、先3ヶ月分の家賃をマンション管理室に届けたのですが、担当者がいませんでした。このマンションの管理室は維持管理を担当する部署(6,7人)と部屋の売買、賃貸、家賃の収納などを担当する部署(1人か2人)に分かれています。この後者の担当者がよく不在になるのです。

  維持管理を担当する方は2,3人が必ず部屋にいます。そのうちの一人が部屋代の担当者に電話をかけたのでしょう、電話の後、家賃を預かってくれて、預り証を書いてくれました。

  昨日、部屋代の担当者が席にいるのを確かめて、預り証と領収書を交換するよう求めました。ところが、私の家賃が入っていないと言って、拒否しようとします。「そんなことはそちらで確かめろ」と言うと、外出中だった預り証を書いた人に電話し、調べなおして、やっと納得したという次第です。

  まず、部署が完全に分かれているところが入居者にとって不便です。それと、両者の連絡がきちんとなされていません。同じ部署の中でも細かく担当が別れていて、直接の担当者でない人に伝言を頼むと、伝わっていなかったことがこれまでに2,3回ありました。

  一般的に言って、チーム一体になることが少ない、内部の連絡が悪いというのは中国の多くの組織に共通のようです。

  写真はマンション入口近くの警備室と管理室(看板が出ているところ)です。

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蘇州の市街地に軍営

2009-06-18 07:09:55 | 社会

  写真は、金門路という蘇州の準幹線道路脇にある人民解放軍の入口です。看板が無いのですが、幌をつけた大きな軍用トラックが出入りし、裏の方に「○○北営医院」という病院があったので、兵隊さんの駐屯地だと推測がつきます。

  北京や南京で、どこだったか確かな記憶は無いのですが、市街地に駐屯地があって、随分いい場所にあるものだと思ったことがありました。この駐屯地も、蘇州で一、二を競う繁華街の石路まで歩いていける距離です。日本だと、ビル用地か住宅用地に明け渡すべきだという、世論が起きそうな場所です。

  日本と中国で駐屯地の場所にどのような違いがあるのか、興味がわいて、インターネットで調べてみました。日本の自衛隊の場合は、すぐ詳しい所在地が見つかりました。しかし、中国の方は中国語でいろいろ検索してみましたが、駐屯地の所在地は分かりません。検索の仕方が悪い可能性がありますが、多分、秘密になっているのでしょう。これもお国柄でしょうか。

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豚インフル抑え込みに成功?

2009-05-23 07:05:26 | 社会

  また、人民日報Web日本語版の引用で恐縮ですが、今朝、豚インフルエンザの流行を抑えこんでいる中国を自賛する同編集部の記事が載りました。主な内容は次のようなものです。

  中国内で20日までに5例が確認されたが、すべて帰国者で国内感染はまったくない。これは、2003年のSARS(サーズ)を教訓に衛生防疫システムを構築してきた政府が、すばやく厳格な対応をとったことが効果をあげている。外国メディアは「中国政府はやりすぎ」と批判するが、国民の間で不満は無い。また、感染地域からの帰国者や感染者と濃厚接触した人は政府の呼びかけに応じ、適切な行動をとって流行を未然に防いでいる。北京の感染者二人は帰国後、発熱前であっても自主的に人との接触を避けていたと報告されている。

  SARSのときは中央政府まで情報を隠し、大流行を引き起こしたこと、豚インフルは日本でも相当感染が広がってしまったことを考えると、確かにこれまでの中国はよくやっていると思います。この6年間に中国社会が大きく変化した(成長した)ことの証明になるかもしれません。

  ただ、豚インフルは水際の検疫で防ぎきれるものではないでしょう。今後、国内感染が起きた時に中国政府や国民がどう対応するのか、見守っていきたいと思っています。

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四川大地震から1年

2009-05-12 06:20:57 | 社会

  1年前の今日、四川大地震が起きました。亡くなられた方のご冥福をお祈りします。

  写真は当時の蘇州日報で、保存しておいたものです。現地の様子は新聞やテレビでうかがい知るだけですが、中国での報道だけではよく分からないことが多くて困ります。

  四川省政府が1周年に先立って5月7日に記者会見し、この地震による省内の死者は6万8712人、行方不明者は1万7921人と発表しました。全体の死者、行方不明者はどれほどになるのか、中央政府がまだ発表していないようです。

  不思議なのは行方不明者がいまだにものすごい数だという点と、地震直後の6月1日に中央政府が発表した死者6万9016人、行方不明1万8830人からほとんど変わっていない点です。普通は直後より死者の数が増え、行方不明者が減ると思うのですが、なぜ、このようなことになるのかがよく分かりません。

  当時、日本の新聞が「学校の倒壊が多く、周囲のビルより校舎が弱かったのは手抜き工事のせいではないか」と問題にしました。被災した子供の親が訴えたケースもあるようですが、中国では当時もその後もこのような問題点の報道はほとんどありません。どれだけ復興したかという、政府ががんばったことを宣伝する内容ばかりです。

  実際、政府はよく対応したのだと思います。だから、批判を許しても、それで政府に対する信頼が大きく揺らぐ心配は無いように思うのですが、マスコミによる政府批判は全くといっていいほどありません。マスコミ統制は中国で住む前に予想していたより、はるかに徹底しています。

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