中国旅行記: スーの「あら!中国」

中国・蘇州を拠点に定年後を楽しむ男が、中国での日常生活や旅行で「あら」「おや」「へー」と感じたことを文章と写真で綴る。

最後に、お願い

2009-11-12 06:28:53 | 出来事・催事

  私は今日、帰国します。このブログもこれで出稿を終わります。1年1ヶ月余り、お付き合いいただきありがとうございました。

  最後にひとつお願いがあります。場違いな話ですが、私が去年5月に文芸社から出版した「橋は架からずー明治日本と李朝の志士たち」を読んでいただきたいというお願いです。

  この本は、明治17年(1884年)にソウルで起きた甲申政変というクーデターと、それを起こした金玉均ら李朝の青年貴族や、支援した福沢諭吉ら日本人の考え方、行動をテーマにしました。

  金玉均らは、着々と近代化を進める明治日本に見習って李朝を改革しようとしました。クーデターは文字通り三日天下で終り、日本に亡命した金玉均は10年後に上海で李朝の刺客に暗殺されてしまいます。失敗に終わったため余り重要視されていませんが、私はこの失敗がその後の日韓関係ひいては東アジアの歴史の大きな分かれ目になったと確信しました。今に続く日中韓(朝)の対立感情を考え直すうえでも重要だと思っています。

  固いテーマですが、「事実は小説よりき奇なり」というように、一連の歴史はドラマチックな展開を見せました。また、歴史の謎解きのような構成を工夫しましたので、読みやすくなっているのではないかと思います。

  来年は日本が朝鮮を植民地支配して100周年になります。その背景を考える材料を提供できる本だとも思います。是非一度、下のAmazonのサイトを開いて、詳しい説明をお読みください。
http://www.amazon.co.jp/dp/4286045900?tag=worris-22&camp=243&creative=1615&linkCode=as1&creativeASIN=4286045900&adid=1HWWK26JB9J2RKFBZ5FE&

  


中止になった夏祭り

2009-09-06 06:38:05 | 出来事・催事

  蘇州日商倶楽部が毎年開いてきた夏祭り。昨日の予定で、私も楽しみにしていたのですが、中止になってしまいました。理由は、会場の日本人学校が新型インフルエンザの流行を防ぐために急きょ、休校になったことです。

  当初、この祭りは例年通り8月半ばに開く予定だったのが、通称・日本人商店街のクラブで日本人男性が中国人ホステスを刺し殺す事件が起きたために、万一のトラブルを心配して延期になっていました。今年の蘇州日本人社会で起きた”2大事件”の影響が夏祭りに集中した格好です。

  殺人事件のことはこのブログでも紹介しました。全く個人的な事件だし、犯人の日本人に同情する見方もあっただけに、この事件で中国人の反感が日本人一般に向うとは思えませんでした。

  しかし、蘇州で仕事をしておられる人たちの感覚、あるいはかつて上海領事館を襲った反日の動きを知っておられる駐在経験が長い人たちの感覚は、傍観者的な私の感覚とは違うのですね。この事件で中国人の反日感情がまた強まるのではないかと警戒した方はかなりおられたようです。

  写真は去年の夏祭りの様子です。

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全国蓮花展の湿地公園(4終)

2009-07-16 07:08:55 | 出来事・催事

  小舟で蓮池を巡ることもできます(写真)。別の場所であし漕ぎボートも貸し出していました。

  私は蘇州で住む前は、中国人が一番好む花は牡丹だと思っていました。しかし、湖沼が多い江南の人たちは蓮の方が好きなのではないかと思うようになりました。広い中国では地域によって風土も好みも違うのだから、何事につけ、「中国人は」とひとくくりにするのは間違いの元だと思います。

  今日は湿地公園(1)から(4)を出稿しました。

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全国蓮花展の湿地公園(2)

2009-07-16 07:07:13 | 出来事・催事

  全国各地から1万もの鉢植えの蓮が出品されているといい、公園の要所要所に鉢が置かれています。中でも、見事に咲いていると思ったのがこの写真の蓮です。どこの出品か、説明はありませんでした。

  蓮の花というのは、色、姿ともにきれいだと思う時間が短いようです。この日のように風が強いと、花が少し開きすぎると風で花全体の形が崩されてしまいます。池の中には無数の花が咲いているのですが、ちょうど見ごろの花はごくわずかだった気がします。


全国蓮花展の湿地公園(1)

2009-07-16 07:06:26 | 出来事・催事

  また蓮の話です。荷塘月色湿地公園で第23回全国荷花展が開かれているというので、行ってきました。全国各地の蓮の名所で順繰り開かれている展示会で、今年は蘇州の拙政園が築園500年になるのを記念して、拙政園とこの公園で開かれることになったそうです。拙政園の蓮の話を先日紹介しましたが、この展示会直前の状況だったことになります。

  この公園は蘇州旧市街地から北北西に少し離れた農村地域にあり、私のマンションからだと路線バスを2回乗り換えて2時間近くかかりました。

  とにかく、その面積の広いこと。5000ム(約333ヘクタール)といいますから甲子園球場スタンドの150倍ほどもあります。一面の蓮池(沼)です。風の強い日で、風に煽られて裏返った葉と表のままの葉の色の濃淡が、大海原の波のように見えました(写真)。

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物足りない事件報道

2009-07-10 07:28:58 | 出来事・催事

  日本人がよく行く蘇州市新区の通称「日本人商店街」のクラブで4日夜、日系企業の駐在員(男、34歳)が中国人ホステスを刃物で突き殺す事件が起きました。事件そのものは情けない話で、余り紹介したくないのですが、報道の仕方が日本とかなり違うことを報告します。

  地元紙「蘇州日報」に載ったのが7日付けでした。日本の新聞なら、まず翌5日の朝刊に間に合わせるでしょう。6日にも載らなかったというのは、警察が6日になって発表したからだと思います。扱いは社会面の二段見出し相当。外国人による殺人事件ですから、特に関心を引く内容でなくても、日本なら三段か四段見出しになりそうな事件です。

  何より首を傾げたくなるのは、犯人の動機に関わることが記事中に全く触れられていないことです。実は、私の友人が現場で目撃していまして、犯人はその場で警察が来るのを待って逮捕されたといいます。ということは、覚悟の犯行ですから、警察ですぐに動機、いきさつを話しているはずです。警察がなぜ動機について発表しなかったのか、新聞記者がなぜそれを追求しないのか、理解できません。

  そもそも記者は全く現場取材をしていないようです。クラブや被害者の関係者を取材すれば、動機につながる話はすぐ聞き出せた事件でしょう。友人によると、通報してから警察や救急車の到着するのが随分遅かったといいます。現場取材をすれば、そのような問題点も聞き出せます。

  私に言わせれば、警察の発表の範囲でしか書かない新聞の方が殺人犯よりよほど怖いのですが……。

  写真は蘇州日報のこの事件の記事です。

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普通は希な事故が相次ぐ

2009-07-01 05:44:53 | 出来事・催事

  普通は希にしか起きない事故が、最近の中国で相次いでいます。全国ニュースになった事故を新しいものから並べると――

  《6月29日》黒龍江省鉄力市の西大橋が倒壊。トラック6台が転落(写  真はこの事故を伝える中央電視台のニュース番組)。
  《6月29日》湖南省で列車が衝突、横転。3人死亡。

  《6月27日》未明に上海市で建設中の13階建てマンションが倒壊。作業員一人が死亡。
  《6月5日》重慶市で山崩れ。行方不明72人のうち7日現在7人死亡。
  《5月30日》重慶市の炭鉱でガス噴出事故。30人死亡。
  《5月17日》湖南省で撤去作業中の高架橋が崩壊。9人の死亡確認。

  長雨が影響したと見られる事故もありますが、主因は人災の疑いが濃いものだけをあげても、1ヵ月半のうちに私がチェックしたものでこれだけありました。

  このうち、特に気になるのは橋やマンションの倒壊です。去年の四川大地震の際に倒壊した学校が周囲で倒壊した普通の建物よりはるかに多く、手抜き工事だったのではないかと問題になりました。最近の相次ぐ事故が手抜きによるものでなければ、まだ少し救われるのですが……。

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雑技にも蘇州らしい工夫

2009-05-21 07:31:30 | 出来事・催事

  蘇州科技文化芸術中心で蘇州らしい演出の雑技をしているというので見に行きました(写真)。名前も「蘇show」。

  この建物は蘇州の今を代表する一つだと思って、08年9月30日、11月26日のブログなどで紹介したことがあります。中にある映画館には何回か入ったことがありますが、劇場には入ったことが無かったので、どのようになっているのか興味があったのと、雑技にまでどのように蘇州らしさを演出しているのか、見てみたかったのです。

  私には演技の内容を評価する力はありませんが、出演者の衣装、振り付け、舞台装置などにそれらしい工夫がしてあって、雰囲気を十分楽しめました。ただ、上海雑技のように難度の高い技は少なかった気がします。

  客席は全てテーブル形式になっていて、ゆったり座れます。音響や照明も最高水準でしょう。蘇州は京劇と並び称される昆劇や日本の浪曲と講談を混ぜたような伝統話芸「評弾」の本場であり、そのほか内外の一流の音楽や演劇がこの劇場で上演されます。文化的にも恵まれた都市です。

  ちなみに今回の「蘇show」の料金は280元(食事つき)、200元、150元でした(1元は約15円)。

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蘇州地元の祭りで盛り上る

2009-05-09 07:21:23 | 出来事・催事

  明日10日までの5日間、蘇州で1,2を競う繁華街、石路あたりで地元の祭りがあると聞いて出かけてみました。旧暦4月14日に行われる「軋神仙」と呼ばれる祭りで、「神仙が集まる日」という意味のようです。

  七福神ならぬ八仙が街を練り歩き、要所で踊りを披露していました(写真)。石路の隣に位置し神仙廟がある南浩街はもともと商業街ですが、店の前に露店がずらりと並び、祭りの雰囲気いっぱい。夜になると石路商業街にある野外舞台で中国拳法や太極拳などが披露されていました。

  中国では5月1日のメーデーが祭日で今年は1から3日が連休でした。そのあとすぐ、この祭りに入ったわけで、消費を煽るイベントが数珠繋ぎといった感じです。年末のクリスマス、正月、春節(旧正月)という時期にも同じような感じを受けました。中国人は祭り好き?

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