難読駅名 何と読みますか 喜入，苅藻，経田，小鳥谷，土々呂，樟葉，大乗，油須原，抜里，上郡

①喜入　 （JR九州）指宿枕崎線。鹿児島市喜入町。
②苅藻　　神戸市営地下鉄海岸線。長田区浜添通五丁目
③経田　　富山地方鉄道本線。富山県魚津市浜経田。
④小鳥谷　IGRいわて銀河鉄道いわて銀河鉄道線。岩手県二戸郡一戸町小鳥谷。
⑤土々呂 （JR九州）日豊本線。宮崎県延岡市土々呂町五丁目。　　　
⑥樟葉 （京阪）京阪本線。大阪府枚方(ひらかた)市楠葉花園町。
⑦大乗　（JR西日本）呉線。広島県竹原市高崎町。
⑧油須原 平成筑豊鉄道田川線。福岡県田川郡赤村赤。
⑨抜里　 大井川鐵道大井川本線。静岡県島田市川根町抜里。
⑩上郡　（JR西日本）山陽本線・智頭急行。兵庫県赤穂郡上郡町(ちょう)大持(だいもち)。
　　
読みと由来等

①きいれ　古くは給黎と書いたが，縁起の良い喜入に変更されたという。『和名抄』にある訓(よ)みの「岐比礼」はキビレと訓むこともでき，キビレはクビレのことで，地形地名説もあるという。
②かるも　柿本人麻呂の「玉藻苅敏馬を過ぎて……」（万葉集）によるという。
③きょうでん　寺社の荘園が所有する田に由来する説もあるが，競田（境界不明などの原因で訴訟の対象となった墾田や私営田）に因むかもしれないという。
④こずや　アイヌ語「コッヤ，kot-ya」（谷底の河岸）の当て字ともいう（『東北六県』）。
⑤ととろ　海に面していることから，波の轟(とどろき)に由来するとみられる。
⑥くずは　駅の所在地は楠葉。かつては「くすのは」とも読まれた。地名は「くそはかま」の転訛という。『古事記』によれば，建(たけ)波(は)邇(に)安(やすの)王(みこ)の軍が敗走して「久須婆の度」についた時に「屎(くそ)出てで褌(はかまに)に懸りき。故，其地を号けて屎褌と謂う」とある。
⑦おおのり　高崎村と浦神田村が合併し，両村の境にある地名「大乗」に由来する旧大乗村名から。
⑧ゆすばる　柚子(ゆず)の木が多かったからか。
⑨ぬくり　泥濘(でいねい)（どろみち，ぬかみち）の意とも，古代温泉が湧出し温(ぬく)井(い)の意とも，奈良期に当地御栗の里に隠棲した官人の古事に由来するともいう。
⑩かみごおり　千種川流域の河原を開墾して出来た「上河原村」が転訛したとも旧高田郡の「上手の郡(さと)」の意ともいわれる。

難読駅名 何と読みますか 免田，大河端，諸寄，神代町，餅原，山家，宮田，谷田川 ，行波，公庄

①免田 （JR西日本）七尾線。石川県羽咋郡宝(ほう)達(だつ)志(し)水(みず)町(ちょう)免田。
②大河端 北陸鉄道浅野川線。石川県金沢市大河端町(まち)　　　
③諸寄　 （JR西日本）山陰本線。兵庫県美方郡新温泉町(ちょう)諸寄。
④神代町　島原鉄道島原鉄道線。長崎県雲仙市国見町川北　　　
⑤餅原　 （JR九州）日豊本線。宮崎県北諸県郡三(み)股(また)町(ちょう)餅原。
⑥山家　 （JR西日本）山陰本線。　京都府綾部市上原(かんばら)町戸尻。
⑦宮田　 （JR東海）飯田線。長野県上伊那郡宮田村　　　
⑧谷田川 （JR東日本）水郡線。福島県郡山市田村町(まち)谷田川。
⑨行波 錦川鉄道錦川清流線。山口県岩国市行波。
⑩公庄　　北近畿タンゴ鉄道（KTR）宮福線。京都府福知山市大江町公庄。

読みと由来等

①めんでん　荘園の免田（特権として年貢を免除された田）に由来するのではないかという。なお，くまがわ鉄道の東免田駅（熊本県球磨郡あさぎり町免田）は「ひがしめんだ」と読む。
②おこばた　金沢平野を流れる浅野川の堤畔に位置することから。　
③もろよせ　古くは諸磯と書いたが，有間皇子の乱で但馬に流された孝徳天皇の皇子・表(うわ)米(よね)親王が，天智天皇元年，西国で起こった夷賊の騒動の際，赦免されて大将軍となり，この地で勢揃いを行ったことから，「諸々の兵(つわもの)寄りし所」という意で，「諸寄」に改められたという。
④こうじろまち　神代神社に由来か。
⑤もちばる　餅形の地形に由来か。「原」を「ばる」と読む。
⑥やまが　江戸期の山家藩（谷氏，外様小藩）に由来する旧山家村名（明治22～昭和25）から。なお，山形市山家町(まち)は「やんべ」と読む。
⑦みやだ　『和名抄』にみえる古代東山道の駅名による。「みやた」ではない。
⑧やたがわ　南北朝期からみえる地名。駅の近くを流れる川名から。
⑨ゆかば　『玖珂(くが)郡志』に「往古虫大明神，小浜へ御着船ノ砌(みぎり)，大波小波打行シ所也」とあり，地名はこれによるのではないかといわれている。
⑩ぐじょう　公(く)卿(ぎょう)（殿上人）の荘園があったことに由来する地名ともいう。公庄の姓あり。「公」を「ぐ」と読む地名には，神奈川県平塚市公所(ぐぞ)がある。　

難読駅名 いくつ読めますか 前栽，八草，遊佐，女川，本銚子，新冠，八積，御代志，湯平，上社

①前栽　（近鉄）天理線。奈良県天理市杉本町。
②八草　　愛知環状鉄道・愛知高速交通。愛知県豊田市八草町。
③遊佐　（JR東日本）羽越本線。山形県飽海郡遊佐町遊佐。
④女川　（JR東日本）石巻線。終着駅。宮城県牡鹿郡女川町(ちょう)女川浜。
⑤本銚子　銚子電気鉄道線。千葉県銚子市清水町。
⑥新冠　（JR北海道）日高本線。北海道新冠郡新冠町本町。
⑦八積　（JR東日本）外房線。千葉県長(ちょう)生(せい)郡長生村岩沼。
⑧御代志　熊本電気鉄道菊池線。熊本県合志市御代志。
⑨湯平　（JR九州）久大本線。大分県由布市湯布院町下湯平。
⑩上社 　名古屋市営地下鉄東山線。名東区上社一丁目。地下鉄の駅だが，ホームは地上2階にある。

読みと由来等

①せんざい　中世期，東大寺領の千代(せんだい)庄であった。千代を千載と書くようになり，三転して前栽となったので，「せんだい」から「せんざい」に変ったという。「前」を「せん」と読む地名は他にないようである。
②やくさ　室町期～戦国期にかけての八草城があったことに因む。
③ゆざ　海岸に砂丘があり，イサ（砂），イサゴ（砂子）の転訛という。アイヌ語説もあり，yu-sat（温泉が枯れた）の意で，この地でしばしば大地震が起こり，古い時代の温泉が枯れたとみられるという。　
④おながわ　女川湾頭にあり，アイヌ語のオンナ（onna，内部）の転訛で，女川湾の内部にある港の意ともいう。平成23年3月，東北地方太平洋沖地震に伴う津波で駅舎流失。27年5月，約200m内陸側に移設され復旧。
⑤もとちょうし　海陸産物の移出が多く，その産物に銚子産の名を冠したことに因むという旧海上郡本銚子町名（明治22～昭和8）から。
⑥にいかっぷ　「ニ・カプ，ni‐kap」（木の皮）の当て字。木皮は特にニレの木の皮をいう。この地のアイヌ人はニレの皮の着物を着たという。
⑦やつみ　藩政村8ヵ村が合併して成立した長柄郡（のちに長生郡）八積村名（明治22～昭和28）から。
⑧みよし　由来等は不明。　
⑨ゆのひら　温泉が湧く平らな土地に因むという。　
⑩かみやしろ　中世には社(やしろ)郷と称していたが，その後，矢(や)白(しろ)神社を中心に村内を2区分し，上社村と下(しも)社村が生まれたという。