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地名アラカルト

各地の難読地名や珍しい地名についての由来やエピソードなどについて調べてみたいと思います。

難読駅名を楽しもう 幾つ読めますか 中角,名越,仁方,大山寺,高角

2016年10月31日 10時16分37秒 | Weblog
①中角  えちぜん鉄道 三国芦原線。福井市中角町
②名越  水(みず)間(ま)鉄道 水間線。大阪府貝塚市名越
③仁方  (JR西日本)呉線。広島県呉市仁方本町(ほんまち)二丁目
④大山寺  (名鉄)犬山線。愛知県岩倉市大山寺町
⑤高角  (近鉄)湯の山線。三重県四日市市高角町

読みと由来等

①なかつの この地が九頭竜川へ角状に突き出ていることに由来するという。
②なごせ 近木川中流域に位置。崩壊地名を意味するナギ(薙)・ヘ(辺)の転訛ともいう。
③にがた 戦国期に仁賀田村,江戸期に仁方村とみえる。大洪水の際に新潟が生まれことによるともいわれている。
④たいさんじ かつて大山寺というお寺があったともいう。
⑤たかつの 鎌倉期 (「吾妻鏡」五月六日条など)からみえる地名。由来等不明。


『難読駅名を楽しむ,和食,糒,飯給は何と読みますか』(筑波書房)参照



難読駅名を楽しもう 幾つ読めますか 鹿瀬,上社,公庄,樟葉,上戸

2016年10月28日 11時44分07秒 | Weblog
①鹿瀬 (JR東日本)磐越西線。新潟県東蒲原郡阿賀町向(むかい)鹿瀬
②上社  名古屋市営地下鉄 東山線。名東(めいとう)区上社一丁目
③公庄  京都丹後鉄道宮福線。京都府福知山市大江町公庄
④樟葉 京阪本線。大阪府枚方(ひらかた)市楠葉花園町
⑤上戸 (JR東日本)磐越西線。福島県耶麻郡猪苗代町山潟字大橋道西

読みと由来等

①かのせ 鹿が川の瀬まで出てきたことに因むともいう。

②かみやしろ 中世には社(やしろ)郷と称していたが,その後,矢白(やしろ)神社を中心に村内を2区分し,上社村と下(しも)社村が生まれたという。地下鉄の駅であるが,ホームは地上2階にある。
 
③ぐじょう 公卿(くぎょう,殿上人)の荘園があったことに由来する地名ともいう。姓氏あり。「公」を「ぐ」と読む地名には,神奈川県平塚市公所(ぐぞ)や同県厚木市中荻野公所(ぐじょ)がある。なお,公(ク)は呉音。

④くずは 駅の所在地は楠葉。かつては「くすのは」とも読まれた。地名は「くそはかま」の転訛という。『古事記』によれば,建波邇安王(タケハニヤスノミコ)の軍が敗走して「久須婆の度」についた時に「屎(くそ)出てで褌(はかま)に懸りき。故,其地を号けて屎褌と謂う」とある。

⑤じょうこ 猪苗代湖の上方にある戸(集落)に因むという(『JR・第三セクター全駅名ルーツ事典』)。


『難読駅名を楽しむ,和食,糒,飯給は何と読みますか』(筑波書房)参照


難読駅名を楽しもう 幾つ読めますか 千種,新原,木幡,坂越,杭瀬

2016年10月26日 10時30分39秒 | Weblog
①千種 (JR東海)中央本線。名古屋市千種区内山。市営地下鉄(東区葵)
②新原  (JR九州)香椎線。福岡県糟屋郡須恵町新原
③木幡  神戸電鉄 粟生線。神戸市西区押(おし)部(べ)谷(たに)町木津(きづ)
④坂越  (JR西日本)赤穂線。兵庫県赤穂市浜市
⑤杭瀬   阪神本線。兵庫県尼崎市杭瀬本町(まち)

読みと由来等

①ちくさ 種々の草が生い茂る土地に因む。*千種は「ちぐさ」と濁音で読む地名の方が多い(兵庫県宝塚市千種,福井県小浜市千種,千葉市花見川区千種町など)。
②しんばる 江戸期に新田開発されたことに因むという。九州では,「原」を「バル」や「ハル」と読む地名が多い。
③こばた 駅の所在地は押部谷町木津であるが,木津駅が一つ手前の神戸寄りにあり,同町木幡の外れにあることから,木幡駅になったという(『兵庫県の難読地名がわかる本』)。
④さこし 7世紀の頃,秦河勝(はたのかわかつ)が蘇我入鹿の難をさけてきた地が転訛した説。狭い峠の坂を越えて海岸へ出ることから,「坂越(さかこし)」の約音説などがある(『同上』)。
⑤くいせ 軟弱な低湿地の地盤を固めるため,株(くいぜ)を瀬に並べてたことに由来するという。かつては株瀬,橛(くい)瀬とも書いたが,「くい」に「杭」(国訓)の字が使用されるようになったという。阪神本線で兵庫県最東端の駅。


『難読駅名を楽しむ,和食,糒,飯給は何と読みますか』(筑波書房)参照



難読駅名を楽しもう 幾つ読めますか  下立,笠田,長太ノ浦,今羽,甲立

2016年10月25日 12時58分55秒 | Weblog
①下立  富山地方鉄道本線。富山県黒部市宇奈月町(まち)下立
②笠田  JR和歌山線。和歌山県伊都郡かつらぎ町(ちょう)笠田東
③長太ノ浦(近鉄)名古屋線。三重県鈴鹿市長(な)太(ご)栄町(さかえまち)二丁目
④今羽   埼玉新都市交通(ニューシャトル)。北区吉野町
⑤甲立 (JR西日本)芸備線。広島県安芸高田市甲田町高田原

読みと由来等

①おりたて 黒部川扇状地の要にあり,黒部市南東,鋲ケ岳(びょうがだけ,861m)から下り立った地に因むという。また,タテとは,生みタテの卵,たきタテのごはん,つきタテの餅などというときのタテで,オリタチとは「坂を下りてすぐのところ」の意という(山中襄太『地名語源辞典』)。下を「オリ」と読む地名には,奈良県桜井市下居(おりい),茨城県鹿嶋市下津(おりつ),愛知県稲沢市下津(おりづ)などがあるが,その事例は少ない。

②かせだ 諸説がある。①旧加勢田(かせだ)荘(桛<かせ>田とも書いた)の転訛。②麻の枝の部分で桛<かせ>木(木の枝をYの字形に切ったもの)を作り,稲の害虫のイナゴを追い払った田地に因む。③セダ(狭田)の転訛説などがある。桛は国字。会意文字「木+上+下」。軸となる木の上下に枠となる木を組み立てて,糸をかけて巻く器具の意味を表わす。笠を「カセ」と読む地名は殆どないようである。

③なごのうら 海岸沿いにあり,波の穏やかなことを指す「凪(なぎ)」の浦の転訛か。何故「ご」に「太」の字を当てたのか不明。なお,鈴鹿市には,南(北)長太町,長太旭町(まち),長太新町(まち)など,長太の付いた町名が多い。

④こんば 藩政村今羽村に因む。今羽村は明治22年西本郷村,大和田村,堀崎,島村,砂村,土呂村と合併して,大砂土(おおさと)村となり,今羽の地名は消滅した。今羽はアイヌ語に起源する地名ではないかともいう。

⑤こうたち 川立(かわたち)郷の故地とする説があり,可愛(えの)川対岸の川立村とかつて一村を形成していたが,流路変更で分村し,甲立としたと伝えられる(『角川日本地名大辞典・広島県』)。



『難読駅名を楽しむ,和食,糒,飯給は何と読みますか』(筑波書房)参照

難読駅名を楽しもう いくつ読めますか  加佐登,神畑,宇宿,神立,入地

2016年10月24日 10時45分22秒 | Weblog
①加佐登 (JR東海)関西本線。三重県鈴鹿市加佐登一丁目
②神畑  上田電鉄 別所線。長野県上田市神畑
③宇宿 (JR九州)指宿枕崎線。鹿児島市宇宿三丁目
④神立 (JR東日本)常磐線。茨城県土浦市神立中央一丁目
⑤入地  関東鉄道竜ヶ崎線。茨城県龍ケ崎市入地町(まち)

読みと由来等

①かさど 加佐登神社に因む。日本武尊がもっていた笠と杖を御神体として祀ったのが,加佐登神社の始まりという。

②かばたけ 信濃川支流の産川(うぶがわ)流域に位置。下之郷にある生島足島(いくしまたるしま)神社に近く,同社の神服部(かんはとべ)が転訛したものといわれている。

③うすき 鵜が多く棲みついていたことに因むともいう。アイヌ語説もある。同読異字駅名に臼杵駅(JR日豊本線。大分県臼杵市)がある。

④かんだつ カンダツとは,雷,雷神のことで,雷を祀った神社があつたことに由来するという。静岡県浜松市東区神立町や大阪府八尾市神立は「こうだち」と読む。

⑤いれじ 小貝川下流左岸に位置。川に入りこんだ土地の意か。


『難読駅名を楽しむ,和食,糒,飯給は何と読みますか』(筑波書房)参照

難読駅名を楽しもう いくつ読めますか 務田,神海,木尾,埴生,永覚

2016年10月21日 11時21分38秒 | Weblog
①務田  (JR四国)予土線。愛媛県宇和島市三間(みま)町迫(はざ)目(め)
②神海  樽見鉄道 樽見線。岐阜県本(もと)巣(す)市神海
③木尾 長良川鉄道 越美南線。岐阜県郡上市美(み)並(なみ)町上(かみ)田(た)
④埴生  (JR西日本)山陽本線。山口県山陽小野田市埴生
⑤永覚   愛知環状鉄道。愛知県豊田市永覚町

読みと由来等

①むでん
 沼田(ヌタ)の転訛とみられ,湿地に因む地名という。デンは呉音。

②こうみ 狭い谷あいを示す地名という。神を「コ」と読む地名は殆どないようである。なお,JR小海線に同読異字の小海駅(長野県南佐久郡小海町小海)がある。

③こんの 木之尾(コンノオ)が,二字化されコンノと発音するようになったともいう。「木」を「コン」と読む地名は殆どないようである。

④はぶ 埴の字義は,はに,粘土,どろ。粘土や赤土などを含む傾斜地と関連がある地名とみられる。なお,同字の富山県小谷部市埴生は「はにゅう」と読む。埴の付いた名詞に埴輪(はにわ),埴師(はにシ=埴輪を作る職人)などがある。
 
⑤えかく 由来等不明。永を「エ」と読む地名は殆どないようである。



『難読駅名を楽しむ,和食,糒,飯給は何と読みますか』(筑波書房)参照

難読駅名を楽しもう 何と読みますか 野江内代,越前花堂,木場茶屋

2016年10月16日 11時44分48秒 | Weblog
①野江内代 大阪市営地下鉄 谷町線。都島区内代町1丁目

②越前花堂 JR北陸本線・越美北線。福井市花堂中一丁目

③木場茶屋  JR鹿児島本線。鹿児島県薩摩川内(せんだい)市木場茶屋町


読みと由来等


①のえうちだい 城東区野江と都島区内代を合成した駅名。野江は難波江の江辺に因むのではないかといわれているが,女帝・孝謙天皇の時世(749~758)に油を献上したとの故事から,古くは油江とも呼ばれ,これが転訛したともいう。内代は旧村名に由来するが,内代の名は寛永20年から徳川氏代官の支配地になったことによると考えらるという(『大阪市都島区HP』)。内代は「うちだい」がいつしか「うちんだい」に転訛したのではないか。「ん」には「の」の意があることから「内の代」であったかもしれない。

②えちぜんはなどう 花堂は「北ノ庄城下の端なれば端道」の転訛という。花堂は「はなどう」がいつしか「はなんどう」に転訛したのではないか。

③こばちゃや 山村にあった茶屋に因むともいう。木庭は「こば」がいつしか語呂の関係から「こばん」に転訛したのではないか。


上記,いずれも,本来の読みの後に「ん」が付いている珍しい駅名。



『難読駅名を楽しむ,和食,糒,飯給は何と読みますか』(筑波書房)参照 


難読駅名を楽しもう  いくつ読めますか 平城山,野馳,上道,文挟,榎井

2016年10月14日 11時44分36秒 | Weblog
 ①木上  くま川鉄道 湯前線。熊本県球磨郡錦町木上。
②平城山 (JR西日本)関西本線。奈良市佐保(さほ)台(だい)一丁目
③真布  (JR北海道)留萌本線。雨竜郡沼田町(ちょう)真布
④和寒  (JR北海道)宗谷本線。上川郡和寒町(ちょう)北町
⑤木次 (JR西日本)木次線。島根県雲南市木次町里(さと)方(がた)。
⑥野馳  (JR西日本)芸備線。岡山県新(にい)見(み)市哲西(てつせい)町畑木
⑦別当賀 (JR北海道)根室本線(花咲線)。根室市別当賀
⑧上道 (JR西日本)山陽本線。岡山市東区中尾
⑨文挾  (JR東日本)日光線。栃木県日光市小倉。
⑩榎井    高松琴平電鉄 琴平線。香川県仲多度郡琴平町榎井



読みと由来等

 ①きのえ 球磨川流域にあり,木材の河川輸送に関係ある地名か。Kinoue→kinoe uの略か。

②ならやま 京都府との境にあり,草木を踏み平(なら)した所を意味する説や樹名の楢に因む説があるという。なお,近鉄京都線の平城駅(奈良市山陵町宮の前)は平城城に由来し「へいじょう」と読む。

③まっぷ アイヌ語由来であるが,未詳。

④わっさむ アイヌ語「ワッ・サム」(ニレの木の傍)の転訛という。

⑤きすき 来次神社に由来。「次」の「す」で始まる語彙に歴史用語の次官(すけ,律令制官職の四等官の第2 位の官)がある。

⑥のち 旧阿哲郡野馳村名(明治22~昭和30)から。馳は御馳走(ごちそう)の馳。
⑦べっとが アイヌ語「ペッ・ウッカ」(川の・浅瀬)の転訛という。地名は「べっとうが」と読む。地名と駅名の読みが異なるのは語呂の関係か。

⑧じょうとう 駅開設は昭和61年11月。旧上道郡上道町(昭和28~46)に因む。「みち」を「とう」と清音で読む所は少ないようである。なお,JR境線の上道駅(鳥取県境港市)は「あがりみち」と読む。

⑨ふばさみ 駅名は駅に近接する文挾町による。文挾は道の両側が小さな高台に挟まれたような地形をさす地形語に由来か。また,例幣使(れいへいし,例幣をささげるために遣わされる勅使)が日光東照宮へ行くとき,文挾(勅旨を納めた木箱)を掲げて先導したことに因むともいう。駅の左側に旧例幣使街道がある。県内には同地名がある(塩谷郡高根沢町文挾 ,河内郡上三川町上文挾)。姓氏あり。

⑩えない 江内とも書いた。江戸期からみえる地名。


注)『難読駅名を楽しむ,和食,糒,飯給は何と読みますか』(筑波書房)参照    


難読駅名を楽しもう   幾つ読めますか

2016年10月14日 11時26分32秒 | Weblog
①麻生  札幌市営地下鉄 南北線。北区北40条西5丁目。
②栄生  (名鉄)名古屋本線 。名古屋市西区栄生二丁目。
③雄信内 JR宗谷本線。天塩郡幌延町(ちょう)雄(ゆう)興(こう)字雄信内
④名手   JR和歌山線。和歌山県紀の川市名手市(いち)場(ば)。
⑤榛原  (近鉄)大阪線。奈良県宇陀(うだ)市榛原萩原。
⑥築城  (JR九州)日豊本線。福岡県築(ちく)上(じょう)郡築上町東築城
⑦厚東  (JR西日本)山陽本線。山口県宇部市吉見
⑧西新   福岡市地下鉄 空港線。福岡市早良(さわら)区西新2丁目。
⑨安栖里 (JR西日本)山陰本線。京都府船井郡京丹波町(ちょう)安栖里
⑩結崎  (近鉄)橿原(かしはら)線。奈良県磯城(しき)郡川西町(ちょう)結崎

読みと由来等

①あさぶ かつてこの地に北海道初の亜麻工場があったことに因むという。生を”ぶ”と読む駅名には,「丹生」(にぶ,JR高徳線,香川県),「埴生」(はぶ,JR山陽本線,山口県)などがある。なお,札幌市の隣の江別市には,函館本線の大麻(おおあさ)駅(大麻中町)がある。明治26年入植者がこの地で麻の栽培を始めたという。

②さこう 狭所(さこ),または湿地・砂地を意味する砂古・砂子に由来するという。これに好字の「栄」を用いたともいわれる。 栄を「さ」と読む漢字には,栄螺(さざえ,海産の巻貝)がある。「生」を”う”と読む駅名には,「石生」(いそう,JR福知山線,兵庫県),「狩生」(かりう,JR日豊線,大分県)などがある。

③おのっぷない アイヌ語「オ・ヌㇷ゚・ウン・ナイ」(川尻に原野のある川)が「o-nup-nai,オ・ヌㇷ゚・ナイ」になり,これに漢字を当てたという。

④なて 『和名抄』に那賀郡名手郷とみえる。由来等は不明。

⑤はいばら 諸説がある。①萩の生育していた地域。②葉イバラと称する蔓イチゴが生育していた地域。③榿(ハリノキ,別名ハンノキ)の生育していた地域。
④榛(ハリ,ハンノキ)の木を伐採して開墾された地。榛は国訓。”榛”の付いた地名に群馬県榛名(はるな)町や,榛名山(さん),榛名湖がある。

⑥ついき 『和名抄』の筑城郡搗木(ついき)郷の転訛とも,上代の山城のあった地から「築城(ツキキ)」の転訛(吉田茂樹『日本地名語源事典』)ともいう。
旧築上郡築城町。

⑦ことう 「厚狭(あさ)郡の東部」の意の旧厚東村名(明治22~昭和29)から。かつては中世の豪族厚東氏の本拠地。”厚”を「コ」と読む地名は殆どないようである。

⑧にしじん 福岡城下の西に新しくできたことに因むともいう旧早良郡西新町名(明治22~大正11)による。”新”を「ジン」と読む地名はほとんどないようである。

⑨あせり 栖(せい)は棲と同字で住むの意。安らかに住める地の意か。また,由良川の川水で土砂がせり(セリ)あげられ,集(ア)まった土地ともいう。

⑩ゆうざき 「ユフ(木綿)」(楮<こうぞ>の木の皮をはぎ晒<さら>したもの)と関係があるのかもしれない。楮からは繊維をとって織物を作る。類似駅名に「結城駅」(ゆうき,茨城県結城市)



注)『難読駅名を楽しむ,和食,糒,飯給は何と読みますか』(筑波書房)参照    




















京都の難読地名・珍しい地名

2016年10月14日 10時03分19秒 | Weblog

千年の歴史を有する京都は行政の効率化等から呼びかけた町名の整理統合などに抗してきたため,伝統を誇る由緒ある町名が多く残っており,いにしえに想いを馳せることができる。
町名の中には,難読町名や珍しい地名も少なからずある。そこで,代表的な地名についてみていくこととする。

・艮町(うしとらちょう)<下京区> 西本願寺の寺内で最も早くできた町の一つ。町名は寺内の艮(北東)にあたることに由来するという。
・靱屋町(うつぼやちょう)<上京区> 靱(うつぼ)師(し)喜兵衛・勘左衛門が住んでいたという。靱師とは,矢を入れて肩や腰に掛け,携行するための用具を作る職人のこと。*岐阜市にも靱屋町がある。これに関連して,茨城県鹿島郡鉾田町安(あん)房(ぼう)靱負は「ゆきい」,埼玉県比企郡小川町靱負は「ゆきえ」と読む。
・蛭子町(えびすちょう)<上京区> 「夷」とも記された。蛭子(恵比寿)や大黒(大黒天)などが祀られたこに由来する。
・役行者町(えんのぎょうじゃちょう)<中京区> 祇園祭山鉾の一つ,役行者山(やま)に由来するという。役行者は修験道の開祖で,自らの修行だけに止まらず, 民衆の中に入って医療などにつとめたという。
・大炊町(おおいちょう)<中京区> 大炊御門の南にあることにちなむという。同区に西ノ京大炊御門町と 西ノ京南大炊御門町がある。同名地名に鳥取県八頭郡若桜町大炊がある。炊を「い」と読むのは「すい」の前略か。
・傘鉾町(かさぼこちょう)<下京区> 祇園会に傘鉾を出していたことから,命名されたという。
・鐘鋳町(かねいちょう)<東山区> 大仏殿の鐘を鋳造する場所の跡地であったことにちなむといわれている。鋳は鋳形(いがた)や鋳物(いもの)と同じ「い」をあてたものと思われる。
・金吹町(きんぶきちょう)<中京区> 金属を冶工する金座や銀座があったという。
・皀莢町(さいかちちょう)<上京区> 豆科の植物の「皀莢」があったからという。
・西東町(さいとうちょう)<上京区>  同じ上京区に東西(とうざい)町がある。
・社家長屋町(しゃけながやちょう)<上京区> 
・俊成町(しゅんぜいちょう)<下京区> 
・葛籠屋町(つづらやちょう)<下京区>・都市町(といちちょう)<下京区>
・蟷螂山町(とうろうやまちょう)<中京区> 
・木賊山町(とくさやまちょう)<下京区>
・百々町(どどちょう)<上京区>
・椥辻(なぎつじ)<山科区>
・廿一軒町(にじゅういっけんちょう)<東山区>
・納所(のうそ)<伏見区> 多数あり