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【みんな生きている】拉致問題シンポジウム編/産経新聞

2015-05-09 15:58:29 | 日記
《拉致は人権侵害の総本山!横田拓也さん「みなさんの強い意志と力を拉致された人に分けてください」》

■「強い意志を分けてください」

「今こそ国際社会が動くべきです」
「みなさんの強い意志と力を拉致された人に分けてください」。
5月5日にアメリカ・ニューヨークで開かれた日本政府主催のシンポジウム。横田めぐみさんの弟・拓也さんが国際社会の協力を呼びかけると、会場から拍手がわいた。他の出席者からも国際的な取り組みを強めるべきだとの考えが相次いで表明された。その根底には、国際社会からの圧力が北朝鮮に拉致問題解決を迫る一つの有効な“武器”となってきたという事情がある。
2002年9月17日の日・朝首脳会談で、北朝鮮は日本人拉致を初めて認めた。拉致を否定し続けてきた北朝鮮の姿勢が転じるきっかけの一つとなったのが、同年1月29日のジョージ・ブッシュ(George Walker Bush)大統領(当時)の一般教書演説だった。
演説では、北朝鮮をイラン、イラクと並べて反テロ戦争の対象となる「悪の枢軸」と呼び、「(アメリカの呼びかけに対する)無関心は重大な結果を招くことになるだろう」と警告した。
前年9月のアメリカ中枢同時テロ以来、大量破壊兵器を持つテロ勢力との対決姿勢を強めるアメリカの警告は北朝鮮の脅威となった。北朝鮮はアメリカの同盟国である日本に接近し、2002年3月に北朝鮮で暮らす拉致被害者に「世界に公表する」と告げ、日・朝首脳会談へとつながった。
金正恩(キム・ジョンウン)第1書記を国際刑事裁判所(ICC)に刑事訴追する動きが出てきた昨年からは、北朝鮮は国連の動きに過敏となった。今年4月に日・朝政府間協議を中断する意向を示した通知文では、国連での動きを理由の一つに挙げた。
5日のシンポジウムに対しても、北朝鮮国連代表部が批判する声明を出した。朝鮮中央通信は、出席する山谷えり子拉致問題担当相を口汚く非難する論評を配信した。
被害者家族とともに訪米した拉致被害者の支援組織「救う会」の西岡 力会長はシンポジウムの意義を

「国際社会の関心がかつてないほど高まる中、国連のあるニューヨークで拉致問題を取り上げることは北朝鮮を動かす強い圧力になり得る」

と指摘した。

◆昭和52(1977)年11月15日
少女拉致容疑事案
被害者:横田めぐみさん(拉致被害時13歳)
新潟市において下校途中に失踪。
平成16年11月に開催された第3回実務者協議において、北朝鮮側はめぐみさんが1994(平成6)年4月に死亡したとし「遺骨」を提出したが、めぐみさんの「遺骨」とされた骨の一部からは同人のものとは異なるDNAが検出されたとの鑑定結果を得た。
平成18年4月には日本政府の実施したDNA検査により、横田めぐみさんの夫が昭和53年に韓国より拉致された当時高校生の韓国人拉致被害者・金英男(キム・ヨンナム)氏である可能性が高いことが判明した。

※「白い翼でも黒い翼でも、赤い翼でも青い翼でも、何でも結構なんで、帰って来られる翼をめぐみに与えてほしい」
(横田早紀江さん。拉致被害者・横田めぐみさんの母)
※「正義は必ず勝つ、と私は信じていますので、あとしばらくお力をお貸しください」
(横田哲也さん。拉致被害者・横田めぐみさんの弟)

《特定失踪者・山本美保さんについて》
◆氏名:山本 美保
(やまもとみほ)
◆失踪年月日:昭和59(1984)年6月4日
◆生年月日:昭和39(1964)年3月3日
◆性別:女性
◆当時の年齢:20歳
◆身長:160cm
◆体重:51kg
◆当時の身分:大学受験生
◆当時の住所:山梨県甲府市
◆特徴:
1)左目の下に3針縫った跡
2)左手にしもやけの軽いケロイド
◆靴のサイズ:23.5cm
◆失踪場所:山梨県甲府市の自宅を出て以来消息不明

【失踪状況】
「図書館に行く」と言ってバイクで出かけたまま失踪。甲府駅前にバイクが置かれているのが発見された。
4日後、新潟県柏崎市荒浜海岸にセカンドバックが落ちていたとの連絡。
失踪半年後の11月6日から無言電話が4年半ほど続く。
無言電話はほとんど数秒で切れるものだったが、失踪から3年4ヶ月後と3年6ヶ月後の2回の電話は10分~15分ほど続き、相手はじっと聞いている様子だった。
3年6ヶ月後の電話はすすり泣くような声が聞かれた。
平成16年1月29日、山梨県警に告発状提出。

《特定失踪者・水島慎一さんについて》
◆氏名:水島 慎一
(みずしましんいち)
◆失踪年月日:昭和43(1968)年2月9日
◆生年月日:昭和24(1949)年4月24日
◆性別:男
◆当時の年齢:18歳
◆身長:165cm
◆体重:75kg
◆当時の身分:高校3年生
◆当時の住所:富山県下新川郡朝日町宮崎
◆特徴:
1)右利き
2)がっちりした体格
3)野球部キャプテンで腕力には自信があった
◆失踪場所:富山県新川郡朝日町宮崎海岸

【失踪状況】
学期末試験最終日の昼頃帰宅し、「バットの素振りをしてくる」と言って自宅から歩いて5分の海岸に出かけたまま行方不明。
高校卒業後、家業の関連の海産物会社に就職も決まっていた。
夕方5時を過ぎても戻らないので父と姉が海岸に行ってみると、波打ち際にバットが転がっていた。
その日は海はベタ凪。水島さんは遠泳の名手で、溺れた可能性はない。
平成16年1月29日、富山県警に告発状提出。



【拉致事件、捜査の現状】
北朝鮮による拉致事件を巡り、日本の警察はこれまで実行犯や指示役として北朝鮮の元工作員たち合わせて11人を国際手配しています。
拉致には金正日(キム・ジョンイル)総書記が掌握していた対外情報調査部と呼ばれる工作機関が組織的に関わっていた疑いが強いと見て捜査を続けています。
このうち、福井県の地村保志さん・富貴恵さん夫妻を拉致した実行犯として元工作員の辛光洙(シン・グァンス)容疑者が手配されています。
また、大阪府の原 敕晁さんが拉致された事件では、辛容疑者とともに金吉旭(キム・キルウク)容疑者も共犯者として手配されています。
この他、東京都の久米 裕さん拉致事件では金世鎬(キム・セホ)容疑者が、新潟県の曽我ひとみさん拉致事件にはキム・ミョンスク容疑者がそれぞれ関わったとして手配されています。
北海道出身の渡辺秀子さんの子供2人の拉致事件では、工作員グループのリーダー格で北朝鮮にいると見られる洪寿恵(ホン・スヘ)こと木下陽子容疑者が手配されています。
新潟県の蓮池 薫さん・祐木子さん夫妻の拉致事件ではチェ・スンチョル容疑者が実行犯として手配されている他、金総書記が掌握していた対外報調査部と呼ばれる北朝鮮の工作機関の幹部であるハン・クムニョン容疑者とキム・ナンジン容疑者が拉致の実行を指示したとして手配されています。
ハン容疑者たちは工作機関で「指導員」と呼ばれる立場で、辛光洙容疑者たちもこの組織の一員だったことがわかっており、警察は北朝鮮が組織的に拉致を実行した疑いが強いと見て捜査を続けています。
よど号ハイジャック事件のメンバーたちも1980年代にヨーロッパで相次いだ3人の日本人拉致に関わった疑いで国際手配されています。
このうち、有本恵子さん拉致事件では魚本公博(安部公博)容疑者が、石岡 亨さんと松木 薫さん拉致事件ではよど号メンバーの妻の森 順子・若林佐喜子両容疑者がそれぞれ手配されています。
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