《「勝負の夏」から「決着の秋」へ!秋田県の特定失踪者家族の戦い》
北朝鮮による拉致被害者の全員救出を訴える緊急集会が8月11日、秋田市中通のにぎわい交流館AU(あう)で開かれ、拉致の疑いを排除できない特定失踪者の家族が問題解決を訴えた。
救う会秋田が主催し、秋田県などが後援した。来賓としてあいさつした橋口昌道副知事は、県内出身の拉致被害者が判明した場合の受け入れ態勢について「鋭意検討、準備している」と明らかにした。
秋田市で看護学校に通っていた昭和35年に失踪した青森県八戸市出身の木村かほるさん(失踪当時21歳)の姉・天内(あまない)みどりさん(81歳)は
「満州(現・中国東北部)から引き揚げ、たくさんの死を見つめて看護婦になると決めた妹が自ら死ぬはずはない」
と述べ、北朝鮮による調査結果を複雑な思いで待っていると話した。
昭和48年に峰浜村(現・八峰町)の実家を出たまま行方が分からなくなった薩摩勝博さん(失踪当時23歳)の妹・品川貴美子さん(59歳。仙台市在住)は、特定失踪者問題調査会による北朝鮮向け短波放送「しおかぜ」について
「兄がラジオに耳を付けて聞いているのではないかと思うと、悲しい気持ちでいっぱいだ」
と述べ、再会を望んだ。
平成4年に合川町(現・北秋田市)の自宅を出たまま行方不明になった松橋恵美子さん(失踪当時26歳)の母・チヤさん(72歳)は体調を崩して参加できなかった。
家族が高齢化する中、集会は「子供や兄弟姉妹らの行方を捜し続ける方々の悲痛な思いを自らのものとして共有し、同胞を救出、奪還しよう」とする決議を採択した。
《特定失踪者・木村かほるさんについて》
◆氏名:木村 かほる
(きむらかおる)
◆失踪年月日:昭和35(1960)年2月27日
◆生年月日:昭和13(1938)年8月27日
◆性別:女性
◆当時の年齢:21歳
◆当時の身分:日赤秋田高等看護学校3年生
◆当時の住所:秋田県秋田市中通
◆特徴:
1)中肉中背
2)色白でいつも微笑みをたたえ優しい感じ
◆失踪場所:秋田市内
【失踪状況】
戸籍上は「かをる」だが、日常は「かほる」としていた。
看護学校の卒業式を10日後に控えていた。
「ちょっと出かけてくる」と寮の同室の友人数人に言って出て行ったきり戻らず。
平成16年9月29日、青森県八戸署に告発状を提出。
《特定失踪者・石田 清さんについて》
◆氏名:石田 清
(いしだきよし)
◆失踪年月日:昭和44(1969)年9月末~10月初め頃
◆生年月日:昭和18(1943)年3月16日
◆性別:男
◆当時の年齢:26歳
◆身長:158cm
◆体重:56kgくらい
◆当時の身分:自動車板金工
◆当時の住所:秋田県能代市二ツ井(旧二ツ井町)
◆特徴:片方の黒目が若干欠けている
◆失踪場所:秋田県山本郡二ツ井町(現在能代市)自宅アパートから
【失踪状況】
実家に稲刈りの手伝いに来て「明日も来る」と言っていたが、翌日来なかった。
自宅アパートの隣の家に寝巻きが投げ捨てられており、電線(もしくは電話線)が切られていたことから、事件ではないかと警察に通報した。
また日時は不明だが、二ツ井高校近くのバス停の鷹巣方面、藤里方面行き乗り場に立っていたという目撃情報もあった。
《特定失踪者・薩摩勝博さんについて》
◆氏名:薩摩 勝博
(さつまかつひろ)
◆失踪年月日:昭和48(1973)年1月
◆生年月日:昭和24(1949)年10月11日
◆性別:男
◆当時の年齢:23歳
◆当時の身分:農業・牛乳販売店勤務
◆当時の住所:秋田県山本郡八峰町(旧峰浜町)
◆失踪場所:秋田県峰浜村(現八峰町)の実家から能代市に向かったのが最後
【失踪状況】
失踪当時は農閑期だったため、勝博さんは出稼ぎで東京都杉並区の牛乳販売店に勤めていた。
そこを頼っていった同じ村落出身の女性(能代市居住)としばらく同居していた。
二人は結婚の意思を固め、失踪前夜に勝博さんの実家を揃って訪れるが父や親戚に反対される。
その夜は実家に泊まり、翌朝「彼女を能代市内に送ってくる」と行ったまま戻らず。
車も発見されていない。
《特定失踪者・佐藤正行さんについて》
◆氏名:佐藤 正行
(さとうまさゆき)
◆失踪年月日:昭和61(1986)年10月29日
◆生年月日:昭和33(1958)年12月11日
◆性別:男
◆当時の年齢:27歳
◆身長:170cm
◆体重:60cm
◆当時の身分:製薬会社勤務
◆当時の住所:愛知県名古屋市
◆秋田県秋田市新屋出身
◆特徴:
1)やや面長
2)眼鏡とコンタクトレンズを併用
◆失踪場所:愛知県名古屋市千種区の自宅マンション
【失踪状況】
外食店で買い求めた弁当をアパート自室で食事中、部屋着の軽装で外出したまま行方不明。
部屋には財布、自動車免許など一切の身の回りのものは残されていた。
《特定失踪者・松橋恵美子さんについて》
◆氏名:松橋 恵美子
(まつはしえみこ)
◆失踪年月日:平成4(1992)年1月15日
◆生年月日:昭和40(1965)年5月15日
◆性別:女性
◆当時の年齢:26歳
◆当時の身分:縫製工場勤務
◆当時の住所:秋田県北秋田市三里(旧合川町)
◆失踪場所:秋田県能代市能代浜
【失踪状況】
祖母に「鷹ノ巣に行って来る」と告げて車で出かけたまま、その日は戻らなかった。
友人の家に行ったのだろうと思っていたら、翌朝出勤していないことがわかる。
家族で探したところ、能代市の海岸で車が見つかる。
車内には身の回りのものが全て残っていた。
北朝鮮にいるとの不確定情報がある。
【拉致事件、捜査の現状】
北朝鮮による拉致事件を巡り、日本の警察はこれまで実行犯や指示役として北朝鮮の元工作員たち合わせて11人を国際手配しています。
拉致には金正日(キム・ジョンイル)総書記が掌握していた対外情報調査部と呼ばれる工作機関が組織的に関わっていた疑いが強いと見て捜査を続けています。
このうち、福井県の地村保志さん・富貴恵さん夫妻を拉致した実行犯として元工作員の辛光洙(シン・グァンス)容疑者が手配されています。
また、大阪府の原 敕晁さんが拉致された事件では、辛容疑者とともに金吉旭(キム・キルウク)容疑者も共犯者として手配されています。
この他、東京都の久米 裕さん拉致事件では金世鎬(キム・セホ)容疑者が、新潟県の曽我ひとみさん拉致事件にはキム・ミョンスク容疑者がそれぞれ関わったとして手配されています。
北海道出身の渡辺秀子さんの子供2人の拉致事件では、工作員グループのリーダー格で北朝鮮にいると見られる洪寿恵(ホン・スヘ)こと木下陽子容疑者が手配されています。
新潟県の蓮池 薫さん・祐木子さん夫妻の拉致事件ではチェ・スンチョル容疑者が実行犯として手配されている他、金総書記が掌握していた対外報調査部と呼ばれる北朝鮮の工作機関の幹部であるハン・クムニョン容疑者とキム・ナンジン容疑者が拉致の実行を指示したとして手配されています。
ハン容疑者たちは工作機関で「指導員」と呼ばれる立場で、辛光洙容疑者たちもこの組織の一員だったことがわかっており、警察は北朝鮮が組織的に拉致を実行した疑いが強いと見て捜査を続けています。
よど号ハイジャック事件のメンバーたちも1980年代にヨーロッパで相次いだ3人の日本人拉致に関わった疑いで国際手配されています。
このうち、有本恵子さん拉致事件では魚本公博(安部公博)容疑者が、石岡 亨さんと松木 薫さん拉致事件ではよど号メンバーの妻の森 順子・若林佐喜子両容疑者がそれぞれ手配されています。
北朝鮮による拉致被害者の全員救出を訴える緊急集会が8月11日、秋田市中通のにぎわい交流館AU(あう)で開かれ、拉致の疑いを排除できない特定失踪者の家族が問題解決を訴えた。
救う会秋田が主催し、秋田県などが後援した。来賓としてあいさつした橋口昌道副知事は、県内出身の拉致被害者が判明した場合の受け入れ態勢について「鋭意検討、準備している」と明らかにした。
秋田市で看護学校に通っていた昭和35年に失踪した青森県八戸市出身の木村かほるさん(失踪当時21歳)の姉・天内(あまない)みどりさん(81歳)は
「満州(現・中国東北部)から引き揚げ、たくさんの死を見つめて看護婦になると決めた妹が自ら死ぬはずはない」
と述べ、北朝鮮による調査結果を複雑な思いで待っていると話した。
昭和48年に峰浜村(現・八峰町)の実家を出たまま行方が分からなくなった薩摩勝博さん(失踪当時23歳)の妹・品川貴美子さん(59歳。仙台市在住)は、特定失踪者問題調査会による北朝鮮向け短波放送「しおかぜ」について
「兄がラジオに耳を付けて聞いているのではないかと思うと、悲しい気持ちでいっぱいだ」
と述べ、再会を望んだ。
平成4年に合川町(現・北秋田市)の自宅を出たまま行方不明になった松橋恵美子さん(失踪当時26歳)の母・チヤさん(72歳)は体調を崩して参加できなかった。
家族が高齢化する中、集会は「子供や兄弟姉妹らの行方を捜し続ける方々の悲痛な思いを自らのものとして共有し、同胞を救出、奪還しよう」とする決議を採択した。
《特定失踪者・木村かほるさんについて》
◆氏名:木村 かほる
(きむらかおる)
◆失踪年月日:昭和35(1960)年2月27日
◆生年月日:昭和13(1938)年8月27日
◆性別:女性
◆当時の年齢:21歳
◆当時の身分:日赤秋田高等看護学校3年生
◆当時の住所:秋田県秋田市中通
◆特徴:
1)中肉中背
2)色白でいつも微笑みをたたえ優しい感じ
◆失踪場所:秋田市内
【失踪状況】
戸籍上は「かをる」だが、日常は「かほる」としていた。
看護学校の卒業式を10日後に控えていた。
「ちょっと出かけてくる」と寮の同室の友人数人に言って出て行ったきり戻らず。
平成16年9月29日、青森県八戸署に告発状を提出。
《特定失踪者・石田 清さんについて》
◆氏名:石田 清
(いしだきよし)
◆失踪年月日:昭和44(1969)年9月末~10月初め頃
◆生年月日:昭和18(1943)年3月16日
◆性別:男
◆当時の年齢:26歳
◆身長:158cm
◆体重:56kgくらい
◆当時の身分:自動車板金工
◆当時の住所:秋田県能代市二ツ井(旧二ツ井町)
◆特徴:片方の黒目が若干欠けている
◆失踪場所:秋田県山本郡二ツ井町(現在能代市)自宅アパートから
【失踪状況】
実家に稲刈りの手伝いに来て「明日も来る」と言っていたが、翌日来なかった。
自宅アパートの隣の家に寝巻きが投げ捨てられており、電線(もしくは電話線)が切られていたことから、事件ではないかと警察に通報した。
また日時は不明だが、二ツ井高校近くのバス停の鷹巣方面、藤里方面行き乗り場に立っていたという目撃情報もあった。
《特定失踪者・薩摩勝博さんについて》
◆氏名:薩摩 勝博
(さつまかつひろ)
◆失踪年月日:昭和48(1973)年1月
◆生年月日:昭和24(1949)年10月11日
◆性別:男
◆当時の年齢:23歳
◆当時の身分:農業・牛乳販売店勤務
◆当時の住所:秋田県山本郡八峰町(旧峰浜町)
◆失踪場所:秋田県峰浜村(現八峰町)の実家から能代市に向かったのが最後
【失踪状況】
失踪当時は農閑期だったため、勝博さんは出稼ぎで東京都杉並区の牛乳販売店に勤めていた。
そこを頼っていった同じ村落出身の女性(能代市居住)としばらく同居していた。
二人は結婚の意思を固め、失踪前夜に勝博さんの実家を揃って訪れるが父や親戚に反対される。
その夜は実家に泊まり、翌朝「彼女を能代市内に送ってくる」と行ったまま戻らず。
車も発見されていない。
《特定失踪者・佐藤正行さんについて》
◆氏名:佐藤 正行
(さとうまさゆき)
◆失踪年月日:昭和61(1986)年10月29日
◆生年月日:昭和33(1958)年12月11日
◆性別:男
◆当時の年齢:27歳
◆身長:170cm
◆体重:60cm
◆当時の身分:製薬会社勤務
◆当時の住所:愛知県名古屋市
◆秋田県秋田市新屋出身
◆特徴:
1)やや面長
2)眼鏡とコンタクトレンズを併用
◆失踪場所:愛知県名古屋市千種区の自宅マンション
【失踪状況】
外食店で買い求めた弁当をアパート自室で食事中、部屋着の軽装で外出したまま行方不明。
部屋には財布、自動車免許など一切の身の回りのものは残されていた。
《特定失踪者・松橋恵美子さんについて》
◆氏名:松橋 恵美子
(まつはしえみこ)
◆失踪年月日:平成4(1992)年1月15日
◆生年月日:昭和40(1965)年5月15日
◆性別:女性
◆当時の年齢:26歳
◆当時の身分:縫製工場勤務
◆当時の住所:秋田県北秋田市三里(旧合川町)
◆失踪場所:秋田県能代市能代浜
【失踪状況】
祖母に「鷹ノ巣に行って来る」と告げて車で出かけたまま、その日は戻らなかった。
友人の家に行ったのだろうと思っていたら、翌朝出勤していないことがわかる。
家族で探したところ、能代市の海岸で車が見つかる。
車内には身の回りのものが全て残っていた。
北朝鮮にいるとの不確定情報がある。
【拉致事件、捜査の現状】
北朝鮮による拉致事件を巡り、日本の警察はこれまで実行犯や指示役として北朝鮮の元工作員たち合わせて11人を国際手配しています。
拉致には金正日(キム・ジョンイル)総書記が掌握していた対外情報調査部と呼ばれる工作機関が組織的に関わっていた疑いが強いと見て捜査を続けています。
このうち、福井県の地村保志さん・富貴恵さん夫妻を拉致した実行犯として元工作員の辛光洙(シン・グァンス)容疑者が手配されています。
また、大阪府の原 敕晁さんが拉致された事件では、辛容疑者とともに金吉旭(キム・キルウク)容疑者も共犯者として手配されています。
この他、東京都の久米 裕さん拉致事件では金世鎬(キム・セホ)容疑者が、新潟県の曽我ひとみさん拉致事件にはキム・ミョンスク容疑者がそれぞれ関わったとして手配されています。
北海道出身の渡辺秀子さんの子供2人の拉致事件では、工作員グループのリーダー格で北朝鮮にいると見られる洪寿恵(ホン・スヘ)こと木下陽子容疑者が手配されています。
新潟県の蓮池 薫さん・祐木子さん夫妻の拉致事件ではチェ・スンチョル容疑者が実行犯として手配されている他、金総書記が掌握していた対外報調査部と呼ばれる北朝鮮の工作機関の幹部であるハン・クムニョン容疑者とキム・ナンジン容疑者が拉致の実行を指示したとして手配されています。
ハン容疑者たちは工作機関で「指導員」と呼ばれる立場で、辛光洙容疑者たちもこの組織の一員だったことがわかっており、警察は北朝鮮が組織的に拉致を実行した疑いが強いと見て捜査を続けています。
よど号ハイジャック事件のメンバーたちも1980年代にヨーロッパで相次いだ3人の日本人拉致に関わった疑いで国際手配されています。
このうち、有本恵子さん拉致事件では魚本公博(安部公博)容疑者が、石岡 亨さんと松木 薫さん拉致事件ではよど号メンバーの妻の森 順子・若林佐喜子両容疑者がそれぞれ手配されています。