北朝鮮による拉致事件の集会が10月8日に神奈川県藤沢市で行われました。
集会では久米 裕さん拉致事件が取り上げられました。
「昭和52年、東京の三鷹市役所でガードマンをしていた久米 裕さんが北朝鮮の工作員にだまされて拉致された」
(特定失踪者問題調査会・杉野正治常務理事)
久米 裕さんをだました北朝鮮の工作員3人は、久米さんを石川県の宇出津から北朝鮮へ連れ出しました。
「久米さん拉致事件の犯人3人は宇出津の旅館に投宿したが、“何かおかしい”と気付いた旅館の女将さんが警察に通報。事件が発覚した」
(杉野常務理事)
通報を受けた警察は工作員1人を逮捕。
その後の家宅捜索で乱数表等が押収されました。
しかし、久米さん拉致事件は立件されませんでした。
杉野常務理事は
「起訴したとして公判の維持が難しいことと、この工作員を泳がせて北朝鮮による工作の全容をつかもうとしたのではないか」
と話しましたが、実際には「泳がせた」とは程遠いものでした。
「久米さん拉致と同じ時期に大量の失踪者が出ている。何故、みすみす拉致されたのだろう?」
(杉野常務理事)
集会では救う会神奈川の川添友幸代表が
「久米さん拉致事件の実行犯の1人は現在、東京都西東京市に住んでいる。家に乗り込んでやろうかと思う」
と怒りを露わにしました。
また、集会に参加した横田めぐみさんの父親の滋さんは
「今度の拉致問題担当大臣は現政権で7人目ですが、拉致問題担当大臣ってのは役に立ってるんでしょうかねえ」
と述べ、母親の早紀江さんは
「松原さんは本当によくやってくれていたのに。野田さんは何の説明も無しに担当大臣を代えた」
と、現政権の拉致事件への取り組みに不満を述べました。
民主党参議院議員として集会に参加したジャーナリスト・有田芳生さんも
「拉致問題の予算執行率の低さ(約30%)も問題だが、予算執行の中身が朝鮮中央通信や『労働新聞』の翻訳の費用ばかりというのは困りものだ。予算を使って情報を取りに行かなきゃダメだ」
と現政権の取り組みを批判したうえで
「これはいのちの問題だ。早く着実な交渉をしろ!」
と強く訴えました。
◆昭和52(1977)年9月19日
宇出津(うしつ)事件
被害者:久米 裕さん(拉致被害時:52歳)
石川県宇出津海岸付近にて失踪。
北朝鮮側は、久米さんの入境を完全否認している。
捜査当局は主犯格である北朝鮮工作員、金世鎬(キム・セホ)について、平成15年1月逮捕状の発付を得て国際手配しており、政府として北朝鮮側に身柄の引渡しを要求している。
平成18年2月の日・朝包括並行協議で、北朝鮮側は金世鎬について「かかる人物は承知していない」としつつ、我が方からの関連情報提供を前提に、同人特定のための調査を行う旨回答している。
【拉致事件、捜査の現状】
北朝鮮による拉致事件を巡り、日本の警察はこれまで実行犯や指示役として北朝鮮の元工作員たち合わせて11人を国際手配しています。
拉致には金正日(キム・ジョンイル)総書記が掌握していた対外情報調査部と呼ばれる工作機関が組織的に関わっていた疑いが強いと見て捜査を続けています。
このうち、福井県の地村保志さん・富貴恵さん夫妻を拉致した実行犯として元工作員の辛光洙(シン・グァンス)容疑者が手配されています。
また、大阪府の原 敕晁さんが拉致された事件では、辛容疑者とともに金吉旭(キム・キルウク)容疑者も共犯者として手配されています。
この他、東京都の久米 裕さん拉致事件では金世鎬(キム・セホ)容疑者が、新潟県の曽我ひとみさん拉致事件にはキム・ミョンスク容疑者がそれぞれ関わったとして手配されています。
北海道出身の渡辺秀子さんの子供2人の拉致事件では、工作員グループのリーダー格で北朝鮮にいると見られる洪寿恵(ホン・スヘ)こと木下陽子容疑者が手配されています。
新潟県の蓮池 薫さん・祐木子さん夫妻の拉致事件ではチェ・スンチョル容疑者が実行犯として手配されている他、金総書記が掌握していた対外報調査部と呼ばれる北朝鮮の工作機関の幹部であるハン・クムニョン容疑者とキム・ナンジン容疑者が拉致の実行を指示したとして手配されています。
ハン容疑者たちは工作機関で「指導員」と呼ばれる立場で、辛光洙容疑者たちもこの組織の一員だったことがわかっており、警察は北朝鮮が組織的に拉致を実行した疑いが強いと見て捜査を続けています。
よど号ハイジャック事件のメンバーたちも1980年代にヨーロッパで相次いだ3人の日本人拉致に関わった疑いで国際手配されています。
このうち、有本恵子さん拉致事件では魚本公博(安部公博)容疑者が、石岡 亨さんと松木 薫さん拉致事件ではよど号メンバーの妻の森 順子・若林佐喜子両容疑者がそれぞれ手配されています。
集会では久米 裕さん拉致事件が取り上げられました。
「昭和52年、東京の三鷹市役所でガードマンをしていた久米 裕さんが北朝鮮の工作員にだまされて拉致された」
(特定失踪者問題調査会・杉野正治常務理事)
久米 裕さんをだました北朝鮮の工作員3人は、久米さんを石川県の宇出津から北朝鮮へ連れ出しました。
「久米さん拉致事件の犯人3人は宇出津の旅館に投宿したが、“何かおかしい”と気付いた旅館の女将さんが警察に通報。事件が発覚した」
(杉野常務理事)
通報を受けた警察は工作員1人を逮捕。
その後の家宅捜索で乱数表等が押収されました。
しかし、久米さん拉致事件は立件されませんでした。
杉野常務理事は
「起訴したとして公判の維持が難しいことと、この工作員を泳がせて北朝鮮による工作の全容をつかもうとしたのではないか」
と話しましたが、実際には「泳がせた」とは程遠いものでした。
「久米さん拉致と同じ時期に大量の失踪者が出ている。何故、みすみす拉致されたのだろう?」
(杉野常務理事)
集会では救う会神奈川の川添友幸代表が
「久米さん拉致事件の実行犯の1人は現在、東京都西東京市に住んでいる。家に乗り込んでやろうかと思う」
と怒りを露わにしました。
また、集会に参加した横田めぐみさんの父親の滋さんは
「今度の拉致問題担当大臣は現政権で7人目ですが、拉致問題担当大臣ってのは役に立ってるんでしょうかねえ」
と述べ、母親の早紀江さんは
「松原さんは本当によくやってくれていたのに。野田さんは何の説明も無しに担当大臣を代えた」
と、現政権の拉致事件への取り組みに不満を述べました。
民主党参議院議員として集会に参加したジャーナリスト・有田芳生さんも
「拉致問題の予算執行率の低さ(約30%)も問題だが、予算執行の中身が朝鮮中央通信や『労働新聞』の翻訳の費用ばかりというのは困りものだ。予算を使って情報を取りに行かなきゃダメだ」
と現政権の取り組みを批判したうえで
「これはいのちの問題だ。早く着実な交渉をしろ!」
と強く訴えました。
◆昭和52(1977)年9月19日
宇出津(うしつ)事件
被害者:久米 裕さん(拉致被害時:52歳)
石川県宇出津海岸付近にて失踪。
北朝鮮側は、久米さんの入境を完全否認している。
捜査当局は主犯格である北朝鮮工作員、金世鎬(キム・セホ)について、平成15年1月逮捕状の発付を得て国際手配しており、政府として北朝鮮側に身柄の引渡しを要求している。
平成18年2月の日・朝包括並行協議で、北朝鮮側は金世鎬について「かかる人物は承知していない」としつつ、我が方からの関連情報提供を前提に、同人特定のための調査を行う旨回答している。
【拉致事件、捜査の現状】
北朝鮮による拉致事件を巡り、日本の警察はこれまで実行犯や指示役として北朝鮮の元工作員たち合わせて11人を国際手配しています。
拉致には金正日(キム・ジョンイル)総書記が掌握していた対外情報調査部と呼ばれる工作機関が組織的に関わっていた疑いが強いと見て捜査を続けています。
このうち、福井県の地村保志さん・富貴恵さん夫妻を拉致した実行犯として元工作員の辛光洙(シン・グァンス)容疑者が手配されています。
また、大阪府の原 敕晁さんが拉致された事件では、辛容疑者とともに金吉旭(キム・キルウク)容疑者も共犯者として手配されています。
この他、東京都の久米 裕さん拉致事件では金世鎬(キム・セホ)容疑者が、新潟県の曽我ひとみさん拉致事件にはキム・ミョンスク容疑者がそれぞれ関わったとして手配されています。
北海道出身の渡辺秀子さんの子供2人の拉致事件では、工作員グループのリーダー格で北朝鮮にいると見られる洪寿恵(ホン・スヘ)こと木下陽子容疑者が手配されています。
新潟県の蓮池 薫さん・祐木子さん夫妻の拉致事件ではチェ・スンチョル容疑者が実行犯として手配されている他、金総書記が掌握していた対外報調査部と呼ばれる北朝鮮の工作機関の幹部であるハン・クムニョン容疑者とキム・ナンジン容疑者が拉致の実行を指示したとして手配されています。
ハン容疑者たちは工作機関で「指導員」と呼ばれる立場で、辛光洙容疑者たちもこの組織の一員だったことがわかっており、警察は北朝鮮が組織的に拉致を実行した疑いが強いと見て捜査を続けています。
よど号ハイジャック事件のメンバーたちも1980年代にヨーロッパで相次いだ3人の日本人拉致に関わった疑いで国際手配されています。
このうち、有本恵子さん拉致事件では魚本公博(安部公博)容疑者が、石岡 亨さんと松木 薫さん拉致事件ではよど号メンバーの妻の森 順子・若林佐喜子両容疑者がそれぞれ手配されています。