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夢の続き・・・

法政大学ラグビー部・旅行・犬・自然を
こよなく愛し、ささやくブログ

鳥獣駆除に思う

2010年10月27日 08時17分24秒 | 世の中の出来事
最近、熊、猿、鹿、猪といった動物が住宅地に出没し、危害を加えているといった
ニュースが連日報道されている。
ドングリといった食べ物が今年というか近年少なくなったことが原因で、
食べ物を求めて降りてきているようだ。

しかし、小生 その報道の意味はわかっているが、どこか他人事のように感じていて、
深い意味は分かっていなかった。

実は小生の住む町にも猿や猪、鹿、熊などが出没する。
猪を除けばどれも昔はいなかった動物だ。
食べ物をもとめて、近年、この地に来たようだ。
しかし、自分自身が被害にあっていないこと、その現場を見ていないことなどが原因で、
深いことは考えようともしなかった。

小生の住む地域は11月3日 お祭りがある。
このお祭りには、神輿が出る。
この地域には昔から山岳信仰があって、神輿は山の中を練り歩く。
よって先週末、事前に山道を整備するため、地域の住人とともに出かけた。

草を刈ったり、土砂をどけたりしていると何か動くものがいる。
何と鹿がいたのだ。
しかしどこか様子がヘン。
よく見てみると、左後ろ足にワイヤーが絡みついており、行政側が仕掛けた罠であった。

噂では聞いていたが、こんなに街に近い山のふもとで鹿を見たのは初めてであった。

1m近い大きな雌鹿であった。
目がクリクリしていて何ともいえない位かわいい。
そして、我々に怯えているのか? 助けを求めているのか?
何ともいえない悲しい目をしていた。

小生 この目で もうダメじゃ。

地域の長老に聞くと、この鹿は処分されるそうだ。
かわいそうで見ていられなかった。

「この道整備の作業がおわり、解散して皆帰ったら、もう一度来て鹿を逃がしてあげよう」
そう思った。

しかし、少しして、それは出来ないことを悟った。
この地のそばの畑で作物が食い荒らされ、凄い被害が出ているいうことを知ったからだ。

そういった被害者の方に対し、代わりの対策があるのか?
それとも、こういった被害が出ない場所に鹿を連れて行ってあげられるか?

それがなければ、ただの「無責任なエゴイスト」ということに気付かされたのだ。

とはいえ、理屈では収まらない無力感というか罪悪感のような後味の悪い思いが残った。
助けてあげたかった。申し訳ないとも思った。


そして駆除している猟友会の人と話す機会があって聞いた。
この方たち、猟が好きだと思いきや必ずしもそうではない。
こういった駆除の猟は苦しいという。

特に動物でも猿を撃つのは特に嫌だという。
人間とよく似ているからだ。
もがき苦しむ姿。死んだ猿に仲間が寄り添い、嘆き、抱える姿など
見ていて辛いと言う。
猿以外にもかわいい顔や苦しむ姿などをみると、
何とも後味の悪いものがあるという。

連日の報道にでる鳥獣駆除。一言で言えば簡単だし、小生もそれ以上を
考えてもいなかったが、実はその中身はこうした後味が
悪いものを、多くの関係者が感じている上で成り立っていることだと初めて知った。
そして安全を享受していることも。

今回、初めて現場の辛い一面を知ったわけだが、人間と動物の共存って
考えている以上に難しいなと思う。

電気柵など設けて、なるべく被害を出さず、動物も殺さずの対策を設けているものの、
財政は何処の自治体も厳しい。 完璧には出来ない。
だから処分するしかないというのも現実だ。

小生も有効な策が簡単には思いつかない。
願わくば動物が街に近づかないことを願わずには要られない。

そして、動物が食べるであろう植物やクヌギ・カシなど、木の実をつける木など
むやみに伐採しないことくらいしか小生には出来ない。

動物との共生を考えさせられた鹿の悲しい目であった。