プロコフィエフの日本滞在日記

1918年、ロシアの若き天才作曲家が、大正期のニッポンで過ごした日々

サソリ座

1918-07-01 | 日本滞在記
1918年7月1日(旧暦6月18日)

 横浜のグランドホテルに移る。コンサートの前に少しお披露目をしなければならない。加えるに、こちらは涼しいし、ヨーロッパ人が多い。蒸し暑い日には、かげろうのように空に溶け込む水平線が、とてもきれいだ。夜の空には、赤いアンタレス星のある素晴らしいサソリ座。ここではあらゆる星座がはっきりと、恐ろしくて神秘的な獣そのものの姿で輝いている。