プロコフィエフの日本滞在日記

1918年、ロシアの若き天才作曲家が、大正期のニッポンで過ごした日々

公演前夜

1918-07-05 | 日本滞在記
1918年7月5日(旧暦6月22日)

『ひきがえる』という初めての静的描写の短編に挑み始めた。きのうの祝宴からアイデアが生まれたのだ。

 夜、腹をこわした。おそらく食べたものが悪かったのだろう。トイレに行く途中、意識を失ってしまった。ストロークは、明日のコンサートがだめになるのではないかと驚いて、献身的に世話してくれた。医者(タキシードを着たイギリス人)に見てもらったが、たいしたことはない、ここではよくあることなので明日は演奏できる、と言われた。