プロコフィエフの日本滞在日記

1918年、ロシアの若き天才作曲家が、大正期のニッポンで過ごした日々

軽井沢

1918-07-19 | 日本滞在記
1918年7月19日(旧暦7月6日)

 毎朝モダン音楽を弾かせてもらっているイギリス人に誘われて、軽井沢に出かけた。煙とススと暑さのなかを行くこと6時間、ニッポンのど真ん中、標高3000フィートの地にある。標高のおかげで、そこは横浜のフライパンよりはるかに涼しく、それが何よりも魅力的だ。イギリス人(あるいはオーストラリア人かも)は、左右に開く壁のある質素な日本家屋を借りていて、そこに彼の妻が住んでいる。