プロコフィエフの日本滞在日記

1918年、ロシアの若き天才作曲家が、大正期のニッポンで過ごした日々

『二人の侯爵』

2008-05-31 | プロコフィエフ短編
プロコフィエフの短編小説、ラストに残った『二人の侯爵』をほぼ訳し終えました。彼の小説には「二人の男シリーズ」ともいうべき類似した系統があり、これもそのひとつ。そして例によって不条理です。「善良な人」が一人も出てこない。終わり方も唐突であっさりしたものです。

ところでロシア人研究者の方にうかがった話では、プロコフィエフとショスタコーヴィチのダーチャは、お隣同士だったそうですね。ショスタコーヴィチの子供たちが庭で遊んでいると、「うるさい、あっちいけ!」とプロコフィエフおじさんによく怒られたのだとか。その言い回しにそっくりのセリフが、この小説のなかに出てきます。