白樺小舎便り(しらかばごやだより)

北信濃の田舎暮らしの日々

いつむーななやー、今なんどきでぇ?

2023年06月13日 20時41分18秒 | 日記
「おやじ、何ができるんでぇ」
「へぇ、花巻に卓袱(しっぽく)です」
 落語の時そばをご存じだろうか。客がそば屋をほめ倒していい気持ちにさせ、勘定の途中で時を訊き一文胡麻化してしまう噺だ。
その時登場するのが花巻と卓袱。
花巻というのはたっぷりと海苔をのせたそば。
卓袱はたくさんの具材を豪華に乗せたそば。
そば屋のメニューでついぞ見かけない。
ところが、何と卓袱があるそば屋を偶然見つけたのだ。これは行かねばなるまいと、さっそく食べに行った。場所は長野市七瀬、佐々木そば店。明治二十八年創業の老舗。四代目の主人とお母さんがそばを作ってくれた。
細めのそばと、やや甘めの汁が具とそばに合ってとても美味しかった。
わが村の中塩という地区に嫁いだ娘さんの応援で、休みの日にはリンゴ畑に通っているという。
長野市では小菅亭と並んで古い店だそうな。
ちなみに両店は同じ店からのれん分けしたという。
改めて世間は狭いと感じた。
 この次は花巻がどこかにあれば食べに行きたいと思う。
最終的には自分で作る手もあるか。たくさんの海苔を暖かいそばにのせればいいだけだから。
寄席で、小さんが時そばを演じると近くのそば屋は満席になったという。
そばと落語は縁が深い。
特に江戸落語は〝粋(いき)”で結びついている気がする。
「いつむーななやー、今なんどきでぇ?」
「九つです」
「十、十一・・・」
お後がよろしいようで。



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