白樺小舎便り(しらかばごやだより)

北信濃の田舎暮らしの日々

隣の街でー中野市の事件

2023年05月26日 06時16分30秒 | 日記
昨夜から全国ニュースになった中野市のナイフ刺殺&猟銃射殺事件は、今朝容疑者の身柄が確保された。
まず、四人の犠牲者の冥福を祈る。
何があったのか、何故このような事件が起きたのか、これから明らかになるのだろうが、ここから十数キロの隣の街で、このような事件が起きたことに驚く。
私が高校時代に通った街で、のどかな田園地帯。
高社山、斑尾山という千三百メートル前後の名山がある。
間山温泉ぽんぽこの湯と長峰温泉という温泉がある。
昨年亡くなった義姉が住んでいた街でもある。
私が『北の街』と呼んで、文学的情緒に浸っていた高校生時代から馴染み深い街。
中山新平、高野辰之、久石譲を生んだ街。
DeNAの牧君の故郷。
昨夜は自宅の真上を何度もヘリが飛んで行った。
多分東京方面からの警察の応援やマスコミの取材なのだろう。
いたって平和で静かな街でも、こんな事件が勃発することがあるのだな。
人が暮らしているのだから、何が起きても不思議はないと頭では理解しているが、この町では情緒的にしっくり来ない。

亡くなられた方にせめて花の写真を供えよう。
庭で咲き始めたニッコウキスゲの花だ。





黒百合

2023年05月17日 19時11分33秒 | 日記
黒百合平。北八ヶ岳にある。
高校生の頃、登山地図を眺めては八ヶ岳の地名に心ときめかせていた。麦草峠、夏沢峠、白駒の池、高見石、にゆう等々。
その中の一つに黒百合平がある。
黒百合。何となく高貴な感じがする。

岳人の歌にも歌われている。

岳人の歌
1.星がふるあのコールグリセードで
  あの人はくるかしら花をくわえて
  アルプスの恋唄
  心ときめくよ なつかしの岳人
  やさしかのきみ
  
2.白樺にもたれるは
   いとしおとめか
  あの黒百合の花を胸にいだいて
  アルプスの黒百合
  心ときめくよ なつかしの岳人
  やさしかのきみ 

黒百合でググってみると
クロユリはとても素敵な花言葉と、とても怖い花言葉の2つの花言葉を持っており、プレゼントには向きません。素敵な意味の花言葉は「恋」「愛」です。これは、アイヌ民族の言い伝えが由来していると言われています。もう1つの怖い意味の花言葉は「呪い」「復讐」です。
となっている。

呪いや復讐なんて知るか!
岳人にとっては素適な花言葉だけでいい。


我が家の庭で黒百合が咲いた。





高地や寒いところでしか咲かないという。
ここは標高560メートル。多分限界ぎりぎりの場所なのだろう。

古希を過ぎたが、岳人の歌や山小屋の灯などを聴くと、胸の奥が疼く。甘さや哀しみの感情が増幅されて、キスリングを背負って歩いた日々のことを懐かしく思い出す。


残されたミッションを果たしに

2023年05月03日 21時17分44秒 | 日記
晴れた五月、民衆の高らかな歌声が聞こえたのはもう昔のこと。
今はもうその歌声も抑え込まれてしまった。
再び歌声が起こることを信じて。

元日に飯縄山に登って南峰のお地蔵さんの前掛けを取り替えてきた。
本峰のお地蔵さんは雪の中で見つけられなかった。
それはカミさんのミッションとなった。
それを果たしに、二日、七十八歳になる友人を誘って三人で飯縄山に登った。

登山口。
ここは昔修験道の山。


もとよりのんびり登山は覚悟していた。
ここは一の鳥居。

フデリンドウ。

イワカガミ(オオイワカガミ?)。
スミレ。
スミレは驚くほど種類が多く、正式な名前はよく知らない。

ショウジョウバカマ。


奇麗な花だった。
野に咲く花の名前は知らない。
だけども野に咲く花が好き。
帰って調べてみたら『エイザンスミレ』らしい。

これは葉の形からスミレの仲間らしいが、色と言い形と言い気品がある。
牧野富太郎なら教えてくれるに違いない。

エンレイソウ。

このような像が十三ある。十三佛。

駒つなぎの場。
積雪期はこの尾根をロープにつかまり直登する。
夏道は右へ迂回。
気分的にはここが五合目。

風雪に耐えた雄々しい姿。

空気が澄んでいれば富士山が見える。

水場の上に一輪だけ咲いていたカタクリ。

天狗の硯岩。

高度を上げると戸隠連峰の西岳、本院岳が鋸の刃のよう。


山頂直下のお堂には天狗が祭られている。
これは飯綱三郎天狗。

飯縄神社がある南峰に到着。
何と四時間以上をかけてここまで登ってきた。
元日には一時間半だった。

初めてコーヒープレスを使ってみた。
自家焙煎の粉でとても美味しかった。
ここで気づいたのだが、問題が一つある。
コーヒー豆の片づけが大変だ。
コンロ一式はこの鍋(コッフェル)の中に納まるようにできているが、中をきれいにしないと入れられない。
山コーヒーを楽しむという贅沢な気分を味わうにはこれを解決せねばならない。
ここで遅い昼食。

友人は足が痛いという。
聞いてみると靴下は厚手と薄手の二枚履いているという。
観察してみると、靴ひもをきっちりと締め、フックの上から四段目で一回きつく縛ってある。
それはまるで石膏で固めてあるよう。
指で確かめてみると、全く余裕がない。
これでは血行が悪くなる。
昔は靴ひもをきっちり結べ、という指導がされたことがある。
ただそれは三十キロ以上の重い荷を背負って岩場を歩く時だ。
靴の紐を解いて緩め、フックの上二段は外した。中で指が自由に動くよう締め直した。
現在ではトレランシューズのように足首が自由に動くスタイルが主流。
足だってもっと自由を求めている。
脚の痛い友人は待機してもらってカミさんとミッションを果たしに本峰に行った。

たくさんいた登山者もすでにいない。

ビフォー。

アフター。

残雪の火打。左焼山。

高妻から乙妻。

白馬三山。
展望には事欠かない。

下りもゆっくり降りた。
全行程、八時間近い。
こんなにゆっくりした登山は何年ぶりだろう。
陽は大きく西に傾いていた。

五月のさわやかな空気を吸いながら楽しめた山旅だった。







スマホデビュー

2023年05月01日 20時57分36秒 | 日記
鎖から解き放たれた十一年間。
今再び鎖に繋がれてしまった。

今時ガラケーの人などそうはいないだろう。
ましてやスマホもガラケーも持っていない人などいるだろうか。
還暦でリタイアすると同時にガラケーから自由になった。
そして十一年余り、余計な情報も、悪い知らせも入って来なくなった。
何の不自由もなかった。
電車の中のスマホ族の中で私は紙の本を読んでいた。

四月から地区の三役を務めることになった。
自宅にいないことが多いので、その関係者からの連絡が付かない。
仕方がないのでスマホデビュー。

機種本体1円。スマホ代は一日50円以下のプラン。
最低の機能があればいい。
電話、メール無料。

まあ、便利な機能もあるのでありがたい面もある。
カメラ、ラジオ、その他のアプリ。
基本的にはパソコンの方が使い勝手がいいが、外出先ではスマホを使うこともあるだろう。

便利さとは裏腹に何よりも大切な自由を失ったような気がして少し悲しい。