ー寝ころんで移り行く白い浮雲をいつまでも眺めていたいような山であった。
信州百名山の著者清水栄一はこのように書く。
富士見台は雨の多い南信にあって、ほとんどの山が二千数百メートルまで黒い樹木に覆われているが、この山はめづらしく一面の笹に覆われている。標高は千七百三十九メートルと、決して高くない。
昨年の四月、この富士見台に登るべく、八十歳の義姉とかみさんを連れて出かけて行った。中津川の湯船沢という最後の集落を過ぎくねくねとした山道を来るまで登って行った。半分ほど登ったところで工事をしていて通行止めになっていた。前年の台風で崩れたのだという。通行止めの案内も出ていたのだろうが見逃していた。泣く泣く引き返して、昼神温泉に浸かり、花桃を眺めて帰ってきたことがあった。
リベンジの機械を伺っていたが、片道二百五十キロ近くある。簡単には行けない。コロナ騒ぎで自粛ということもあり伸ばし伸ばしになっていた。
天気の巡りも好天期に入ってきたようで、この機会に出かけることにした。義姉に声をかけると、行くよと二つ返事。
今回は通行止めもなく、神坂峠の無料駐車場に着いた。
車は六~七台ほど。
往復でも一時間半ほどの行程。
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少し紅葉が始まったようだ。
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萬岳荘。ここまで来るまで入れる。
横に冷たくて美味しい水場がある。
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一面の笹原。
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まるで手入れでもしているように丈が揃っている。
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ログハウスを作るのは楽しい。
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南アルプス、中央アルプス、北アルプスの乗鞍岳、御嶽山、そして恵那山、南木曽岳、名前を特定できない山々が僕らを包んでいた。
限りなくのどかであった。
時間がたっぷりあるので、ガスコンロ持参で来た。
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先日モンベルで購入した山の棒ラーメン。
さほど寒くはないが、九月終わりの山の上は、暖かいラーメンがうれしい。
持参したおにぎりや、果物、漬物等のご馳走を広げて、一時間ほど山頂で過ごした。
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南アルプス。
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恵那山。
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義姉はこの十月で八十二歳になる。
義姉が行ける山を選ぶのもまた、楽しみのひとつ。
これで、信州百名山は九十一座目となった。
残るのは裏銀座の烏帽子、野口五郎、鷲羽、三俣蓮華、南アの赤石岳、鋸岳、池口岳、木曽山脈の小秀山、中アの安平路山の九座。いずれも一筋縄ではいかない山ばかり。ここから遠く、日帰りが難しい山ばかり。
ただ数をこなしていくのではなく、残りの山をいつくしむように、大切に登っていきたいものだ。
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