白樺小舎便り(しらかばごやだより)

北信濃の田舎暮らしの日々

梅雨の中休み 伝説の姨捨山へ 

2020年07月05日 20時30分17秒 | 日記
熊本は線状降水帯の豪雨で球磨川が氾濫、大きな被害が出ている。
信州のこの辺りも昨年の台風19号で千曲川の堤防が決壊し、目の前でその状況を見ているので、他人ごとではない。
昨年、開聞岳登山の折、人吉で一泊した。その時の旅館もニュースの映像では水没しているように見えた。
自然界の凶暴化も、コロナウィルスも、人間の所業がもたらしたもの。経済最優先の今の社会の在り方はもう限界にきているのだろう。

自粛生活が長引く中で、なかなか山にも行けなかったが、2週間ほど前、青木村の子壇嶺(こまゆみ)岳に登った。青木三山の一つで、間違いなく名山。

今日は午後3時頃まで雨は降らない予報なので、姨捨伝説で有名な姨捨山(冠着山)に出かけた。標高は1,252メートル。
メンバーは八十一才、七十五才、六十七才のおばば達とおじじの僕。
アプローチはいくつかあるが、今回は上山田温泉から林道に入るルート。
ぐんぐん標高を稼ぎ、曲がりくねった道を行くと、広い駐車場がある。
そこが鳥居平駐車場。
案内板を見ると、山頂まで1.1キロとある。
登り30~40分のハイキング程度だが、長い間山に登っていなかったり、脚を痛めていたりと、無理は禁物なので、丁度いい足慣らしの山だ。






ゆっくり歩くと草や樹木に目が行く。
特にこの時期、植物は水分をたっぷり含んで、生き生きとしている。




誰もいない山頂には神社と山名表記の方位盤。



更科や 姨捨山の 月ぞこれ  虚子


残念なことには、雲が周囲の景観を隠して見せてくれなかったが、僕らはたくさんのご馳走を分け合って、おいしく楽しいひと時を過ごした。



あっという間に小一時間が過ぎた。
八十一才はこのくらいの山なら毎日登ってもいいな、と言った。
臥竜山に毛が生えたくらいの山だね、と七十五才が言った。
このくらいで登れる里山を、また見つけておくね、と六十七才。
幾つになっても本当に山が好きなおばば達。

久方ぶりに山の空気を吸い、心身ともに活性化して、下山後は街中にある戸倉国民温泉で汗を流した。源泉かけ流しで、三百円で入れるいい温泉だ。


* * * * * *
このところ、アナログ生活を送っていた。
ブログも書かず、読みもせず、何をしていたかというと、菜園の草取りと収穫、庭の手入れ、ツーリングバイクの小旅行。蕎麦打ち教室の段取り。
それはそれで、十分満ち足りていた。
晴耕雨読。雨の日は読書。図書館で十冊まで、ひと月の間借りることができる。
もとより、スマホも携帯も持たない身、自然との対話、自分との対話のゆったりした時間に身をゆだねていた。

かねてより、隠遁生活に惹かれる心情の持ち主で、ともすればこのままでいいかとも思うが、たまにはブログも更新しないと死んでしまったと思われかねないので、元気ですのメッセージを込めて書いてみました。今年ももう折り返しを過ぎたのですね。

豪雨災害に遭われた皆さんに、心よりお見舞い申し上げます。










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2 コメント

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Unknown (たか)
2020-07-08 11:30:50
偶には温泉もと戸倉で一泊した翌日、姥捨山を登ろうと街の人に尋ね尋ね登山口に向かいました。
ところが雪が深くスタットレスタイヤを履いていたにも関わらず空回りしてしまい、どうにも進めなくなってしまったのです。
仕方なく近くの八頭山に切り替え登山口まで何とか辿り着きましたが、此方も雪が深く一つの山頂は制覇したものの全てを廻る事は出来ませんでした。

次に行ったのは主人がくも膜下で手術後のリハビリが終わり退院したその日、上山田に静養で出かけた時でしたが
さすが山は未だ無理でしたので向かったのは棚田でしたが姥捨山は未だに縁が無いまま何時の間にか頭の中から消えてしまいました。
ブログを拝見させて頂いて秋にでも登りに行ってみようかと言う気持ちになっているところです。
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ぜひ、ぜひ (nob)
2020-07-08 16:46:11
簡単に登れ過ぎて物足りないかもしれませんが、小春日和の秋の一日、山頂でコーヒーでも飲みながら、物思いにふける、あるいは何も考えずボーとして自然と混然一体となって満ち足りたひと時を過ごす。そんな風に登るのがふさわしい山です。本当の山好きが訪れるのにいい山です。ぜひおいでください。

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