わが緩和ケア病棟では、ザリガニを飼っています。
昨年の11月ごろ。ある患者さんの子どもさんが、当院のお庭にある小川で、ザリガニを捕まえてきたのでした。その患者さんの奥さんであるおかあちゃんは、家でそのザリガニを飼うことを猛反対いたしまして、当緩和ケア病棟が世話をすることになったのでした。
残念ながら、その患者さんはお亡くなりになったのですが、お子ちゃまたちがまた、病棟にザリガニちゃんを見に来れるように…、という思いもこめて、飼うことにしたのであります。
うちのクラークさん曰く、そのザリガニちゃんはメスだそうで(へ~~~~、どうやって見分けんの?)。
私は、ザリ子ちゃんと呼んでます(呼んでいるのは私だけー)。
そのザリ子ちゃん、もう春が来たということで、近くの川に、もともとの活動拠点?に戻してあげようという話が持ち上がりました。
このザリ子ちゃんのいる水槽は、以前、「ゾメタ」(こてこての医療者がつけました!ちゅう、名前っ!)という名前の出目金が住んでいたのですが、ゾメタちゃんが死んでしまってから、水槽は緩和ケア病棟のカウンターから撤去されておりました。
ザリ子ちゃんのおかげで、またカウンターには水槽が復活。
このザリ子ちゃん、ゾメタちゃんのように、かなり、病棟のスタッフの人気者です。
ゾメタちゃんが調子悪くなった時には、ICUと称したバケツを作って、手厚い看病をしてましたからー。水槽を突っつくと、ひょこっとこっちを振り向いてくれたような気がして…。気のせいかもしれない(そうに間違いない)けど、愛着があったんですね。
ザリ子ちゃんも然り。
ザリ子ちゃんをこよなく可愛がっているのは師長さん。そして、溺愛+過保護をきわめているのは、ドクター。
ザリ子ちゃんのために、ザリガニ用のえさを買ってきて。ここまでは普通。
ザリ子ちゃん用の小屋?なるお皿のような陶器、食いちぎられるたびに、新しい藻を購入、そして、えさをなるべくザリ子ちゃんのいる付近に落とせるようにストローを小細工?。
一日1回は、この御二方、必ず水槽を眺め、ザリ子ちゃんに癒されている人々です。眺めなれることにはなかなか馴れることのないザリ子ちゃん…。
ドクターによると、ザリ子ちゃんは師長さんを仲間だと思っているそうです。
ちなみに。
ドクターによると。
ザリ子ちゃんは、私のことを「食われてしまう」と警戒しているのだそうです。
んな、あほな。
ザリガニって食べれるとか言い出したのはドクターの方やし。
ザリ子ちゃんが大きくなって、美味しそうなえびらしくなってきたな、と思うのくらい、普通の?ことやないの。
そして、ザリ子ちゃんのお別れ計画が立てられました。ドクターは、近くに川の安全?そうなところを見つけてきて、ここに放してやろうと考えておりました。
この計画に「待った!」をかけたのは師長さん。
ザリ子ちゃんにとても癒されているので、ザリ子ちゃんと別れるのはさみしい…、と。
…そこまで、ザリ子ちゃんを愛しておったのか…。
ほーーー。
そこで、ドクターが考えた案は、今の「初代」ザリ子ちゃんは川に放してやって、2代目ザリ子?ちゃんを春になったら飼おう、というものでした。
「空騒ぎのメンバーみたいに、2代目を連れてくる」案に師長さんも納得。
最近、大きくなってめっきり小屋にこもりきりのザリ子ちゃん。
以前は、水槽を脱走したこともありました。
夜勤のスタッフが真っ暗な廊下でのそのそ動く「物体」を発見し、「ぞぞぞわーーー」っと物の怪???を感じていたところ。
よく見ると、ザリ子ちゃんだったのです。
ザリ子ちゃんの腹は、埃まみれになっていたんだとか。
憎めないやつ…。
廊下のお掃除、ご苦労さん。
まだ、2代目ザリ子?ちゃんをいつ迎えるかは未定ですが、決まればまたお伝えしますね。
…どうでもええことかな…。
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