緩和ケアで行こう

へなちょこ緩和ケアナース?!のネガティブ傾向な日記です。

忘れ物

2008-02-23 23:09:37 | 日々

 最近、よく家に携帯を忘れたまま、外出してしまいます。
 職場に持っていくのを忘れたとしても、携帯をチェックする暇もないので、困ることはないのですが…。
 携帯を忘れたまま外出しちゃうのよーと職場のスタッフに話をした時の、あるスタッフからの言葉。
 「それじゃー、携帯じゃないですよー。」

 …そりゃ、そうだ。
 
 でも、何が寂しいって、半日以上の間、家に放置しておいたのに、帰宅して携帯を見てみても、メールがない、ということなのです…。
 とほほ。
 まさに、携帯にとっては、充電期間?????
 


医療に大切なコミュニケーション

2008-02-16 23:38:34 | 日々の「ケア」

 緩和ケアチームって言葉を耳にしたことはありますか?
 医療者、特に、がん医療・がん看護に熱心に取り組もうとしている医療者には当然のごとく、知れ渡っている言葉ですが、一般の方々には認知度としてはどうでしょう?

 緩和ケアチームについて話そうとすると、とても長くなるので、割愛します。
 で。
 
 私は、緩和ケアのみならず、ケアを行う時には、コミュニケーションが大切だと思っています。患者-医療者のコミュニケーションだけでなく、医療者-医療者のコミュニケーションもとても大切です。
 患者-医療者のコミュニケーションを熟考するのは、必然として、残念ながら、今の医療の世界では、医療者-医療者のコミュニケーションにもたくさんの課題があります。
 
 私の個人的な意見としては、自分の職種である看護師のことを話題にせずにこんなことをいうのは気がひけますが…、医師にはコミュニケーションが苦手な方がたくさんいらっしゃるような気がします。

 ある勉強会で聞いた内容…。
 実は、主治医というのは、
1)悪気はない。でも、人には聞けない。
 患者さんにいいケアを提供したいと思うのはどの医師も同じことなのですが、医師のプライドもあるのでしょう、なかなか「聞いたほうがいいこと」は聞けないようです。
2)上司からはこう教わった気がする。
 上司に対する気兼ねがあるのかしら?患者さんのケアに「上司からいわれたから」の判断をもってくると、患者さんの真のニードを見逃してしまうことが多いのでは…。
3)人の患者に口出ししないでほしい。
 …と医師は感じているらしいですが、複雑な問題を抱えている患者さんこそ、いろんな専門職が協働して介入すれば、主治医も楽になれるのに…ね。
4)看護師の視線が辛い。
 看護師は、患者さんに24時間かかわっている職種で、患者さんに最も近い職種でもありますから、患者さんの辛さを「何とかしたい」という気持ちをもって当然なのですが、医師がリーダーシップを発揮できていないと、医師に不満を持ちやすいのです。
5)「どうしますか、って聞かれても」
 以前は、看護師は医師の子分のように捉えられているところがありました。そうではないはずですが、今も、困難な問題に直面すると、看護師は「先生、どうすんのよ!」と主治医を責めてしまうところがあるのかもしれません。どうしますかと聞かれて、困ったなーと感じる医師ならいいのですが、逆切れされると、チームワークは崩れてしまいます。こんなやりとりは、医療に限らず、どの職種でもストレスフルだと思います。
6)患者にそんなこと、いえないよ。
 誰しも、患者さんをがっかりさせるようなことはいいたくないものです。しかし、がんは根治できないものが多く、「根治できない」といった内容のことを伝えることは、医療者にとっても辛いことです。だからといって、そこから逃げていると、結局は患者さんに不利益が及びます。この言葉は、医師の本音だといえますが、裏読みすると、「誰か、助けてくれー」というヘルプを求める言葉にも思えてきます。
7)困っていない主治医が一番困る。
 これは、本当に困る。

 …だそうです。

 そして、緩和ケア医というのは、主治医と同じ医師ではありますが、「困ったなー」と思っている医師に対して、協働しようじゃないか!とコミュニケーションをフルに活用することになります。
 主治医だって、患者さんを苦しめようと思っているわけじゃない。だから、一歩引いて、提案をしてみる。そして、主治医のそれまでの努力・苦労をほめる。緩和ケア医は、医師同士の潤滑油を担う役割でもあるのかもしれません。

 このようなことは、緩和ケアチームに携わる医師にとっては、大切なこととして、どなたにも認識されていることと思います。
 
 でも。
 よく考えてみると、緩和ケア医の主治医との協働のためのコミュニケーションって、緩和ケア医だけに求められるものなのかしら?
 医療者がお互いに協働するためには、全ての医師、すべての医療者に必要なことだと思います。
 勿論、緩和ケア医だからこそ、必要なコミュニケーションスキルもあるでしょう…。
 私も医療者なので、こんなことをいうのはおかしいかもしれませんが、今の医療には、コミュニケーションがとても不足していると思えてなりません。

 すっかり、看護師のことを棚にあげてしまった気がします。
 今後は、看護師のことも書かなくちゃ。
 

面会者は動物、病院ですけど

2008-02-04 22:47:28 | 緩和ケア病棟

 当緩和ケア病棟では、面会は24時間可能で、人だけでなく、動物も可能です。
 
 私の最近の役割のひとつに、「緩和ケア病棟はどんなところだろう?」「緩和ケアって何だろう?」「緩和ケア病棟って、暗くて寂れた場所にあるんじゃなかろうな?」と思い、興味やら危惧やらの気持ちを抱いているご家族の方の、緩和ケア病棟の見学を受け入れることがあります。

 当病棟に入院されている患者さんは、これまでの生活パターンを尊重するため、少しでも慣れ親しんだ存在との時間を大切にするため、それまでの癒しを入院生活に取り入れるために、動物を病室に連れてこられる場合があります。
 幸い、当院の緩和ケア病棟は、病院の1階に面していて、庭から病室に入れます。ですから、動物を病室に連れてくるにも、エントランスを通らなくてもいい、というのが利点であります。

 さて。
 当病棟の緩和ケア病棟の案内を、私が見学にいらした患者さんのご家族にさせていただいていたあるとき。
 
 「ワンっ!!」

 …と、犬の鳴き声が聞こえました。
 (私には、○○さんの○○が吠えているとわかっていましたが~~)

 これはとてもいいタイミングです。
 当病棟では、動物も面会することができます、とお伝えしている最中でした。
 
 これには、見学に来たご家族も驚かれます。そりゃ、そうでしょうね~~~。病院に「ワンっ!」という音は似つかわしくありませんから。

 勿論、あまりにも無駄吠えをする動物や、排泄物が問題になったり、飼い主以外には対応が困難な動物の場合には、病室に連れてくることをお断りすることも想定できますが、今のところ、「出入り禁止動物」事例はでておりません。

 不思議です。動物は家族と同等のなじみがあるせいでしょうか。
 とても苦しくて、苦しくて仕方なく、笑顔をどこかに置き忘れてきたような患者さんが、慣れ親しんだペットを見て、笑顔になり、「ソイツ」を笑顔で撫でたりします。
 これは、苦しみから解放された一瞬だと思います。

 ちなみに、患者さんのそばにいる動物達に私たち医療者も癒されることが多々あります。
 
 私の属する緩和ケア病棟は、患者さんがその人らしくあるために、そこに貢献するために、どれだけの自由度を調整できるか、あらゆる面で考えています。