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緩和ケアで行こう

へなちょこ緩和ケアナース?!のネガティブ傾向な日記です。

初の看取り

2013-02-26 21:03:11 | 日々の「ケア」

 前回の記事にも書きました、看取りのこと。

 今の職場に来て、初の看取りをさせていただきました。
 今日が看取りでした。

 
 自分の受け持ち患者さんでした。
 いろいろな意味で、村田さん(仮名)との出会いとお別れは、自分の看護師人生の中で印象に残るものとなりました。


 週末、たまたま土日が日勤だったので、ずっとお手伝いさせていただいたのですが、お体の状態が変化していることがわかりました。
 
 そして、昨日から夜勤でお手伝いさせていただき、午前3時あたりから、「お別れの時間が来ている」と確信しました。
 朝になって、ご家族にお別れの時間が近づいているかもしれないから、病院にいらっしゃらないご家族に早く来てもらうための連絡をすることを検討しましょう、と言っていた矢先。

 医師から病状の説明がなされ、ご家族がお部屋に帰ってしばらくしてからのこと、村田さんは息をひきとりました。
 私は、「お別れの時」を、今日一日のスパンで考えていたので、朝の時間帯にその時間が来るとまでは思っていなくて、これは予想が大きく外れました。


 お部屋でとても混乱していたご家族(奥さん)。
 しばらく、奥さんと一緒にご本人のそばにいさせていただきました。
 

 なんと、駆け足で逝ってしまったのかしら…。
 もう少し、ほんの少し、時間がほしかったなぁ…。

 
 心からそう思いました。


 奥さんとはいろいろとお話をしてきました。
 「悔いがない」、そう言い切れるようにがんばりたいとまでおっしゃっていた奥さん。

 私から見ても、スタッフの誰から見ても、奥さんをはじめ、ご家族みんながとてもがんばって村田さんのお手伝いをしておられました。
 そして、そのことをしっかりと言葉にしてお伝えしました。



 村田さんとの出会いは、人生や人が持つ信念、家族、夫婦、親子などなど、いろんなことを考えさせられ、時に「大変やなぁ」と思ったり、時に微笑ましく思ったことがたくさんありました。


 村田さんとそのご家族に心から感謝したいです。




 そして…。
 看取りに対して思うこと…。



 受け持たせていただいている患者さんとのお別れはとてもさみしいものがありますが、自分が看取らせていただくことに言葉にはできない思いが自分の心の中にいっぱいになっています。

 自分の勝手な感覚かもしれませんが、何かしら、つながりのようなものがあるような気がしてなりません。


 お別れがつらくて悲しいものなのに、その反面、有難さが含まれた嬉しい気持ちがあります。
 なんでしょうね、この感覚。


 

 村田さんとの出会い。
 とても嬉しかった。
 
 最後に奥さんが私の手を握って挨拶してくださったことが一生、心に残りそうです。

 村田さん。本当にありがとうございました。

 

看取り、なし

2013-02-10 23:04:36 | 日々の「ケア」

 今の緩和ケア病棟で勤務して、2ヵ月以上が経ちました。

 私、いまだに、看取りをさせていただいたことがないんです。
 前の職場ではそんなこと、とても珍しいことで…。
 

 もうすぐ、看取りになりそうだ…、そんな患者さんを受け持たせていただくことも多々あるのですが、なんでしょ…。
 私、なんとなく、自信(自信っていうと変ですが…)があるんです、
 この方をお見送りするのは、私じゃないって。

 
 前の職場では、亡くなった患者さんに「がんばって」湯灌をしていたのですが、今の職場では湯灌はしません。
 ですから、もうすぐ看取りだわ…って患者さんを受け持たせていただくときには、私がお見送りをするんじゃなくて、私の次の勤務のスタッフだし、自分の思いも込めて、手浴や足浴をするようにしてます。

 
 先日、初の夜勤で、もうすぐお別れ…って患者さんがいらしたのですが、これまた、勤務の最初から、お見送りは私じゃないって自信がありました。
 やっぱり、私じゃなかった…。


 
 なんとなく、なんとなくですが、その理由があります。

 それは、お見送りをしてもらいたい人が他にいるんだってことです。
 受け持ち看護師が勤務の時に看取りになるってことはよくあることです。
 「ああ、〇〇さんが来るのを待っていたのね」なーんてことってよくあることです。

 
 私じゃないっていうのは、お見送りをしたもらいたい人が他にいるんだってことといいましたが、個人的には…。
 自分がお見送りをさせていただくほど、今の職場で本当に、本当に、患者さんやご家族、病棟の雰囲気とか、空気とか…すべての患者さんと自分を包み込んでいるものに溶け込んでいないのではないか…、だから、そんな場面に居合わせることができていないのではないかって思うのです。
 
 考えすぎかもしれません。
 
 でも、この感覚って、言葉にできないんですよね。

 この感覚は気のせいかもしれませんが、自分の中ではそうなんじゃないかって信じているところがあります。


 
 今はまだ、受け持ち患者さんもいないし、夜勤もやり始めたところだし。
 自分自身がまだ、スタッフとして一人前とはいえない。

 だから、かな。



 病棟での自分の感覚は…。

 何かの表面をさらっと撫でているだけ…、そんな感じです。
 
 
 もちろん、日々の患者さんのお手伝いを御座なりにしているわけではありません。
 日々、がんばってみても、患者さんの姿、患者さんの存在、自分のケアが点でしかなくて、全く線としてつながってこないのです。
 患者さんやご家族、そしてスタッフとか、病棟のもろもろの雰囲気すべてと、「深いところで」ちゃんとつながっている感覚がないのです。
 緩和ケア病棟であっても、その場所が変わると、感覚としてはこんなものなのかしら???
 うーん。



 だから、看取りがないんじゃないのか…なーんて。

 やっぱり考えすぎかな。
 



 そら、しゃーないわ。
 働き始めて間もない職場やしねー。


 
 まだまだ、これからです。

 

くたくた・・・

2013-02-06 21:34:46 | 緩和ケア病棟

 毎日、スタッフ業務をこなす毎日。
 日勤が続くと、正直にいうと、へとへと…。


 明後日はこの職場での初夜勤です。
 夜勤なんて、とても新鮮な感覚。
 久しぶりですもの。


 
 緩和ケア病棟。
 日本のどこにいっても、緩和ケア病棟ならば、緩和ケア病棟。


 あ。
 かなり意味不明なことをつぶやいてますが、実際に、こんなことをつぶやきたくなります。


 病院が変われば、緩和ケアをどうやってやっていくのかが違うものなのだな…って。
 
 

 正直にいうと、
 この職場で患者さんのいろいろなお手伝いをさせていただいているけど、今一つお手伝いできていないような感覚が自分の体中に充満しています。
 それが、なぜか。
 自分の心の中ではわかっているのだけど、それを、どのような言葉で、どのような形で、
 そして、誰に伝えるべきか、考えています。


 私がここ数年思うのは、患者さんへのケアのアウトカムも大切ですが、
 人の最期に寄り添わせていただく場合、「だれもが望む素敵なアウトカム」が得られないことがほとんどなので、アウトカムよりも、プロセスを大切にしないといけないと思うのです。
 困ったなと思うことに対する「これ」という解決策がみつからなくなるのも、この時期の特徴。


 そんな時期にはチームでのアプローチが欠かせません。
 

 
 おそらく、私がつぶやいてしまうのは、チームという観点で今の職場を見ているからだと思います。


 今の職場への不満ではありません。
 今の職場で勤務してみて、おそらく…、自分だから見えるありがたい視点もあるのかもしれないと思っています。
 (ひとつの職場だけで勤務しているというわけではないので)
 

 日々、様々なことを感じて、考えさせられていますが、ここにきて確信したのは、
 「自分がいかにうまく(スペシャリストとして)動けるか、ケアができるか」よりも、
 
 『いかにチームが協働できるか』がとても大切だ、ということです。
 そしたら、スペシャリストとしての活動につながっていくものだと…。


 
 
 ちらほら、ケアのことなどの相談を受けることがありますが、いまだに、業務の「これこれができてませんよ」ってな、基本的なところのご指摘を受けるくらいの自分がスペシャリストです!ってやっていくのも何だかおかしな気もします。


 
 とりあえず、もう少し、長い目で見ていくことにします。