「緩和ケアがサブスペシャリティ」として緩和ケア病棟で勤務してそれなりの年月が経ちました。
そういえば、化学療法の現場から離れて久しい…。
自分は、緩和ケア病棟で主に勤務していますが、化学療法とは関係がないとは一度も思ったことがありません。
それは、化学療法が症状の緩和を目的として行われることがあるから…という理由だけではなくて…。
個人的な見解ですが、緩和ケアに携わる者も、いわゆる積極的治療のために用いられる化学療法について、知っておくべきであると思っています。
そうそう。
化学療法の最新の知見も含めて、です。
緩和ケア病棟に勤務していても、化学療法を知っておくことのメリットとしては、
1)患者さんがどのような治療を受けてこられたのかを把握することにより、どんな副作用に苦しんでこられたのかがわかる。
2)最終の化学療法からあまり期間が空いていない時には、副作用のアセスメントと対策が可能になる。
3)患者さんが治療の過程をお話されるときに、だいたいのアウトラインを自分の中で描きながらお話を聴くことができる。
4)緩和ケア科外来を受診された段階で、化学療法を受けておられる患者さんの把握ができる。
(分子標的治療薬の場合は、内服をされている方がいらっしゃいます。診療情報提供書に記載されている投薬内容をきちんと把握しておく必要があります)
5)化学療法を受けておられる患者さん・ご家族の心身および、経済的な負担がよくわかる。
6)それぞれの疾患でどのような治療が行われているのかの知識が増す。
7)比較的体力のある患者さんが治療に対する意欲を取り戻された時には、適応となる化学療法についてアセスメントできる。
思いつくまま書いてみたので、十分ではありません。
分子標的治療薬は、これからの緩和ケア病棟にとって、お付き合いが必要かもしれない薬剤ですね…。
分子標的治療薬を投与している間に悪化しても、続けて投与していた方が、生存期間の延長が見込めるのであれば…。
それにしても、分子標的治療薬の薬剤名って…。
一般名にしろ、商品名にしろ…。
罪作りやなぁ…
ゲムツズマブオゾガマイシン・・・・・・・・。
覚えられへんがなぁーーーーーーっ。
できるだけ、スタッフにも抗がん剤の副作用について知ってもらいたくて、入院患者さんのレジメンと副作用を考慮した勉強会を行って、情報提供を行っています。
だって、緩和ケア病棟に勤務していたら、ひょっとしたら、「手足症候群」、そりゃ、なんじゃ????ってこともありうることですから。
現場から離れているとはいえど…。
こつこつと勉強するしかありませんなぁ。