介護タクシーに乗り込み、しばらくは、みんな少し、気持ちが高揚しているようでした。
池畑さんは、
「こうやって、歩けなくなっても、外出できるって、素敵。本当に、ありがたいわー。一昔前は、こんなことできなかったしね。」と、おっしゃってました。
同窓会に行くことを試みる。
これだけでも、その時の池畑さんの体調を考えると、チャレンジでした。チャレンジが成功したことを感謝していらっしゃるようにも思えました。
何より、気分が高揚していたのは、池畑さんのご主人さん。
ご主人さんは、仕事が朝に終わってから病院に駆けつけたというのに、運転手さんとご機嫌さんでお話をしまくってました。
池畑さんは、「ちっとも寝ーへんなー。」と、にやっと笑いつつ、顔をしかめてました。
ご主人さんにとっても、チャレンジが成功したことが嬉しかったに違いありません。
そして、私は、というと。
同窓会に行くことを試みる、ということだけで終わらせたくないという気持ちが一層強くなっていました。
「何とか、会場にたどり着いてみせるわよ…」
そう思っていたので、往きの車中では、なるべく池畑さんが余計なエネルギーを使わないように、(私も気持ちはうきうきだったもので)あまり話しすぎないように気をつけることにしました。
そして、会場に着く15分前。
少しでも会場で楽に過ごしていただくために、モルヒネのレスキュードーズを使いました。
池畑さんの痛みや吐き気は増強することなく、会場にたどり着くことができました。
会場では、池畑さんの同級生3人がエントランスで待ってくださっていました。
「よっしゃーっ!来たでーーーっ。」
と思っていたのは、私だけではないと思います。
実は、私は前日に、会場付近を通りがかりました。
で。うちの主任さんとおでかけしていたので、主任さんとともに、会場であるホテルのエントランスやエレベーターの場所、段差、通路などの広さなどを下見しておいたんです。
おかげさんで、おろおろすることなく、会場である日本料理のお店にたどり着くことができました。
同級生のみなさんも、ナイスなアシストをしてくださり、トラブルは全くありませんでした。
んん~~、完璧