緩和ケアで行こう

へなちょこ緩和ケアナース?!のネガティブ傾向な日記です。

素敵な思い出

2016-09-27 14:05:05 | 患者さん

これは、須藤さん(仮名)が作ったもの。


あまりにも素敵なので、写真を撮らせてもらいました。




須藤さんはとてもゴージャスな生活をされているお方で、その生活スタイルにはついていけないところがありましたが、決して傲慢になることなく、自分の信念を貫き通しつつ、ポンのいうことにもちゃんと耳を傾けてくださる方でした。

人間としてもとても尊敬できるお方でした。





ADLが保たれている時間が比較的長かったので、一緒にロビーにいって、景色を眺めながら色んなお話をしたなぁ。





人生の大先輩にもかかわらず、私が友達に話すような感じでトークしても、ちゃんとついてきてくださって。


私のお話に大爆笑してくださって、「病気になってから、こんなに笑うことができるなんて、思わなかった」と感動までしてくださって。

その感動している様をみて、私の方こそ、その感受性の豊かさにびっくらこきました。






須藤さんが亡くなられた後、ご家族が病棟にご挨拶に来てくださって、須藤さんの手作りの造花の花束をいただきました。

素敵だから、おうちのインターホンの受話器に括りつけました~



ありがとう。




こりゃ、まずいわ

2016-09-10 14:37:27 | 患者さん

財津さん(仮名)とのお別れがありました。

私の担当の患者さんではなかったのですが、看取りを自分がすることになったので、ご家族といろいろとお話をする中で、思い出せることがたくさんあった患者さんでした。


財津さんは嚥下がうまくできない状態でしたので、食事はペースト状のものを食べておられました。

そして、高次脳機能障害のある方でしたが、ポイント、ポイントでの喜怒哀楽の表現に、すごーくインパクトがありましたので、とても楽しくお付き合いさせていただいてました。


忘れられないのは、食事の介助をしている時。

ペーストの食事って、食べ物の形がなくなっているので、パッと見ではそのメニューが何なのか、わからないんですね。

ペーストになっちゃうと、臭いを嗅いでも何かわからないことが多くて…。

だから、メニュー表をしっかりとみて、「〇〇だよ」って声をかけながら介助してました。



時々、財津さんは、口の中に食べ物が入ると、びっくりするくらいの変顔で「それはいらん!!!」という表現をされることがありました。

この顔がすごすぎて。

そのまま、金剛力士像にでもなりますか?ってくらいの顔でして…。

その顔を見ると、私も「うぎゃーーーっ」って表現をして、めいいっぱい、「そんなに、まずいか、すまんな、すまんな」のお返しをしてました。

最初は、その財津さんの反応をみると、その食べ物をあっさりと諦めてました。

何度かその反応に遭遇した後、私も、その「それはいらん!!!」的おかずを口にするようにしました。



どれどれ…。


栄養士さんや調理師さんには申し訳ありませんが、食べてみると、「これはくそまずいわ」というものもありました。

そんな時には、財津さんも、そりゃ、そうやろってな反応をされておりました。




食事介助でこんなにインパクトのある患者さんって、久しぶりやなぁ。

何より、あの、まずい!!の顔を見るのが、財津さんには申し訳ありませんが、ちょっと、楽しく感じていたりして…。



お別れはさみしいけど、出会いと思い出に感謝です。